【PHP8.x】posix_mknod関数の使い方
posix_mknod関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。
基本的な使い方
posix_mknod関数は、指定されたパスに新しい特殊ファイルを作成する関数です。この関数は、主にUnix系のPOSIX互換システムで利用され、通常のファイルやディレクトリとは異なる特定の種類のファイルをプログラムから作成するために使用されます。システムエンジニアにとって、デバイスファイルやIPC(プロセス間通信)の基盤となる名前付きパイプ(FIFO)などをプログラム的に管理する際に重要となります。
作成できる特殊ファイルの種類には、パイプとして機能するFIFO(名前付きパイプ)ファイル、キャラクターデバイスファイル、ブロックデバイスファイルなどがあります。キャラクターデバイスファイルやブロックデバイスファイルは、ハードウェアデバイスへのアクセスインターフェースとしてOSが提供するもので、例えばシリアルポートやハードディスクドライブなどのデバイスを表すために使われます。
この関数は、第一引数に作成するファイルのパスを、第二引数にファイルのモードを指定します。モードは、ファイルの種類とアクセス権限を組み合わせた整数値で、例えばS_IFIFO定数とパーミッションをOR演算子で結合して指定します。第三、第四引数には、デバイスファイルを作成する場合に必要となるメジャーデバイス番号とマイナーデバイス番号を指定します。これらの番号は、OSが特定のデバイスを識別するために使用するものです。
関数は、ファイルの作成に成功した場合にtrueを、失敗した場合にfalseを返します。この関数を利用するには、通常、システムの管理者権限が必要です。システムレベルの低レイヤーな操作を行うため、使用には十分な理解と注意が求められます。
構文(syntax)
1<?php 2// posix_mknod 関数の構文例(名前付きパイプの作成) 3// $path: 作成するスペシャルファイルのパス 4// $mode: ファイルのモード(例: S_IFIFO | 0666) 5// $major: メジャーデバイスID(キャラクター/ブロックデバイスの場合にオプション) 6// $minor: マイナーデバイスID(キャラクター/ブロックデバイスの場合にオプション) 7 8$file_path = '/tmp/my_named_pipe'; 9$file_mode = S_IFIFO | 0666; // S_IFIFO は FIFO (名前付きパイプ) タイプを示す定数 10 11$result = posix_mknod($file_path, $file_mode); 12?>
引数(parameters)
string $filename, int $flags, int $major = 0, int $minor = 0
- string $filename: 作成する特殊ファイルのパスを指定する文字列
- int $flags: ファイルの種類とパーミッションを指定する整数。
POSIX_S_IFREG(通常ファイル),POSIX_S_IFCHR(キャラクタ特殊ファイル),POSIX_S_IFBLK(ブロック特殊ファイル),POSIX_S_IFIFO(FIFO特殊ファイル) などの定数と、パーミッションフラグをビットOR演算で組み合わせます。 - int $major = 0: キャラクタ特殊ファイルまたはブロック特殊ファイルの場合、メジャーデバイス番号を指定する整数。
- int $minor = 0: キャラクタ特殊ファイルまたはブロック特殊ファイルの場合、マイナーデバイス番号を指定する整数。
戻り値(return)
bool
指定されたパスに特殊ファイルを作成したかどうかに基づいて、真偽値を返します。成功した場合は TRUE を、失敗した場合は FALSE を返します。