【ITニュース解説】Web3 Frontend – Everything You Need to Learn About Building Dapp Frontends
2025年09月06日に「Dev.to」が公開したITニュース「Web3 Frontend – Everything You Need to Learn About Building Dapp Frontends」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
Web3フロントエンド開発は、Dappの「見た目」や「使い心地」を作る役割を担う。HTML, CSS, JavaScriptが基本スキルで、Web3.jsなどを活用し、ブロックチェーンと連携してトランザクション送信やデータ読み込みを行う点が特徴だ。ユーザーが直接触れる部分を構築する重要な仕事だ。
ITニュース解説
システムエンジニアを目指す初心者が知っておくべき、Web3のフロントエンド開発について解説する。まず、フロントエンドとは何か、その基本から理解を深めていこう。
アプリケーションやウェブサイト、あるいは分散型アプリケーション(Dapp)の「フロントエンド」とは、ユーザーが直接目にして操作できる全ての要素を指す。これは「クライアントサイド」とも呼ばれ、画面に表示される色、スタイル、画像、アニメーションから、クリックできるボタン、メニュー、文字を入力するフィールド、さらにはグラフや表、テキストといったあらゆる情報が含まれる。つまり、ユーザーが何かを見たり、操作したりできる部分は、全てフロントエンドの一部であると言える。
このフロントエンドを構成する重要な要素として、「ユーザーインターフェース(UI)」と「ユーザーエクスペリエンス(UX)」がある。まずUIだが、これはユーザーとアプリケーションが実際にやり取りする「空間」を意味する。UIは主に三つの要素で成り立っている。一つ目は「インタラクティブデザイン」で、ユーザーがただ情報を眺めるだけでなく、積極的にアプリケーションに参加できるようにするデザインのことだ。例えば、ボタンを押すと何かが起こる、フォームに入力すると情報が送信されるといった、ユーザーの行動に対する反応を設計する。二つ目は「情報アーキテクチャ」で、アプリやウェブサイト内の情報を論理的かつ分かりやすく配置し、ユーザーが必要な情報にスムーズにたどり着けるようにする構造設計を指す。そして三つ目は「ビジュアルデザイン」で、アプリやウェブサイトが視覚的に魅力的で、ユーザーの目を引くような見た目にするデザインのことだ。配色やフォント、レイアウトなどがこれに当たる。Moralis web3uikitのようなツールは、特にWeb3のUIを素早く構築するのに役立つとされている。
次にUXについてだが、これは製品やサービスを通じてユーザーが得る「全体的な体験」を指す。UXは、単に見た目の良さだけでなく、その製品を使ったときにユーザーがどう感じるか、どれだけスムーズに、そして直感的に使えるかに焦点を当てる。そのため、ユーザー調査を行ったり、プロトタイプを作成してテストしたり、特定のユーザー像(ペルソナ)を設定してそのニーズに応えられているかを検証したりといった、多岐にわたる活動が含まれる。UIが「どのように見えるか」という見た目の側面を重視するのに対し、UXは「どのように感じるか」という使用感や満足度といった、より広範な体験を重視するという違いがある。
では、フロントエンド開発とは具体的に何をすることなのだろうか。フロントエンド開発とは、まさにユーザーが目にする全てのものを構築し、実装する作業を指す。その責任範囲は広く、UIの構造を設計し、デザインを組み込むこと、そして作成したアプリケーションがデスクトップパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、あらゆるデバイスで適切に表示され、操作できるように「レスポンシブ対応」を保証すること、さらにアプリケーションの動作が常に速く、スムーズであるように「パフォーマンスと速度」を維持することなどが含まれる。
フロントエンド開発者になるために必要なスキルは多岐にわたるが、最も基本的な要素は以下の三つだ。まず「HTML」は、ウェブページの骨格や構造を定義するための言語である。見出し、段落、画像、リンクといった要素がどこに配置されるかを指定する。次に「CSS」は、HTMLで定義された構造に対して、色、フォント、サイズ、配置、アニメーションといった視覚的なスタイルを適用するための言語だ。これにより、ウェブページは美しく、そしてユーザーにとって見やすい形に整形される。そして「JavaScript」は、ウェブページに動きや対話性(インタラクティブ性)を与えるためのプログラミング言語である。例えば、ボタンをクリックするとメニューが開いたり、フォームに文字を入力するとリアルタイムで情報が更新されたりといった動的な要素は、JavaScriptによって実現される。これらの基本スキルに加えて、開発効率を高めるための「フレームワーク」(例:React, Angular)や、特定の機能を持った再利用可能なコードの集まりである「ライブラリ」(例:Web3.js)といった追加スキルも習得すると、より高度な開発が可能になる。
Web3のフロントエンド開発は、Web2のフロントエンド開発と多くの点で共通の基礎を持っている。HTML、CSS、JavaScriptといった基本的な技術はどちらの環境でも不可欠だ。しかし、Web3のフロントエンド開発には決定的な違いがあり、それが「Web3.js」の存在だ。Web3.jsはJavaScriptのライブラリであり、これを用いることで、Web3のアプリケーションはブロックチェーンと直接対話できるようになる。具体的には、Ethereumのようなブロックチェーンのノードに接続し、そこからデータを読み取ったり、あるいはブロックチェーン上に新しいトランザクション(取引や操作)を送信したりすることが可能になる。これにより、ユーザーのウォレットから仮想通貨を送金したり、Dapp内でスマートコントラクトを実行したりといった、Web3ならではの機能を実現できるのだ。Web3のアプリケーションでは、通常、バックエンドの処理の一部がブロックチェーンやスマートコントラクトによって代替されるため、Moralisのような「IaaS(Infrastructure as a Service)」ツールを利用することで、開発者はバックエンド側の複雑なタスクから解放され、フロントエンドのUIやUXの改善、つまりユーザーが直接触れる部分の開発に集中しやすくなるという利点もある。
Web3のフロントエンド開発は、従来のウェブ開発のスキルを基盤としつつ、ブロックチェーンとの連携という新たな側面が加わることで、より高度で革新的なアプリケーションを構築する可能性を秘めている分野だ。Web3.jsをはじめとする専用のツールを使いこなすことで、分散型で透明性の高い、新しいユーザー体験を提供できるようになる。