【ITニュース解説】🚀 Bloom Filters: The Fast & Memory-Efficient Way to Check Membership
2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「🚀 Bloom Filters: The Fast & Memory-Efficient Way to Check Membership」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
ブルームフィルタは、「データが存在するか」を高速かつ省メモリで判定するデータ構造。「絶対にない」または「たぶんある」のいずれかを回答する。誤って「ある」と判定する可能性はあるが、データベース等で不要な検索を省き、システム性能を向上させるために利用される。(119文字)
ITニュース解説
現代のITシステム、例えばSNSやEコマースサイトでは、「このユーザー名はすでに使われているか」「この商品はデータベースに存在するか」といった、あるデータが膨大な集合の中に存在するかどうかを瞬時に確認する処理が絶えず行われている。このような処理を高速かつ効率的に実行するために考案されたデータ構造の一つが「ブルームフィルタ」である。ブルームフィルタは、少ないメモリ消費で、非常に高速に所属判定を行うことができる確率的データ構造として知られている。
ブルームフィルタの基本的な仕組みは、「ビット配列」と複数の「ハッシュ関数」という二つの要素から成り立っている。ビット配列とは、0か1の値のみを格納できる領域が一直線に並んだものである。ハッシュ関数は、入力されたデータ(例えば文字列や数値)を、ビット配列の範囲内の特定の位置を示す数値に変換する計算式のことである。ブルームフィルタでは、一つのデータに対して複数の異なるハッシュ関数を使用するのが特徴だ。
データ(要素)をブルームフィルタに追加する際の処理はシンプルである。まず、追加したいデータを複数のハッシュ関数それぞれに入力し、複数の位置情報を得る。次に、得られたすべての位置に対応するビット配列の値を0から1に変更する。例えば、「apple」という文字列を追加するために3つのハッシュ関数を使い、それぞれがビット配列上の位置として「2」「5」「9」を算出したとすると、ビット配列の2番目、5番目、9番目のビットが1にセットされる。
一方、あるデータがフィルタ内に存在するかどうかを確認する際は、追加時と全く同じハッシュ関数群を使って位置情報を算出する。そして、算出された全ての位置に対応するビット配列の値を確認する。このとき、もし一つでも0のビットがあれば、そのデータは「絶対に存在しない」と100%断言できる。なぜなら、もしそのデータが過去に追加されていれば、対応するビットは必ず1になっているはずだからである。しかし、対応するビットがすべて1であった場合は、そのデータは「存在する可能性がある」と判断される。
ここで重要なのは、「存在する可能性がある」という確率的な回答である点だ。ブルームフィルタには「偽陽性(False Positive)」と呼ばれる、実際には存在しないデータを「存在する可能性がある」と誤って判定してしまう可能性がある。これは、異なる複数のデータを追加した結果、あるデータに対応するビット位置が偶然すべて1になってしまうことで発生する。この偽陽性の発生率は、ビット配列のサイズやハッシュ関数の数によって調整することができる。その一方で、ブルームフィルタは「偽陰性(False Negative)」、つまり存在するデータを「存在しない」と誤って判定することは決してない。この「存在しないことは確実にわかる」という特性が、ブルームフィルタが多くのシステムで活用される理由である。
ブルームフィルタの利点は、その高速性とメモリ効率の良さにある。データの存在確認は、数回のハッシュ計算とメモリ上のビット値の参照だけで完了するため、データ量に関わらず非常に高速である。また、保存するのは実際のデータそのものではなく、単なるビット情報であるため、元データがどれだけ大きくても、メモリ消費量を極めて小さく抑えることができる。ただし、標準的なブルームフィルタは一度セットしたビットを0に戻すことができないため、要素の削除には対応していないという制約もある。
この特性を活かし、ブルームフィルタは様々な実世界のシステムで利用されている。代表的な例が、Apache Cassandraのような分散データベースである。データベースはデータをディスク上のファイルに保存するが、ディスクアクセスはメモリへのアクセスに比べて非常に遅い。そこで、各ファイルが保持するデータの情報を、メモリ上にブルームフィルタとして持っておく。これにより、データ検索時にまずメモリ上のブルームフィルタを確認し、「絶対に存在しない」と判定された場合は、無駄なディスクアクセスを完全に省略できる。これにより、システムの応答性能が大幅に向上する。
また、Webコンテンツを配信するCDN(Content Delivery Network)でも、どのコンテンツをキャッシュしているかを高速に判断するためにブルームフィルタが使われる。大量のURLをメモリに保持する代わりに、ブルームフィルタを用いることで、メモリ使用量を抑えつつ、キャッシュの有無を迅速に判断し、不要なオリジンサーバへの問い合わせを削減している。このように、ブルームフィルタは完全な正確性よりも速度と効率を優先したい場面で非常に有効な技術であり、現代の大規模システムのパフォーマンスを陰で支える重要な役割を担っている。