【PHP8.x】inflate_init関数の使い方
inflate_init関数は、Zlib圧縮データストリームの解凍処理を初期化するために使用する関数です。この関数は、圧縮されたデータを元の状態に戻す「インフレーション」処理を行うための準備として、必要な内部リソースを作成します。特に、大きな圧縮データを小さなチャンク(断片)に分けて段階的に処理する際や、ストリーム形式で解凍処理を細かく制御したい場合に利用されます。
第一引数には、解凍するデータのエンコーディング形式を指定できます。例えば、ZLIB_ENCODING_DEFLATE
は標準のDeflate形式、ZLIB_ENCODING_GZIP
はGzip形式、ZLIB_ENCODING_RAW
はヘッダーのないDeflate形式に対応します。この引数は省略可能であり、省略された場合のデフォルト値は文脈やZlibのバージョンに依存します。PHP 8.3以降では、ウィンドウサイズやメモリレベルといった詳細なオプションを連想配列形式で指定することも可能です。
処理が成功した場合、この関数は後続の解凍処理で利用されるZlibストリームリソースを返します。初期化に失敗した場合は、ブール値のfalse
が返されるため、戻り値を確認してエラーハンドリングを行うことが重要です。返されたリソースは、inflate_add
関数と組み合わせて使用し、圧縮データを供給して解凍結果を受け取ります。すべての処理が完了すると、PHPのガベージコレクションによってリソースは自動的に解放されますが、明示的にリソースを閉じたい場合はinflate_add
関数にnull
を渡すことも可能です。この関数を利用するには、PHP環境にZlib拡張モジュールがインストールされ、有効になっている必要があります。
基本的な使い方
構文(syntax)
inflate_init(int $encoding = ZLIB_ENCODING_RAW): InflateContext|false
引数(parameters)
int $encoding, array $options = array ()
- int $encoding: 圧縮データのエンコーディングを指定する整数
- array $options = array (): 圧縮処理のオプションを指定する配列
戻り値(return)
InflateContext|false
inflate_init 関数は、zlib 圧縮データの展開処理を開始するために使用されます。成功した場合は、展開処理の状態を保持する InflateContext オブジェクトを返します。処理の開始に失敗した場合は、false を返します。