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【ITニュース解説】This Free App Finally Makes Running Windows Apps on Linux Actually Easy

2025年09月13日に「Dev.to」が公開したITニュース「This Free App Finally Makes Running Windows Apps on Linux Actually Easy」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

WinBoatは、LinuxでWindowsアプリを簡単に動かせる無料のオープンソースアプリだ。従来の複雑な設定やシステム負荷の高い仮想環境に比べ、導入・操作が非常に簡単で、Adobe Creative SuiteやMicrosoft Officeなどの人気アプリもスムーズに動作する。Linuxユーザーの課題を解決し、利用のハードルを下げる。

ITニュース解説

コンピューターの世界には、WindowsとLinuxという二つの主要なOSがある。Windowsは多くの人に使われているが、Linuxは開発者や技術的な知識を持つ人々に好まれる。しかし、これまでLinuxを使っていると、Windowsでしか動かない特定のアプリケーションが必要になった際に大きな問題に直面することが多かった。WindowsのソフトウェアをLinux上で動かすことは、非常に複雑だったり、費用がかかったり、あるいは思ったように動作しなかったりすることがほとんどだったのだ。

そんな状況を一変させるかもしれない無料のオープンソースアプリケーション「WinBoat(ウィンボート)」が登場した。これは、これまでLinuxユーザーが抱えていたWindowsアプリ実行の煩わしさを根本から解消しようとするものだ。

WinBoatがこれまでの解決策と大きく異なる点は、その圧倒的な使いやすさにある。従来の多くの方法では、コマンドラインと呼ばれる文字入力による複雑な操作や、専門的な設定知識が求められることが多かった。しかしWinBoatは、そのような専門知識がなくても、まるでLinuxネイティブのアプリケーションのようにWindowsアプリを動かせるように設計されている。これは、WindowsアプリがLinuxで動くための「互換性レイヤー」と呼ばれる仕組みを、WinBoatが自動的に、そして効率的に処理してくれるからだ。ユーザーは、WinBoatをインストールし、使いたいWindowsアプリを指定するだけで、ほとんどの設定を意識することなくアプリケーションを起動できる。

それでは、WinBoatがこれまでの主要な解決策とどのように違うのかを見ていこう。

まず「Wine(ワイン)」というソフトウェアがある。Wineは長年、LinuxでWindowsアプリを動かすための代表的なツールとして知られてきた。しかし、Wineを使うには「プレフィックス」という特殊な環境設定を行ったり、アプリケーションが動作するために必要な「依存関係」と呼ばれる追加ファイルを自分で探してインストールしたりと、平均的なユーザーにとっては非常に手間がかかる作業だった。しかも、全てのアプリが確実に動くわけではなく、試行錯誤に多くの時間を費やす必要があった。WinBoatは、こうしたWine特有の複雑な設定や手動作業を一切不要にする。例えば、Wineで画像編集ソフトのPhotoshopを動かすのに何時間もかかった作業が、WinBoatなら数分で完了する、といった具合だ。

次に「PlayOnLinux(プレイオンリナックス)」や「Lutris(ルトリス)」といったツールがある。これらはWineの操作を少し簡単にするためのグラフィカルなインターフェース(GUI)を提供してくれるが、根本的な部分ではWineの複雑さを引き継いでいる。つまり、依然として異なるWineのバージョンを管理したり、手動で設定を調整したりする必要があった。WinBoatは、これらのツールよりもさらに進んで、互換性に関するほとんどの作業を自動化してくれるため、ユーザーは設定に時間をかけるよりも、実際にアプリを使うことに集中できる。

「VirtualBox(バーチャルボックス)」や「VMware(ブイエムウェア)」といった「仮想マシン」を使う方法も一般的だ。これはLinux上で、あたかも別のコンピューターが動作しているかのようにWindowsそのものをインストールし、そのWindows上でアプリを動かす方法だ。この方法は非常に確実だが、大きな欠点がある。それは、LinuxとWindowsという二つのOSを同時に動かすため、コンピューターのメモリ(RAM)やCPUといった資源を大量に消費してしまうことだ。例えば、Windowsを起動するだけで多くのリソースが使われてしまい、その上でアプリを動かすとなると、コンピューターの動作が重くなる傾向がある。WinBoatは、Windowsそのものを仮想的に起動するわけではなく、Windowsアプリを直接Linuxシステム上で動かすため、このような仮想マシン特有の余分なリソース消費を避けられる。

そして「CrossOver(クロスオーバー)」という有償のソフトウェアもある。これはCodeWeavers社が提供しており、Wineをベースにプロフェッショナルなサポートとより高い互換性を提供するものだ。しかし、このソフトウェアは年間60ドル程度の費用がかかる。WinBoatは、これに匹敵する、あるいはそれ以上の互換性を無料で提供し、さらに設定プロセスがより洗練されて自動化されているという利点がある。

