Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】Vibe Coding vs. Professional Coding: A Developer’s Honest Take

2025年09月13日に「Dev.to」が公開したITニュース「Vibe Coding vs. Professional Coding: A Developer’s Honest Take」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

AIを使ったVibe Codingは高速開発が可能だが、カスタマイズ性・セキュリティ・学習面で課題がある。伝統的なProfessional Codingは深い理解と制御をもたらす。AIを有効活用するには、基本知識を習得し、AIを盲信するのではなくリードすることが重要だ。

ITニュース解説

ITの世界に足を踏み入れようとしている皆さんへ、ソフトウェア開発の手法として最近注目されている「Vibe Coding」と、昔から行われている「Professional Coding」という二つのアプローチについて、ある開発者の経験をもとに解説する。この記事は、実際に両方を試した筆者が、それぞれの特徴、メリット、デメリット、そしてこれからの開発者がどうあるべきかについて率直に語っている。

まず、「Vibe Coding」とは何か。これは、ChatGPT、Gemini、Claudeといった生成AIツールのみを利用してプロジェクトを構築する開発手法を指す。深いプログラミングスキルがなくても、アイデアさえあれば、AIが技術スタックの選定からコードの生成、フォルダ構造の作成、さらにはデプロイ(公開)まで支援してくれる。開発者は主にAIに指示を与える「プロンプト」を工夫し、AIをガイドする役割を担う。コードを自ら書くのではなく、AIに書かせ、それを導くイメージだ。

一方、「Professional Coding」は、皆さんが一般的に想像するような、伝統的なソフトウェア開発の方法だ。ここでは、開発者自身のスキルと知識が中心となる。使用するツールの選定、コードの記述とデバッグ、そしてシステム全体がどのように動作するかを深く理解することが求められる。アイデアの構想から公開まで、プロセス全体を開発者自身がコントロールし、特にパフォーマンス(動作速度)、セキュリティ(安全性)、そしてメンテナビリティ(保守性)といったソフトウェアの品質を重視して開発を進める。単に動くものを作るだけでなく、なぜそのように動くのか、どうすればより良いものが作れるのかを理解しながら構築していく。

記事の筆者は、普段は伝統的な方法で開発を進めているフルスタック開発者だが、「Vibe Coding」という言葉に興味を持ち、実際に試してみることにした。自分でルールを設け、「アイデアと課題だけをAIに伝え、技術スタックの選定からデプロイまで全てをAIに任せる。自分の開発者としての知識は使わず、プログラミングを知らない人のようにAIの指示に従う」というスタンスで二つのプロジェクトを構築した。

その結果は驚くべきものだった。AIはプロジェクト名の提案、完全なフォルダ構造、フロントエンドのUIコード、バックエンドのロジック、データベース接続の設定、そして最終的なデプロイ手順まで全て生成した。筆者はその指示に従い、コードをコピー&ペーストし、わずかな修正を加えるだけで、両方のプロジェクトを稼働させることができたという。これは非常に生産的で、頭を悩ませる必要もなく、素早く開発が進んだと述べている。

しかし、この体験から筆者はいくつかの重要な教訓を得た。これが、Vibe Codingの「落とし穴」とも言える部分だ。

一つ目は「カスタマイズの壁」である。筆者は普段、レイアウトやスタイル、コンポーネントの調整を簡単に行うことができるが、AIが生成したコードでは、少しの変更を加えるだけでも非常に手間がかかったという。ボタンのスタイルを少し変えたい、複雑なレイアウトを調整したいといった要望に対して、AIに完璧な明確さで再説明する必要があり、多くのプロンプトと試行錯誤が必要だった。AIは一般的な解決策を提供してくれるが、それは「あなたの」特定の解決策ではないのだ。

二つ目は「セキュリティの幻想」だ。AIは動作するログイン・サインアップ機能を提供したが、そのセキュリティは非常に脆弱だった。適切なトークンの有効期限設定、ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)からの保護、不十分なバリデーション(入力値の検証)、そして弱いパスワード処理など、現実のシステムでは到底許容できないレベルだった。もしこのコードを実際の顧客向けに公開していたら、あっという間に悪用されてしまう危険性があった。AIは「動作するコード」を生成するかもしれないが、「安全なコード」ではない。開発者としてのセキュリティ意識は依然として不可欠なのだ。

三つ目は「学習と成長の欠如」だ。二つのプロジェクトを完成させたにもかかわらず、筆者は何も新しいことを学んでいないと実感した。なぜなら、問題を深く考えたり、様々な選択肢とそのトレードオフ(メリット・デメリットの比較)を検討したり、行き詰まってデバッグを通じて解決策を見つけたりする経験がなかったからだ。Vibe Codingは「教育なき実行」であり、100のVibe Codingプロジェクトよりも、一つの深く手作業で構築したプロジェクトの方が、はるかに多くの学びをもたらす。

四つ目は「理解なきデバッグの悪夢」だ。AIが生成したコードは動いたものの、場合によっては出力が間違っていたり、エラーが表示されなかったりすることがあった。このような「動いているように見えて実は間違っている」バグは最も厄介だ。コードがどのように機能しているかを根本的に理解していなければ、修正は単なる当てずっぽうになってしまう。自分のコードでなければ、本当にそれを所有しているとは言えないのだ。

