【ITニュース解説】Let's Sketch Identity: Authentication vs. Authorization
2025年09月24日に「Dev.to」が公開したITニュース「Let's Sketch Identity: Authentication vs. Authorization」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
「認証(Authn)」はユーザーが本人であることを確認するプロセスで、「認可(Authz)」は認証されたユーザーがシステム内で何ができるかを決定するプロセスだ。アプリケーション開発において、まず認証を行い本人確認した後、認可によってアクセス権限や操作範囲を定める。これらは密接に関わる重要な概念である。
ITニュース解説
Webアプリケーション開発において、ユーザーがログインし、その後にシステムがどのように動作を決定するのか理解することは非常に重要である。特に「認証(Authentication)」と「認可(Authorization)」という二つの概念は、アプリケーションのセキュリティと機能性を支える根幹をなす。これらはしばしば混同されがちだが、それぞれ異なる役割を持っている。
まず、認証とは、ユーザーが「本人である」と証明するプロセスである。これは、アプリケーションにアクセスしようとするユーザーが、本当にそのアカウントの持ち主であるかを確認する手続きを指す。例えば、ウェブサイトのログインフォームでユーザー名とパスワードを入力することは、この認証の典型的な例である。システムは入力された情報が登録されたものと一致するかを確認し、一致すればユーザーを本人とみなす。パスワードとユーザー名の組み合わせだけでなく、公開鍵と秘密鍵のペア、あるいはパスワードを使わない「パスワードレス認証」として、メールで送られるマジックリンクや指紋などの生体認証も認証の手段として利用される。認証が成功すれば、そのユーザーはアプリケーションへのアクセスが許可される最初の段階をクリアしたことになる。このプロセスは「Authn」と略されることがある。
次に、認可とは、認証されたユーザーが「何ができるか」を決定するプロセスである。ユーザーが本人であることを確認した後、システムはそのユーザーがアプリケーション内でどのような操作を許可されているのか、どの情報にアクセスできるのかを判断する。例えば、ログインできたとしても、特定の管理画面にアクセスする権限がなかったり、他のユーザーの情報を変更する権限がなかったりすることがある。これが認可の役割である。認可は、ユーザーが本人であると証明された後に必ず行われ、ユーザーの権限に基づいたアクションやリソースへのアクセスを制御する。このプロセスは「Authz」と略されることがある。
認証と認可は密接に関連しているが、明確に異なる段階である。ユーザーはまず認証によって本人であることを証明し、その後に認可によって与えられた権限内で行動が許可される。認証がなければ、認可は実行できない。ウェブアプリケーションにおける具体的な流れとしては、新しいユーザーが「マイプロフィール」のような個人情報ページにアクセスしようとした際、アプリケーションはまずそのユーザーが認証されているかを確認する。認証されていない場合、ユーザーはログインページにリダイレクトされ、そこで資格情報(ユーザー名とパスワードなど)を入力して認証を試みる。認証が成功すると、アプリケーションはそのユーザーが誰であるかを認識し、そのユーザーに割り当てられた権限のリスト(クリップボードのようなもの)を準備する。その後、ユーザーは「マイプロフィール」ページに進むことができるが、例えば「管理者パネル」へのリンクは、ユーザーの権限リストに管理者パネルへのアクセス許可がない限り表示されない。これは認可が機能している状態である。
フロントエンド開発者にとって、この認証と認可の違いを理解することは、ユーザーインターフェース(UI)の構築に直接影響するため非常に重要である。例えば、ナビゲーションバーをレンダリングするコンポーネントでは、ユーザーが認証されているかどうか(user.isAuthenticated)を確認し、認証されていなければログインボタンを表示する。認証されていれば、さらに特定の権限(user.hasPermission('access:admin_panel'))を持っているかどうかを確認し、その権限がある場合にのみ管理者パネルへのリンクを表示するといったロジックを実装する。
認可の具体的な方法にはいくつかの種類がある。最も一般的なものの一つは「ロールベースアクセス制御(RBAC)」である。これは、ユーザーに「管理者」「編集者」「閲覧者」といった役割(ロール)を割り当て、その役割に基づいて権限を付与する方法である。役割ごとに許可される操作が決まっているため、管理が比較的容易である。
次に「属性ベースアクセス制御(ABAC)」がある。これは、ユーザーの属性(年齢、部署、所在地など)やリソースの属性、環境属性など、さまざまな属性に基づいてアクセスを決定する方法である。RBACよりも柔軟な制御が可能であり、より詳細なアクセスルールを設定できる。例えば、「特定の部署のユーザーのみが、特定の時間帯に、特定のプロジェクトのリソースにアクセスできる」といった複雑なポリシーを適用できる。
さらに、「関係ベースアクセス制御(ReBAC)」は、ユーザーとリソース間の関係性に基づいてアクセスを決定する。例えば、「ファイル作成者のみがそのファイルを編集できる」「グループメンバーのみがグループのコンテンツを閲覧できる」といった関係性に基づくアクセス制御を行う。これは、ソーシャルネットワークサービスや共同作業ツールなどでよく利用される。
最後に、「委譲された認可(Delegated Authorization)」がある。これは、ユーザーが自分のパスワードを共有することなく、あるアプリケーションに別のサービス(例:Google、Facebook)から特定のデータへのアクセス権限を付与することを許可する仕組みである。例えば、ユーザーがLinkedInアカウントでサインアップする際に、Gmailの連絡先にアクセスすることを許可する、といったケースである。この場合、LinkedInはユーザーのGmail全体ではなく、ユーザーが許可した範囲(連絡先のみ)に限定してアクセスする権限を得る。
このように、認証は「誰であるか」を証明し、認可は「何ができるか」を決定する。これらはアプリケーションのセキュリティを確保し、ユーザー体験を適切に提供するために不可欠な要素であり、常に連携して機能する。