WinBoatの実際の性能について、いくつかの demanding(要求の厳しい)なアプリケーションでテストされた結果は非常に興味深い。例えば、Adobe Creative SuiteのPhotoshop CS6といったプロ向けの画像編集ソフトは、問題なくインストールされ、驚くほどスムーズに動作したという。仮想マシンで動かすよりも確実にパフォーマンスが良かったと感じられたほどだ。一部のプラグインには小さな不具合があったものの、使用に支障をきたすほどではなかった。Microsoft OfficeのExcelやWordも完璧に動作し、複雑なマクロを含むスプレッドシートも問題なく処理できた。これだけでも、多くのLinuxユーザーにとってWinBoatが非常に価値のあるツールとなるだろう。さらに、古いWindows向けゲームも概ね良好に動作した。Steamのゲーム向けに特化したProton(プロトン)ほどのレベルではないが、カジュアルなゲームには十分対応できる。開発者にとっても朗報だ。Visual Studio CodeやNotepad++、そしてWindowsに特化した統合開発環境(IDE)も問題なく動作したことで、Linuxをメインの作業環境としながらも、特定のWindows開発ツールが必要な場面で活用できる可能性が示された。

WinBoatのセットアッププロセスは驚くほどシンプルだ。まるで数多くの手順を踏む必要があった他のソリューションとは異なり、たった三つのステップで完了する。まず、GitHubというサイトから「AppImage(アップイメージ)」という形式のファイルをダウンロードする。次に、そのファイルを実行可能な状態にする。そして、そのファイルを実行する。これだけで、WinBoatが使えるようになる。インターフェースも非常にわかりやすく、WindowsアプリケーションをWinBoat経由でインストールすることも、すでに存在するWindowsアプリケーションのインストール先を指定することも可能だ。WinBoatは、アプリケーションが動作するために必要な依存関係の解決や、Windowsのレジストリ(システム設定情報を格納するデータベースのようなもの)への書き込みといった、通常ユーザーを悩ませるような技術的な処理をすべて自動的に裏側でこなしてくれる。

もちろん、どの互換性ソリューションも完璧ではない。WinBoatも例外ではなく、全てのWindowsアプリケーションが問題なく動作すると主張しているわけではない。しかし、その互換性データベースは非常に充実しており、日々成長を続けている。コミュニティのメンバーが積極的にさまざまなアプリケーションのテストを行い、動作状況を報告しており、開発者も互換性の問題に対して迅速に対応している。多くの一般的なWindowsアプリケーションは、特別な設定なしでそのまま動作する。ただし、OSの深い部分と連携するような特殊なソフトウェアや、非常に新しいソフトウェアでは、まだ問題が発生する可能性もある。これは、他のどんな互換性ソリューションにも言えることだ。

WinBoatがオープンソースであるという点は、多くの利点をもたらす。まず、そのコードが公開されているため、プログラムがどのように動作しているかを誰でも確認できるという「透明性」がある。これは、特に安全性が不明なWindowsソフトウェアをLinux上で実行する際に、セキュリティ面で安心感を与えてくれる。次に、世界中の開発者やユーザーがプロジェクトに貢献できる「コミュニティ主導」であるため、互換性やパフォーマンスが継続的に改善されていくことが期待できる。そして、費用がかからない「無料」であること。サブスクリプション料金やライセンスの制限を気にする必要がない。最後に、もし将来的にWinBoatの開発が停止されたとしても、他の誰かがそのプロジェクトを引き継いで開発を続けられるという「将来性」がある。

結論として、もしあなたがLinuxユーザーで、時々Windowsのアプリケーションを使う必要があるなら、WinBoatは現時点で最も優れた解決策の一つだと言える。使いやすさと機能性のバランスが非常に良いからだ。インストールは全くストレスを感じさせないほど簡単で、ほとんどのアプリケーションで十分なパフォーマンスを発揮する。完全に無料で、隠れた費用も一切なく、インターフェースも直感的で理解しやすい。WinBoatは、WindowsユーザーがLinuxに乗り換える直接的なきっかけになるわけではないかもしれないが、多くの人々がLinuxへの移行をためらっていた大きな障壁を取り除いてくれることは間違いない。Wineの複雑さに頭を悩ませたり、仮想マシンの重さに我慢したりすることなく、必要なWindowsアプリを動かせるという事実は、まさに画期的な変化をもたらすものだ。もし、特定のWindowsソフトウェアが必要だからという理由でLinuxを試すのをためらっていたなら、ぜひ一度WinBoatを試してみるべきだ。これはあなたが待ち望んでいた解決策かもしれない。

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