これらの経験を踏まえて、Vibe CodingとProfessional Codingのそれぞれの利点と欠点がより明確になる。

Vibe Codingの利点は、なんといっても「開発の迅速さ」だ。アイデアからデプロイまで驚くほど速く進めることができ、筆者は認証機能付きのランディングページをChatGPTを使ってわずか30分で完成させた経験も紹介している。「参入障壁の低さ」も魅力で、深い技術的知識がなくても、効果的なプロンプト(指示)をAIに与えるスキルさえあれば、アプリケーションを構築できる可能性がある。「ストレスフリーなコーディング」も特徴で、複雑な構文やエラーに悩まされることなく、AIに重労働を任せられるため、スムーズに作業を進められる感覚がある。

しかし、欠点も明らかだ。「カスタマイズの困難さ」は前述の通りで、具体的なデザインやユーザーフローをAIが正確に理解することは難しい。「セキュリティの脆弱性」も大きな問題で、AI生成コードはトークン期限切れ、レート制限、パスワードハッシュといったセキュリティ上のベストプラクティスを見落としがちだ。「概念的な理解の欠如」により、開発者はAIに依存するようになり、APIが内部でどのように機能するかといった基礎的な知識が身につかない。「コンテキストなきデバッグの困難さ」も深刻で、コードの挙動を理解していなければ、問題が発生した際に原因特定に膨大な時間がかかることがある。

Professional Codingの利点は、「スタック全体の完全な制御」にある。フロントエンド、バックエンド、API、データベースなど、すべての要素がどのように連携しているかを開発者自身が理解しているため、いつでも自由に調整できる。「信頼性の高いデバッグ」も可能で、システム全体を理解しているからこそ、バグの原因を特定し、迅速に修正できる。「長期的なスキル成長」も大きなメリットだ。バグを修正し、機能を実装するたびに貴重な知識が蓄積され、開発者自身の能力が飛躍的に向上する。最終的には「創造者」となり、既存の技術を利用するだけでなく、新しいライブラリやツール、あるいは独自のAIシステムを生み出すことさえ可能になる。そして、その理解は「他者を教える」ことにも繋がり、リーダーシップや新たな機会へと発展する。

一方で、Professional Codingの欠点としては、「より多くの時間」が必要な点が挙げられる。手作業での記述、適切な設計パターンの選択、AIを使わないデバッグは、AIを使う場合に比べて時間がかかる。例えば、単純なアプリケーションでも、AIを使えば数分でできることが、手作業だと何時間もかかることがある。「精神的な負担が大きい」ことも課題だ。予期せぬ問題や締切のプレッシャーは、開発者の燃え尽き症候群につながる可能性がある。「完璧主義が開発を遅らせる」こともあり、時には「これで十分」なレベルで良いものを、プロフェッショナルは過度に最適化したり、余計な機能を追加したりしてしまいがちだ。

では、Vibe CodingとProfessional Codingのどちらが優れているのか。筆者は「それは間違った問いだ」と述べている。正しい問いは「どうすれば両方の良い部分を組み合わせられるか」だ。

結論として、Vibe Codingは強力だが、Professional Codingは本質的に重要であり、どちらか一方が他方なしに完結することはない。AIツールを使って素晴らしいプロジェクトを構築することは可能で、定型的な作業や構文、環境設定などを省略できる。しかし、物事がどのように機能するかを理解していなければ、ソフトウェアを構築しているのではなく、単に指示を組み立てているに過ぎない。

もし、スタートアップ企業が低予算のプロジェクトを依頼してきた場合、AIに盲目的に従うと、不必要な技術スタックを増やしたり、複雑性を追加したりするリスクがある。コードをコピー&ペーストするだけでは、セキュリティの脆弱性、パフォーマンスの問題、そしてカスタマイズの難しさといった問題に直面する。そして、あらゆるステップをAIに依存していると、表面上は有能に見えても、現実世界の課題に直面したときに破綻してしまう可能性がある。

だからこそ、開発者は全てを知る必要はないが、AIを「ガイド」するために十分な知識を持つ必要がある、と筆者は強調する。具体的には、Webページの構造、手動でのスタイル追加やカスタマイズ方法、技術スタックの意味と選定理由、デプロイパイプラインの仕組み、AI生成コードのリスクと非効率性のチェック方法、そして、特定の状況でなぜあるロジックが別のロジックよりも適しているのかといった基本的な理論的理解が必要だ。

たとえ技術的な専門家でなくても、「プロンプトエンジニアリング」は重要なスキルとなる。これは単に「AIに何をするか尋ねる」ことではなく、意味があり、文脈に沿った出力を引き出すために、正確で戦略的なプロンプトを考案するスキルだ。

最後に、AIはより速く開発するために必要だが、AIをガイドするのは私たち人間だ。AIが開発者を完全に置き換えるという懸念は半分正しい。AIを効果的に使いこなせない開発者は置き換えられるかもしれない。しかし、技術とAIの両方を理解し、アーキテクチャを把握し、AIによって開発を加速できる開発者は、生き残るだけでなく、大いに活躍するだろう。彼らは製品をより速く出荷し、問題をより賢く解決し、他の誰も気づかない機会を掴むことができる。

筆者は自身のVibe Codingの成果が常に完璧ではなかったことを認めているが、それはプロンプトのスキルがまだ十分でなかったからかもしれないと述べている。しかし、それこそがポイントであり、プロンプトもコーディングと同様に習得すべきスキルなのだ。AIにコードを任せるとしても、その基本を理解していることが重要である。AIの活用能力と開発者の直感を組み合わせることが、真の強みとなる。

この解説を通じて皆さんに伝えたいことは、開発の「基本」を習得し、同時にAIを積極的に活用することだ。この二つを組み合わせることで、皆さんはこれからの時代に求められる、より優れた開発者へと成長できるだろう。

関連コンテンツ

関連IT用語

【ITニュース解説】Vibe Coding vs. Professional Coding: A Developer’s Honest Take | いっしー@Webエンジニア