イントラサイト(イントラサイト)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

イントラサイト(イントラサイト)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

イントラサイト (イントラサイト)

英語表記

Intrasite (イントラサイト)

用語解説

イントラサイトとは、企業や組織などの内部ネットワークであるイントラネット上に構築され、その組織の構成員だけが利用できるWebサイトのことである。インターネット上で不特定多数に公開される一般的なWebサイトとは対照的に、アクセスが特定の範囲内に限定されている点が最大の特徴となる。その主な目的は、組織内における情報共有の促進、コミュニケーションの活性化、業務プロセスの効率化であり、組織運営に不可欠な情報基盤として機能する。イントラネットが組織内限定のネットワークそのものを指すのに対し、イントラサイトはそのネットワーク上で提供される具体的なWebサイトやWebアプリケーション群を指す言葉である。

イントラサイトの構築には、基本的にインターネットで利用されている標準的なWeb技術がそのまま用いられる。具体的には、Webページの構造を定義するHTML、デザインを指定するCSS、動的な挙動を実現するJavaScriptといったクライアントサイド技術や、サーバーサイドでプログラムを実行するためのPHP、Java、Pythonなどのプログラミング言語が使用される。WebサーバーソフトウェアとしてはApache HTTP ServerやNginx、Microsoft Internet Information Services (IIS) などが広く利用されており、これらがクライアントからのリクエストに応じてHTMLファイルや画像などのコンテンツを配信する。また、動的なコンテンツ生成やデータベースとの連携が必要な場合は、アプリケーションサーバーやデータベースサーバーを組み合わせた構成を取るのが一般的である。これらのサーバー群は、組織が自社で管理するデータセンター内に設置するオンプレミス環境で構築されることもあれば、近年ではクラウドプラットフォーム上に構築されるケースも増加している。システムエンジニアにとっては、Webサイト開発の基本的な知識と技術がそのままイントラサイト構築に応用できるため、学習の親和性が高い分野である。

イントラサイトが扱う情報は、社外秘の経営情報、人事情報、技術情報など、機密性の高いものが多いため、厳格なアクセス制御とセキュリティ対策が不可欠である。最も基本的な制御は、ファイアウォールを用いてイントラネットの外部、すなわちインターネットからのアクセスをネットワークレベルで遮断することである。これにより、組織の外部にいる第三者がイントラサイトにアクセスすることを防ぐ。さらに、イントラネット内部からのアクセスであっても、その正当性を保証するためにユーザー認証が導入される。単純なIDとパスワードによる認証のほか、セキュリティを強化するために、Active Directoryなどのディレクトリサービスと連携した統合認証や、一度のログインで複数のシステムを利用可能にするシングルサインオン(SSO)が採用されることも多い。これにより、利用者の利便性を損なうことなく、誰がいつどの情報にアクセスしたかを正確に管理できる。また、役職や所属部署に応じて閲覧・編集できるコンテンツを制限する、役割ベースのアクセス制御も重要なセキュリティ機能である。データの送受信時には、通信を暗号化するSSL/TLSを導入し、盗聴や改ざんのリスクを低減させる対策も必須となる。

イントラサイトは、組織の目的や規模に応じて多岐にわたる機能を提供する。最も基本的な用途は、全社的な情報共有のためのポータルサイトとしての役割である。経営層からのお知らせ、社内報、就業規則や各種規定、経費精算などの申請書式のダウンロード、組織図、社員名簿といった、全社員が必要とする情報が集約される。次に、業務アプリケーションの実行基盤としての役割も大きい。勤怠管理システムやワークフローシステム、プロジェクト管理ツールなどがイントラサイト上で提供されることがある。これにより、利用者はWebブラウザさえあれば、イントラネットに接続できる範囲内で業務を遂行できる。さらに、組織内のコミュニケーションを活性化させるための機能も重要である。部署ごとの掲示板、社員が自由に情報発信するブログ、社内SNSのような機能を通じて、部門の垣根を越えたコミュニケーションや知識の交換を促進する。その他、業務マニュアルや過去の議事録などをデータベース化し、必要な時に誰でも検索・参照できるようにするナレッジマネジメントの基盤としても活用される。

イントラサイトと類似した目的で導入されるシステムにグループウェアがあるが、両者には概念的な違いが存在する。グループウェアとは、一般的にスケジュール管理、電子メール、ファイル共有、施設予約といった、情報共有や共同作業を支援するための複数の機能が一つにパッケージ化されたソフトウェア製品を指す。一方、イントラサイトはより広範な概念であり、特定の製品を指すものではない。Web技術を用いて組織独自のニーズに合わせて自由に構築されるWebサイトやその集合体の総称である。イントラサイトは、グループウェアが提供するような機能を内包することも可能だが、その本質は組織独自の業務アプリケーションを稼働させたりするための、より柔軟で拡張性の高いプラットフォームである点にある。

近年のIT環境の変化は、イントラサイトのあり方にも影響を与えている。特にクラウドサービスの普及は大きな変化をもたらした。従来のようなオンプレミス環境でのサーバー構築・運用に代わり、Microsoft 365に含まれるSharePoint OnlineやGoogle WorkspaceといったSaaS型のサービスを利用して、低コストかつ迅速にイントラサイトを構築する企業が増加している。また、働き方の多様化に伴い、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからのアクセス需要が高まっているため、どのようなデバイスから閲覧しても表示が最適化されるレスポンシブWebデザインの採用が不可欠となっている。さらに、蓄積された膨大な情報の中から利用者が求める情報を的確に見つけ出せるよう、AIを活用して利用者の属性に基づいた情報を推薦する機能や、自然言語での問い合わせに自動で回答するチャットボットを導入する動きも見られる。

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