【ITニュース解説】5 Lesser Known Ways to Use JSON Web Tokens

2025年09月07日に「Dev.to」が公開したITニュース「5 Lesser Known Ways to Use JSON Web Tokens」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

JSON Web Tokens (JWT) は、安全な情報伝達のための技術だ。ヘッダー、ペイロード、署名で構成され、ステートレス認証、ロールベースの認可、シングルサインオン、APIレート制限、マイクロサービス連携など、多様な用途で活用できる。分散システムやスケーラブルなアプリケーション構築に役立つ。

出典: 5 Lesser Known Ways to Use JSON Web Tokens | Dev.to公開日:

ITニュース解説

JSON Web Tokens (JWT) は、インターネット上で情報を安全かつコンパクトにやり取りするための方法である。これは、ユーザー認証や情報の安全な受け渡しなど、さまざまなITシステムの基盤として広く利用されている。JWTは、ヘッダー、ペイロード、署名という3つの部分で構成されており、それぞれがドットで区切られている。ヘッダーは、使われているトークンの種類と署名に使われた暗号化アルゴリズムを示す。ペイロードには、ユーザーIDや役割などの実際の情報(クレームと呼ぶ)が含まれる。そして署名は、トークンが改ざんされていないか、本物であることを確認するための部分である。

JWTの大きな特徴は「自己完結型」であることだ。これは、サーバー側でユーザーのセッション情報を保存する必要がないことを意味する。これにより、複数のサーバーが連携する分散システムや、マイクロサービスアーキテクチャのような環境でも、効率的かつスケーラブルに動作させることができる。JWTを利用する際は、Node.jsのjsonwebtokenのようなライブラリを使うのが一般的で、これらのライブラリがトークンの生成や検証を簡単に行えるようにしてくれる。ただし、情報をやり取りする際は、通信が盗聴されないように、必ずHTTPS(暗号化された安全な通信プロトコル)を利用することが重要である。

具体的なJWTの構造を見てみよう。JWTは「eyJhbGciOiJIUzI1NiIsInR5cCI6IkpXVCJ9.eyJzdWIiOiIxMjM0NTY3ODkwIiwibmFtZSI6IkpvaG4gRG9lIiwiaWF0IjoxNTE2MjM5MDIyfQ.SflKxwRJSMeKKF2QT4fwpMeJf36POk6yJV_adQssw5c」のように、意味不明な文字列の羅列に見えるが、これには意味がある。最初の部分がヘッダー、真ん中がペイロード、最後が署名である。これらはそれぞれBase64という形式でエンコードされたJSONデータで、ヘッダーには「HS256」という署名アルゴリズムや「JWT」というトークンタイプが記載され、ペイロードには「sub」(主体、多くはユーザーID)や「name」(ユーザー名)、「iat」(発行日時)といった情報が含まれている。ペイロードには、有効期限(exp)のような標準的なクレームの他に、アプリケーション固有のカスタムクレームを追加することも可能である。署名は、ヘッダーとペイロードを結合し、そこに秘密鍵を使ってハッシュ化(一方向の変換)を行うことで生成される。これにより、トークンの内容が途中で改ざんされていないかを検証できる。コードでJWTを生成するには、jsonwebtokenライブラリを使い、ペイロードと秘密鍵、有効期限などのオプションを指定する。生成されたトークンは、同じ秘密鍵を使って検証することで、その内容を安全にデコードして確認できる。

JWTはさまざまな場面で活用できる。その中でも特に重要な5つの利用方法を説明する。

まず一つ目は「ステートレス認証の実装」である。従来の認証システムでは、ユーザーがログインするとサーバーにセッション情報が保存されていた。しかし、JWTを使うと、ユーザーがログインに成功した際にサーバーがユーザーIDや役割などの情報を含むJWTを発行し、それをクライアント(ウェブブラウザやモバイルアプリなど)に返す。クライアントはこのJWTを保存し、その後のリクエストの際に毎回、HTTPヘッダーにJWTを含めてサーバーに送信する。サーバーは送られてきたJWTの署名を検証するだけで、そのユーザーが正当なリクエストを行っているかを確認できる。これにより、サーバーはセッション情報を保持する必要がなくなり、複数のサーバーに負荷を分散させやすくなるため、システムの拡張性が大幅に向上する。

