【ITニュース解説】Automate GitHub Issues with AI and n8n to Get More Time for Coding
2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「Automate GitHub Issues with AI and n8n to Get More Time for Coding」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AIと自動化ツールn8nを使い、GitHub上の課題整理を自動化する。n8nはコードを書かずに、ドラッグ&ドロップで様々なサービスを連携させ、作業の流れを構築できる。これにより、開発者は手動での課題分類から解放され、プログラミングにより集中できる時間を増やせる。簡単な設定で開発効率を高める方法だ。
ITニュース解説
ソフトウェア開発の現場では、新しい機能の要望や不具合の報告といった「Issue(課題)」の管理が不可欠だ。これらのIssueを適切に分類し、優先順位をつけ、担当者を割り当てる作業は「トリアージ」と呼ばれ、開発の効率と品質を保つ上で非常に重要となる。しかし、このトリアージ作業は手作業で行うと多くの時間を要し、開発者が本来集中すべきコーディングの時間を奪ってしまうという課題がある。この解説では、AIとワークフロー自動化ツール「n8n」を組み合わせることで、GitHubのIssueトリアージを自動化し、開発者がより創造的な作業に集中できる時間を増やす方法について説明する。
まず、開発者がAIに何を期待するのか、という点から始める。多くの開発者は、AIがコードを生成するなどの創造的な作業を直接代行することよりも、会議の調整、タスクの分類、定型的な報告書の作成といった日常業務に付随する「退屈な作業」を自動化してくれることを望んでいる。これにより、開発者は、より価値の高いコーディングやシステム設計といった本質的な業務により多くの時間を割くことが可能になる。
この自動化を実現する中心的なツールが「n8n」だ。n8nはオープンソースのワークフロー自動化ツールであり、プログラミングの専門知識が少なくても、さまざまなシステムやサービスを連携させて自動化の仕組みを構築できる点が大きな特徴だ。GitHub、Slack、Jira、Google Drive、Notionといった主要なサービスと連携するための「ノード」と呼ばれる部品が豊富に用意されている。これらのノードをドラッグ&ドロップで視覚的に接続していくだけで、複雑な自動化フローを簡単に作成できる。また、もし既存のノードでは対応できない特殊な要件がある場合でも、HTTPリクエストを直接送ったり、JavaScriptでカスタムの処理を記述したりすることも可能で、高い柔軟性を持っている。
具体的な自動化の計画は、三つのステップで構成される。一つ目は、n8nをローカル環境にセットアップすること。二つ目は、自動化の対象となるGitHubリポジトリを用意し、テスト用のIssueを作成すること。そして三つ目が、実際に自動化のロジック、つまりワークフローを構築することだ。このワークフローでは、まずGitHubからトリアージが必要なIssueをすべて取得する。次に、取得した各Issueの情報をAIに送り、そのIssueの分類(タイプ、優先度、複雑度)と要約をAIに生成させる。最後に、AIが生成した情報を使ってGitHub上のIssueを更新し、適切なラベルを付与する。
n8nのセットアップは比較的簡単で、公式ドキュメントに従って進めることができる。特に、Dockerを使うことで、環境構築の手間を大幅に削減し、手軽に実験環境を立ち上げることが可能だ。GitHub側の準備としては、自動化の対象となるリポジトリを作成し、テスト用のIssueをいくつか用意する。自動化の対象とするIssueには、目印となるラベル(例えばneeds-triage)を付けておくことが重要だ。これにより、n8nが常に同じIssueを何度もトリアージしてしまうのを防ぐことができる。また、AIに分類させるIssueのタイプ(バグ、機能強化、質問など)、優先度(高、中、低)、複雑度(初心者向け、標準、複雑)といった基準も事前に定義しておく必要がある。この自動化には、GitHubのIssueを読み書きするためのパーソナルアクセストークンと、AIサービス(この記事ではOpenAI)を利用するためのAPIトークンが必要となる。
ワークフローの具体的な構築方法を見ていこう。まず、ワークフローを開始するための「トリガー」を設定する。これは毎日、毎週といったスケジュールで定期的に実行することもできるし、手動で実行することも可能だ。次に、n8nのGitHubノードを使って、needs-triageラベルが付いたすべてのIssueをリポジトリから取得する。
Issueが取得できたら、いよいよトリアージのロジックを実装する。取得した複数のIssueを一つずつ処理するために、「Loop over Items」ノードを使用する。このループの中で、各Issueのタイトルと本文を「OpenAI Message a model」ノードに送り、AIに分析させる。このAIへの指示が「プロンプト」と呼ばれるもので、その内容がAIの出力品質を大きく左右する。記事で使われているプロンプトは非常に詳細で、AIが「GitHubトリアージアシスタント」として振る舞い、特定の形式(JSON形式)で分類結果(タイプ、優先度、複雑度、要約)を返すように明確なルールが定義されている。例えば、「バグ」とはどのようなものか、「高優先度」とは何を指すのか、といった具体的な定義がプロンプトに含まれているため、AIは一貫性のある判断を下すことができる。
AIがIssueの分類と要約を生成した後、その結果を元のIssue情報と組み合わせる必要がある。AIの出力にはIssueの番号が含まれていないため、どのIssueに対する結果なのかを特定するために、元のIssueデータとAIの出力を「Merge」ノードで結合する。結合されたデータから、最終的にGitHubのIssueを更新するために必要な情報(Issue番号、AIが生成したタイプ、優先度、複雑度、要約)を抽出する作業は、「Code」ノードを使ってJavaScriptで記述される。このCodeノードは、n8nの組み込み機能だけでは実現が難しいカスタムロジックを実装する際に非常に強力なツールとなる。
最後に、「GitHub Edit an issue」ノードを使って、抽出されたIssue番号とAIが生成したラベル、要約に基づいてGitHub上のIssueを更新する。これにより、Issueに適切なラベルが付与され、簡潔な要約が追加される。記事の筆者によると、この自動化されたトリアージは、人間が行うトリアージと遜色のない高品質な結果をもたらしたという。もちろん、実際の運用ではAIのプロンプトをさらに調整する必要があるかもしれないが、この手法が実用的な効果を持つことは示されている。
この事例からわかるように、n8nはGitHubのような開発ツールだけでなく、Slack、Jira、Google Driveなど、多くの日常業務で使われるツールと連携し、さまざまな作業を自動化できる。例えば、新しいプルリクエストが作成された際にSlackやDiscordに通知を送ったり、複数のデータソースから情報を集めてレポートを自動生成したり、新入社員のオンボーディングプロセスで必要なアカウント作成や初期タスクの割り当てを自動化したりすることも可能だ。
結論として、AIとn8nのようなワークフロー自動化ツールを組み合わせることで、システムエンジニアが直面する多くの定型業務や「退屈な作業」を劇的に効率化できる。これにより、開発者はより創造的で価値の高い活動、すなわち、優れたソフトウェアの設計やコーディングに集中できるようになる。これは、これからのシステムエンジニアにとって、自身の生産性を高め、キャリアを豊かにするための重要なスキルセットとなるだろう。自動化の可能性は、開発者のアイデア次第で無限に広がる。