Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】I counted 150 AI video prompts, then built an n8n workflow that posts one a day

2026年09月07日に「Dev.to」が公開したITニュース「I counted 150 AI video prompts, then built an n8n workflow that posts one a day」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

n8nでAI動画プロンプト150個を自動投稿するワークフローを構築。分析の結果、プロンプトは短くても効果的で、カメラ指示より音声が重要と判明した。サイトマップや構造化データを活用し、APIキー不要で安定した自動化を実現した事例だ。

ITニュース解説

近年、人工知能、通称AIは私たちの生活や仕事に大きな変化をもたらしている。特に、テキストから動画を生成するAIは注目を集めている分野の一つだ。しかし、AIに意図した通りの動画を作らせるためには、『プロンプト』と呼ばれる指示文をいかに効果的に書くかが重要となる。このニュース記事では、そんなAI動画生成のプロンプトについて深く掘り下げ、さらに、毎日役立つプロンプトを自動で提供するシステムを構築した事例を紹介する。

多くの「今日のプロンプト」を自動で投稿するボットは、単にテキストだけをチャットツールに流すことが多い。しかし、実際にそのプロンプトがどのような動画を生成するのかが示されないと、ほとんどの人はその内容を読まずに流してしまう。そこで、この記事の著者は、プロンプトだけでなく、そのプロンプトで実際に生成された動画クリップも一緒に毎日投稿するシステムを考案した。このシステムは認証情報を設定する必要がなく、簡単に使えるように設計されている。

この「プロンプト毎日投稿ボット」は、『n8n』というツールを使って構築されている。n8nは、様々なウェブサービスやアプリケーションを連携させ、自動化されたワークフローを簡単に作成できる便利なツールだ。プログラミングの知識が少なくても、まるでブロックを組み立てるようにシステムの流れを視覚的に作れるため、システムエンジニアを目指す初心者にとっても非常に良い学習材料となるだろう。

このワークフローは六つのステップから構成され、驚くことにAPIキーやアカウントの認証なしで動作する。これは、利用する情報がすべて公開されているから可能となる。それぞれのステップは次の通りだ。 まず、「スケジューラートリガー」が、毎日決まった時刻にワークフローが開始するよう設定する。これが全ての自動化の出発点となる。次に、「HTTPリクエスト」ノードが、対象となるウェブサイトのコンテンツ構造を効率的に知るための『サイトマップ(sitemap.xml)』ファイルをインターネット経由で取得する。続いて、「コード」ノードが、取得したサイトマップの中からAI動画プロンプトの詳細ページだけを絞り込み、その日の日付に基づいてユニークなプロンプトのページを一つ選択する。単にランダムに選ぶのではなく、毎日異なるプロンプトが順番に表示されるように工夫されている点がポイントだ。その次に、再び「HTTPリクエスト」ノードが、選択したプロンプトの詳細ページの内容を、テキストデータとして取得する。さらに、「HTML」ノードが、取得したページからタイトル、プロンプト本文、そして動画に関する構造化データといった重要な情報だけを抜き出す。そして、「コード」ノードが、抽出した動画に関するデータから、特に動画ファイルのURLを取り出し、それらの情報を使って、チャットツール(SlackやDiscord)に投稿するためのメッセージ形式に整形する。最後に、三度「HTTPリクエスト」ノードが、整形されたメッセージをSlackやDiscordのチャネルに自動で投稿する。この情報源は、Seedance 2というサービスが公開している150個の動画プロンプトのライブラリで、それぞれに生成された動画クリップが付属している。

このワークフローを安定して動かすためには、いくつかの重要な工夫が凝らされている。一つ目は、「ランダムではなくローテーション」でプロンプトを選択することだ。日替わりプロンプトが毎日安定して異なるものになるよう、日付に基づいた計算式を使う。具体的には、現在の日付を元にした数値と、プロンプトの総数を組み合わせて、毎日順番に異なるプロンプトが選ばれるようにしている。これにより、毎日同じプロンプトが重複して投稿されたり、デバッグするたびに結果が変わったりする問題を避けている。

二つ目は、「ウェブページのレイアウトではなく構造化データを読み込む」ことだ。ウェブサイトのデザインやレイアウトは頻繁に変更される可能性があるため、HTMLの見た目から情報を抜き出す方法は不安定になりがちだ。そこで、このワークフローでは、ウェブページに埋め込まれている『構造化データ』、特にJSON-LD形式のVideoObjectスキーマから動画の情報を抽出する。構造化データは、検索エンジンなどに内容を正確に伝えるために用意されたもので、ウェブサイトのレイアウトが変わっても、そのデータ構造は比較的安定しているため、より信頼性の高い情報源として利用できる。

三つ目は、「HTML要素のセレクタを使う際に、インデックス0を無条件に信頼しない」ことだ。例えば、ウェブページに同じタグが複数存在する場合(日本語版と英語版のプロンプトが両方とも<pre>タグで記述されているなど)、単に最初の要素だけを抜き出すと、意図しない情報が選ばれてしまう可能性がある。このような場合、全ての要素を配列として取得し、そこから明示的に目的の情報を選択することが重要となる。

このシステムを構築する過程で集められた150個ものAI動画プロンプトを分析した結果は、非常に興味深い洞察を与えてくれた。まず、プロンプトの長さに関して、多くの「高度なプロンプトガイド」が長いプロンプトが詳細な制御に繋がると示唆しているのに対し、このコーパスのプロンプトは驚くほど短いことが分かった。中央値は152文字で、最長でも215文字程度だった。これは、スタイル、場所、被写体、動きについてそれぞれ一文程度でまとまっていることを意味する。実際、長すぎるプロンプトは矛盾する指示を含みがちで、AIモデルがどちらか一方を非決定的に無視してしまう傾向があるという。

プロンプトに含まれる要素の出現頻度も分析された。カメラ・レンズ・フレーミングに関する指示は全体の46%に、継続時間に関する指示は42%に、ライティングに関する指示は37%に現れる。一方で、カット構造やオーディオに関する指示は15%と少なかった。この分析から、カメラの方向指示は必ずしも必須ではなく、被写体との距離が重要になる場合に効果的であることが示唆される。また、オーディオの指定は15%と少ないが、AIが生成したクリップを「完成されたショット」に近づけるための最も費用対効果の高い差別化要素である可能性が高い。

さらに、プロンプトの約3分の1(150個中34個)が、[00:00-00:05]のように時間範囲でプロンプトを分割して記述されていた。これは、SF、シネマティック、人物のようなジャンルで顕著であり、時間の経過とともにシーンの意味合いが変わる場合に特に有効であることが分かった。逆に、風景や食べ物のようなジャンルではほとんど見られなかった。また、150個中32個のプロンプトは、テキストだけでなく参照画像を必要とするものだった。これは、特定の人物や具体的なフレームなど、テキストだけでは詳細を伝えきれない場合に、画像が不可欠となることを示しており、テキストから動画を生成するAIと、画像から動画を生成するAIの境界線を浮き彫りにしている。

この事例は、単純な自動化にとどまらず、そこからAIプロンプトに関する貴重な知見を得るという二重の成果を示している。特に、自動化されたシステムを構築する際には、単にウェブページの見た目から情報を抜き出す『スクレイピング』だけでなく、サイトが公開している『構造化データ』を優先的に利用することが、システムの安定性と保守性を高める上で非常に重要だという教訓は、システムエンジニアを目指す上で心に留めておくべきだろう。

関連コンテンツ

関連IT用語

関連ITニュース