二つ目は「ロールベース認証の実施」である。これは、ユーザーに与えられた役割(ロール)や権限(パーミッション)に基づいて、特定の機能やリソースへのアクセスを制限する方法である。JWTのペイロードに「admin」や「user」といったユーザーの役割情報を追加しておくことで、サーバーはトークンを検証した際に、そのユーザーが必要な役割を持っているか簡単にチェックできる。例えば、特定の管理機能へのアクセスは「admin」ロールを持つユーザーに限定するといった制御が可能になる。この仕組みは、Webアプリケーションの様々な部分で再利用可能な認証ミドルウェアとして実装できる。

三つ目は「サービス間のシングルサインオン (SSO)」である。SSOとは、一度ログインするだけで、複数の異なるアプリケーションやサービスにアクセスできるようになる仕組みである。JWTを利用することで、中央の認証サーバーが発行したトークンを、他の複数のサービスが検証し、そのユーザーが正当であることを確認できるようになる。特に、公開鍵暗号方式(RS256アルゴリズムなど)を使用すると、認証サーバーが秘密鍵でトークンに署名し、各サービスは公開鍵を使ってその署名を検証するため、サービス間で秘密鍵を共有する必要がなくなり、セキュリティが向上する。

四つ目は「APIレートリミットの保護」である。APIレートリミットとは、一定期間内にAPIを呼び出せる回数を制限することである。JWTを使うことで、ユーザーIDなどの情報をトークンに埋め込み、その情報に基づいて個々のユーザーごとにAPIの利用回数を制限できる。例えば、認証されたユーザーには15分間に100回のAPI呼び出しを許可し、未認証のユーザーや無効なトークンを持つユーザーには別の制限を設けるといったことが可能になる。これにより、悪意のある大量リクエストからAPIを保護し、安定したサービス提供に役立つ。

最後は「マイクロサービス間の安全なデータ交換」である。複数のマイクロサービスが連携するシステムでは、サービス間で様々なデータをやり取りする必要がある。JWTは、このようなサービス間のデータ交換において、データの完全性と信頼性を保証するのに非常に役立つ。あるサービスが別のサービスにデータを渡す際、そのデータをJWTのペイロードに含めて署名し、送信する。データを受け取ったサービスは、そのJWTを検証することで、データが途中で改ざんされていないことを確認し、安全に利用できる。これにより、何度もAPIを呼び出して情報を問い合わせる手間が省け、システム全体の効率が向上する。

JWTを安全かつ効果的に使うためには、いくつかの重要なベストプラクティスを守る必要がある。まず、JWTの有効期限は短く設定するべきである。これにより、もしトークンが漏洩しても、悪用される期間を限定できる。長いセッションが必要な場合は、短い有効期限のアクセストークンと、それを更新するためのリフレッシュトークンを組み合わせて使う。次に、トークンに含まれるすべてのクレーム(iss:発行者、aud:受け手など)を常に検証し、トークンが意図された目的と場所で使われていることを確認する。署名アルゴリズムは、秘密鍵を共有するHS256よりも、公開鍵と秘密鍵を使うRS256のような非対称アルゴリズムを推奨する。クライアント側でJWTを保存する際は、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃のリスクを減らすため、JavaScriptからアクセスできないHttpOnly属性を持つCookieを利用するなど、より安全な方法を選ぶべきである。また、トークンの失効(ブラックリスト化)処理も考慮に入れる必要があるが、一般的には短い有効期限のトークンとリフレッシュトークンの組み合わせで対応することが多い。

よくあるJWTの誤用や間違いにも注意が必要だ。秘密鍵は、絶対にGitなどのバージョン管理システムにコミットして公開してはいけない。必ず環境変数など、安全な方法で管理する。JWTは署名されるが、そのペイロードはBase64エンコードされるだけで暗号化されているわけではないため、パスワードなどの機密情報をペイロードに直接含めてはいけない。常に有効期限(expクレーム)を設定し、無限に使えるトークンを作らないことも重要である。また、検証時にアルゴリズムの指定を強制し、攻撃者が「none」アルゴリズムを指定して署名チェックを回避するような脆弱性を防ぐ必要がある。これらの対策を講じることで、JWTは非常に強力で柔軟なツールとして、あなたのアプリケーションのセキュリティと効率性を高めることができる。システムエンジニアを目指すなら、これらの基本を理解し、実際にコードを書いて試してみることをお勧めする。

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