【ITニュース解説】iOS vs Android: compare an app's recent reviews against its lifetime rating in Python
2026年10月15日に「Dev.to」が公開したITニュース「iOS vs Android: compare an app's recent reviews against its lifetime rating in Python」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
アプリストアの生涯評価は最新状況を反映しづらい。Pythonで最新レビューを収集・分析し、iOS/Android間の評価や特定のバージョンでの低評価を比較する方法を解説。リアルタイムなユーザー体験の差や問題点を早期に把握し、アプリ改善に役立てる。
ITニュース解説
アプリストアに表示されるアプリの星評価は、サービス開始から現在までの膨大な数の評価を平均した「生涯評価」である。この生涯評価は、何千万もの評価を基にしているため変動が非常に少なく、例えば最新のバージョンで何らかの問題が発生していないか、あるいはAndroidユーザーとiPhoneユーザーで現在のアプリ体験に差があるかといった、直近の変化やプラットフォーム間の違いを迅速に把握することは困難である。
このような課題に対応するためには、最新のレビューデータに注目し、それを分析するアプローチが有効だ。この記事では、App StoreとGoogle Playの両方から、同じアプリの最新レビューを収集し、その評価を比較する方法について解説する。これにより、アプリの現状をよりリアルタイムかつ詳細に理解することが可能になる。
この分析を行うには、「App Store & Google Play Reviews Scraper」というApifyプラットフォームで提供されているツールが使用される。このツールは有料だが、無料のトライアルクレジットが利用できるため、気軽に試すことができる。このツールを利用することで、手作業では膨大な手間と時間がかかるアプリストアのレビューデータを自動的に効率よく収集できる。
収集したレビューデータを用いて、主に以下の3つの指標をプラットフォームごとに比較する。一つ目は、アプリストアに表示されている全体の平均である「生涯評価」。二つ目は、直近で収集した一定数のレビュー(例えば30件や数百件)だけを平均した「最新のレビューの平均評価」。そして三つ目は、最新レビューの中で特に評価の低い「1~2つ星のレビューが占める割合」である。
実際にUberとSpotifyという二つのアプリを例に、米国からの最新レビュー30件を収集・分析したデモンストレーションの結果を見ると、いくつかの興味深い点が浮かび上がってくる。まず、どのアプリ、どのプラットフォームにおいても、書かれた最新レビューの平均評価は、生涯評価よりも顕著に低い傾向にあることがわかる。これは、一般的にテキストでレビューを残すユーザーは、アプリに対して何らかの不満や意見を持っている場合が多いという傾向を反映している。そのため、より意味のある比較を行うためには、生涯評価と最新レビューを直接比較するのではなく、「最新レビュー同士」でプラットフォーム間の比較を行うことが重要になる。
この基準でSpotifyを見ると、iOS版とAndroid版の最新レビューの平均評価はほぼ同じであった。しかし、Uberの場合は、Android版の最新レビューの評価がiOS版よりも明らかに低いという結果が出た。これは、Android版Uberに一時的あるいは特定のバージョンの問題が発生している可能性を示唆している。
また、Google Playのレビューデータには、レビュワーが使用していたアプリのバージョン情報が含まれるという特徴がある。Uberのサンプルでは、バージョン情報のある27件のレビューのうち21件が特定のバージョン(4.648.10003)に関するものだった。Spotifyでも同様に、バージョン情報のある22件中13件が特定のバージョン(9.1.84.2231)のレビューだった。もし、低評価のレビューが、単に最も広く使われているバージョンというわけではなく、特定のバージョンに集中して寄せられている場合、その特定のバージョンで「リグレッション」(プログラムの改悪により以前の機能が損なわれる現象)が発生している可能性が高い。これは、システムエンジニアが迅速に問題の原因を特定し、修正する上で非常に重要な手がかりとなる。
これらの分析を行うPythonコードは、apify-clientというライブラリを使用してApifyプラットフォームと連携し、レビューデータを取得する。具体的には、Apify上のレビュー収集ツール(Actor)を呼び出し、対象となるアプリのIDやパッケージ名、収集する国、ソート順、レビュー件数などを指定してデータを取得する。取得された生データは、アプリ名とストア別にグループ分けされ、各グループに対して最新レビューの平均評価、1〜2つ星レビューの割合などが計算される。Google Playのデータに限っては、低評価がどのバージョンに集中しているかを分析する処理も含まれる。このバージョン分析では、単に低評価の件数が多いかどうかだけでなく、そのバージョンが全レビューに占める割合に対して、低評価レビューに占める割合が高いかどうかに着目することが重要だ。
このような方法で得られた分析結果から、「最新レビュー同士」のプラットフォーム間比較が最も有益な情報を提供する。例えば、数百件のレビューで平均評価に0.3ポイント以上の差がある場合、評価の悪い方のプラットフォームのリリースノートや開発状況を詳細に確認するべきサインとなる。また、自社のアプリだけでなく、競合他社のアプリについても同様の分析を行うことで、どのプラットフォームで彼らが課題を抱えているのかを把握することも可能だ。
この分析方法を利用する際には、いくつかの留意点がある。まず、デモンストレーションでは30件という少数のレビューを用いたが、より信頼性の高い結果を得るためには数百件程度のレビューを収集することが望ましい。少数のサンプルでは、たった一人の強い不満を持つユーザーのレビューが平均値を大きく左右してしまう可能性があるからだ。次に、App Storeのレビューデータには、Appleが公開していないためアプリのバージョン情報は含まれない。したがって、バージョンごとの詳細な評価分析はGoogle Playのレビューに限定される。また、レビューは国別に収集されるため、複数の国の状況を把握したい場合は、それぞれの国に対して個別にデータ収集を実行する必要がある。Google Playからレビューを取得する際は、一度の実行で一つの言語のレビューしか取得できない(デフォルトは英語)。最後に、レビュー投稿者の名前などの情報は個人情報に該当するため、もしレビューデータを保存する場合は、個人情報の取り扱いに関する法的要件を遵守し、該当する列を削除するなどの適切な処理を行う必要がある。
Apifyのツールを利用するコストは、1,000レビューあたり0.25ドルであり、例えば2つのアプリについて、それぞれ2つのストアから500件ずつ、合計2,000件のレビューを収集する場合、約0.50ドルの費用がかかる。Apifyの無料プランには月額5ドルのクレジットが付与されているため、小規模な分析や検証であればこの無料クレジットの範囲内で十分に実施できるだろう。このように、最新のレビューデータを体系的に収集し分析することは、アプリのユーザー体験に関するリアルタイムな洞察を得て、迅速な改善活動に繋げるための、システムエンジニアにとって非常に価値のあるアプローチである。