【ITニュース解説】How to reduce costs for Third party API hits
2025年09月12日に「Dev.to」が公開したITニュース「How to reduce costs for Third party API hits」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
外部APIの利用コスト削減には、キャッシュ活用、利用パターンの最適化、提供元との交渉、安価な代替サービスへの切り替え、自社構築、利用制限と監視が有効だ。また、クライアントへの利用料請求やAPIアグリゲーターの活用も検討できる。
ITニュース解説
システム開発において、外部のサービスが提供するAPIを利用することはよくある。APIとは、アプリケーション同士が互いに情報をやり取りするための窓口のようなもので、プログラムが別のプログラムの機能を利用するための仕組みだ。特に「サードパーティAPI」とは、自分たちが開発しているシステムとは別の会社や組織が提供する外部サービスを利用する際に使うAPIのことを指す。例えば、地図表示機能や決済機能、特定のデータの取得など、自分でゼロから開発するのではなく、専門の会社が提供しているAPIを呼び出すことで、開発の手間を省き、高品質な機能を簡単かつ迅速に自分のシステムに組み込めるメリットがある。
しかし、これらのサードパーティAPIの多くは、APIの呼び出し回数や処理量に応じて料金が発生する「従量課金制」を採用している場合が多い。システムが成長し、APIの利用頻度が高まるにつれて、そのコストが予想以上に膨らんでしまうことがあるため、コスト削減は重要な課題となる。そこで、サードパーティAPIの利用コストを効果的に削減するための具体的な戦略をいくつか紹介する。
まず一つ目の戦略は「APIレスポンスのキャッシュ」だ。同じデータが何度も必要になるにもかかわらず、その都度APIを呼び出していては無駄なコストが発生してしまう。そこで、一度APIを呼び出して取得したデータを、一時的に保存しておく「キャッシュ」の仕組みを導入する。次に同じデータが必要になった際には、APIを呼び出すことなく、キャッシュしておいたデータを利用することで、APIの呼び出し回数を大幅に減らし、結果として費用を削減できる。このキャッシュは、自分のアプリケーションのメモリ上にデータを保存する「インメモリキャッシュ」や、RedisやMemcachedといった専門のデータベースを使ってサーバー上で管理する「サーバーサイドキャッシュ」など、さまざまな方法がある。
二つ目の戦略は「利用パターンの最適化」である。APIの呼び出し方を工夫することでも、コストを抑えることができる。もし利用しているAPIが複数のリクエストをまとめて処理する「バッチリクエスト」に対応しているのであれば、個別のリクエストを何度も送るよりも、それらをまとめて一度に送る方が効率的でコスト削減につながる可能性がある。また、頻繁にAPIを呼び出してデータの変更がないかを確認する「ポーリング」という方法ではなく、データに変更があったときにAPI側から自動的に通知してもらう「Webhook(ウェブフック)」という仕組みを利用することも有効だ。これにより、無駄な呼び出しをなくし、必要な時だけ処理を実行できる。さらに、緊急性の低い処理であれば、APIの呼び出し頻度を減らしたり、特定の時間にまとめて実行するなど、呼び出しのタイミングを調整することもコスト削減に繋がる。
三つ目の戦略は「APIプロバイダとの交渉」だ。もしAPIの利用量が増え、高額な費用がかかっているのであれば、APIを提供しているベンダー(企業)と直接交渉することを検討する。利用量が多い顧客向けに「ボリュームディスカウント」や、個別のニーズに合わせた「カスタムプライシング」を提供している場合があるからだ。現在の利用状況や、将来的な事業拡大による利用量の増加見込みなどを具体的に伝え、エンタープライズ(大企業向け)プランやパートナープランなどの特別な料金体系がないか尋ねてみる価値はある。
四つ目の戦略は「安価な代替サービスへの切り替え」である。現在利用しているAPIと同じ、あるいは類似の機能を提供する他のプロバイダが存在しないか調査することも重要だ。市場には様々なサービスがあり、中にはより低価格で同等の機能を提供する競合サービスや、オープンソース(無料で利用できる)の代替オプションがあるかもしれない。サービスを切り替える際には、単に料金だけでなく、提供される機能、利用制限、APIの応答速度(レイテンシー)、そしてその安定性などを総合的に比較検討し、自社のビジネス要件に最も適した選択をすることが求められる。
五つ目の戦略は「自社サービスの構築」だ。もし利用しているAPIが提供する機能が比較的シンプルで、例えば画像のサイズ変更や住所の形式検証といった簡単な処理であれば、その機能を外部のAPIに頼らず、自分たちで開発し、自社で運用することを検討する。初期開発にはコストがかかるが、一度構築してしまえば、外部APIの従量課金から解放され、AWSやGCP、Azureといったクラウドプロバイダの固定費用で運用できるため、長期的に見れば大幅なコスト削減につながる可能性がある。ただし、機能の複雑さや開発リソースとのバランスを慎重に考慮する必要がある。
六つ目の戦略は「レート制限と利用状況の監視」だ。予期せぬAPIの大量利用によってコストが急増するのを防ぐために、APIの利用回数に上限を設ける「レート制限」を実施することが効果的である。例えば、ユーザーやセッションごとに1分間に何回までAPIを呼び出せるか、といった具体的な制限を設定する。また、各APIの利用状況を詳細にログとして記録し、設定した制限を超えそうになったり、異常な利用パターンが検知されたりした場合には、速やかに担当者に通知する「アラート」の仕組みを導入することが重要だ。このような機能は、KongやAWS API Gatewayのような「APIゲートウェイ」と呼ばれるツールを使うことで、比較的容易に実装し、管理できる。
七つ目の戦略は「クライアントへの利用料請求」である。もしあなたのサービスが、サードパーティAPIを利用した機能を提供しており、その利用が顧客の行動に直接紐づいているのであれば、そのAPIの利用にかかる費用の一部または全部を、サービスを利用するクライアントに負担してもらうことを検討する。具体的には、使った分だけ料金が発生する「メーター課金」方式を導入したり、利用量に応じて料金が変わる「段階的な料金プラン」を提供したりする方法がある。これにより、サービス運営側がAPIコストを全額負担するのではなく、利用者にもコスト意識を持たせ、全体のコストバランスを調整できる。
そして八つ目の戦略は「APIアグリゲーターまたはバンドルの利用」である。世の中には、複数のサードパーティAPIをまとめて提供する「APIアグリゲーター」や「バンドルサービス」を提供するプラットフォームが存在する。例えばRapidAPIやAWS Marketplaceなどがこれに該当する。これらのプラットフォームを通じてAPIを利用することで、個別にプロバイダと契約するよりも割安な一括料金や、特定のAPI群がセットになったバンドル料金で利用できる場合がある。複数のAPIを効率的に利用したい場合や、コストを抑えつつ幅広い機能を手に入れたい場合に有効な選択肢となる。
これらの戦略は、利用しているサードパーティAPIの種類、自社の技術スタック、そしてビジネス上のニーズによって、最適な組み合わせや優先順位が異なる。コスト削減は一度行えば終わりではなく、システムの成長とともに常に監視し、最適な状態を保つための継続的な取り組みが求められる。様々な選択肢の中から、自社の状況に合わせた効果的な戦略を選び、賢くAPIを活用することで、開発コストを抑えつつ、高品質なサービスを提供し続けることが可能となるだろう。