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WinINet(ウィンネット)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

WinINet(ウィンネット)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ウィンネット (ウィンネット)

英語表記

WinINet (ウィンネット)

用語解説

WinINetとは、Windows Internetの略であり、Windowsアプリケーションがインターネット上のさまざまなサービスと通信するためにMicrosoftが提供するAPI(Application Programming Interface)のセットである。このAPIを使用することで、開発者は低レベルのネットワークプログラミングの複雑さを意識することなく、Webページのダウンロード、ファイルのアップロードやダウンロード、その他のネットワーク通信機能を自身のアプリケーションに組み込むことができる。つまり、インターネットとのやり取りを簡単に行うための道具箱のようなものと考えると良い。

WinINetは、主にHTTP (Hypertext Transfer Protocol) とFTP (File Transfer Protocol) の二つの主要なインターネットプロトコルをサポートしている。HTTPはWebブラウザがWebサーバーと通信するために使用するプロトコルであり、Webページの取得やフォームデータの送信などに使われる。FTPはファイル転送に特化したプロトコルで、大量のファイルをサーバーとクライアント間で効率的にやり取りする際に利用される。かつてはGopherというプロトコルもサポートしていたが、現在ではほとんど利用されていない。これらのプロトコルを通じて、アプリケーションはWebサーバーから情報を取得したり、FTPサーバーにファイルをアップロードしたり、反対にダウンロードしたりといった多様なインターネット操作を実現できる。

具体的にWinINetのAPI関数群を見てみると、まず「InternetOpen」関数でアプリケーションのインターネット利用コンテキストを初期化する。これは、インターネット接続のためのセッションを開始するようなものだ。次に「InternetConnect」関数を使って、特定のサーバー(例えば、特定のWebサイトのドメイン名やFTPサーバーのアドレス)への接続を確立する。HTTP通信を行う場合は「HttpOpenRequest」関数でリクエストの内容(GETやPOSTなどのメソッド、URLなど)を定義し、「HttpSendRequest」関数で実際にサーバーへリクエストを送信する。サーバーからの応答を受け取った後、「InternetReadFile」関数を使ってレスポンスデータを読み込むことができる。FTPの場合も同様に、「FtpOpenFile」でファイルを開き、「InternetReadFile」や「InternetWriteFile」でデータの読み書きを行い、「FtpGetFile」や「FtpPutFile」でファイルを直接ダウンロードまたはアップロードすることも可能だ。一連の処理が終了したら、「InternetCloseHandle」関数を使って開いたリソースを適切に解放する必要がある。これらの関数は、プロトコルの詳細な仕様やソケット通信といった複雑な部分を開発者から隠蔽し、より高レベルな視点からインターネット通信を扱えるように設計されている。

WinINetの大きな特徴の一つは、その抽象度の高さにある。ネットワーク層の細かい制御や、HTTPヘッダの組み立て、TCP/IPソケットの管理といった低レベルな処理をAPI内部で自動的に処理してくれるため、開発者はアプリケーションのロジックに集中できる。また、インターネットエクスプローラーなどのシステム設定に準拠し、自動的にプロキシサーバー経由の接続を処理したり、認証情報を管理したりする機能も備わっている。Webコンテンツのキャッシュ管理も自動で行われるため、一度アクセスしたコンテンツを素早く表示できるなど、パフォーマンスの向上にも寄与する。セキュリティ面では、SSL/TLS(HTTPS)による暗号化通信をサポートしており、インターネットバンキングやオンラインショッピングなどで用いられる安全なデータ送受信も実現可能である。さらに、同期的な処理だけでなく、アプリケーションの応答性を維持しながらネットワーク通信を行う非同期処理にも対応しているため、ユーザーインターフェースがフリーズすることなくネットワーク処理を実行できる。

WinINetは、Webブラウザのようなリッチクライアントアプリケーション、オンラインソフトウェアの自動更新機能、リモートサーバーから設定ファイルやデータを取得するユーティリティ、あるいはFTPサーバーとの連携が必要なファイル管理ツールなど、様々なWindowsアプリケーションで活用されてきた。Windowsの非常に多くのアプリケーションがインターネットと連携する機能を必要とするため、WinINetはその基盤として重要な役割を担っていた。

しかし、WinINetは主にクライアントアプリケーション、特にユーザーインターフェースを持つアプリケーションでの利用を想定して設計されている。Windows Vista以降では、WinINetの機能をよりサーバーアプリケーションやサービス向けに最適化した「WinHTTP (Windows HTTP Services)」という別のAPIが登場した。WinHTTPはWinINetと比較して、より高いスケーラビリティ、堅牢性、そしてサーバー環境での利用に適した設計がなされているが、FTPやGopherといったプロトコルはサポートせず、HTTP/HTTPS通信に特化している。このため、WinINetとWinHTTPは目的や用途に応じて使い分けられる関係にある。現代においては、より新しい言語やフレームワーク(例えば.NETのHttpClientや、様々なクロスプラットフォームのHTTPライブラリなど)が登場しており、WinINetが直接使われる機会は減少傾向にあるが、既存の多くのWindowsアプリケーションや、特定のシナリオでは依然として利用されているAPIである。

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