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【ITニュース解説】Build AI-agent workflow and visualise process — a selection of 3 tools

2025年09月08日に「Medium」が公開したITニュース「Build AI-agent workflow and visualise process — a selection of 3 tools」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

複数のAIを連携させ、複雑なタスクを自動実行させる「AIエージェント」のワークフロー構築を支援するツールを紹介。処理の流れを可視化できるため、開発やデバッグが容易になる。記事では3つのツールを解説。

ITニュース解説

近年、AI技術は目覚ましい進化を遂げ、単に質問に答えるだけでなく、自律的にタスクを実行する「AIエージェント」という概念が注目されている。これは、特定の目標を達成するために、自ら計画を立て、必要なツールを使いこなし、一連の作業を遂行するAIプログラムのことである。そして現在、このAIエージェントを一つだけでなく、複数連携させて、より複雑で大規模なタスクを自動化しようという動きが活発化している。これが「マルチエージェントシステム」と呼ばれるアプローチである。例えば、ソフトウェア開発という複雑なプロジェクトを考えてみると、要件を分析するアナリスト、コードを書くプログラマー、品質をチェックするテスター、そして進捗を管理するプロジェクトマネージャーといった、異なる専門性を持つ複数の役割が必要となる。マルチエージェントシステムは、このような人間のチームが行う協調作業をAIによって再現しようとする試みであり、それぞれの専門的な役割を担うAIエージェントたちが連携することで、一つの巨大なAIでは実現が難しかった高度な問題解決を可能にする。

しかし、複数のAIエージェントを用意するだけでは、システムとして機能しない。重要なのは、どのエージェントが、どの順番で、どのような情報を受け取り、次のエージェントに何を渡すかといった、一連の作業手順、すなわち「ワークフロー」を明確に定義することである。このワークフローの設計と構築が、マルチエージェントシステム開発の核心部分となる。現在、この複雑なワークフローの構築を支援するためのフレームワークやライブラリが次々と登場しており、本稿ではその中から代表的な3つのツール、CrewAI、AutoGen、LangGraphについて、その特徴と役割を解説する。

最初に紹介するCrewAIは、役割ベースのアプローチを特徴とするフレームワークである。これは、AIエージェントに人間のような「役割(Role)」、「目標(Goal)」、「背景(Backstory)」といった具体的な設定を与えることで、その振る舞いを定義する。例えば、「経験豊富なシニアエンジニア」という役割を与え、そのエージェントが担当する「タスク(Task)」と、作業全体の「プロセス(Process)」を定義することで、複数のエージェントが協調して動作するチームを構築できる。このアプローチは、人間がチームを編成する際の考え方に近いため、開発者にとって直感的にワークフローを設計しやすいという利点がある。各エージェントの専門性を明確にし、タスクを委任していく形でシステムを組み立てられるため、特に目的が明確な協調作業の自動化に適している。

次に、Microsoftが開発したAutoGenは、AIエージェント間の「会話」を通じてタスクを解決することに主眼を置いたフレームワークである。AutoGenでは、複数のエージェントが相互にメッセージを交換し、議論や協力を重ねながら自律的に問題解決を進めていく。このシステムの大きな特徴は、人間(ユーザー)もその会話の輪に自然に参加できる点である。エージェント同士のやり取りを監視し、必要に応じて指示を出したり、軌道修正したりすることが可能だ。また、エージェント間の対話形式を柔軟に定義できるため、二つのエージェントが特定のテーマについて議論を深める、あるいはグループチャット形式で複数のエージェントがアイデアを出し合うといった、多様なコラボレーションの形を実現できる。この対話ベースのアプローチにより、より動的で予測が難しい問題に対する解決策を模索するようなタスクに向いている。

三つ目のLangGraphは、人気のAI開発ライブラリであるLangChainを基盤として開発されたツールである。その最大の特徴は、エージェントのワークフローを「グラフ」構造で表現する点にある。グラフは、処理の単位である「ノード」と、処理の流れを示す「エッジ」で構成される。この構造を用いることで、単純な直線的な処理だけでなく、「もしAという条件が満たされたらBの処理へ、そうでなければCの処理へ」といった条件分岐や、「特定の処理を完了するまで繰り返す」といったループ処理など、複雑な制御フローを明確かつ視覚的に定義することが可能になる。また、LangGraphはシステム全体の「状態(State)」を一元的に管理しながら処理を進めるため、途中で処理が中断しても状態を保持し、再開することができる。この特性は、長時間を要するタスクや、途中で人間の判断や承認が必要となるような、より現実に即した複雑なワークフローを構築する上で非常に強力な機能となる。

こうしたツールを用いて構築されたマルチエージェントシステムは、内部で非常に複雑な処理やエージェント間の情報交換を行っている。そのため、システムが意図通りに動作しているかを確認し、問題が発生した際に原因を特定するためには、そのプロセスを「可視化」することが不可欠となる。可視化とは、どのエージェントがいつ、どのようなタスクを実行し、どのような結果を出力したのか、そして次にどのエージェントに処理が渡ったのかといった一連の流れを、図やログなどで視覚的に確認できるようにすることである。これにより、開発者はシステムの動作を正確に把握し、デバッグ作業を効率化できるだけでなく、ワークフローのどこにボトルネックがあるかを発見し、システム全体のパフォーマンスを改善するための洞察を得ることができる。

まとめると、AIエージェントが協調して動作するマルチエージェントシステムは、今後のIT業界において、より高度な自動化を実現するための重要な技術となる。CrewAI、AutoGen、LangGraphといったツールは、その複雑なワークフローの構築を容易にし、開発者がより創造的な問題解決に集中できる環境を提供する。これらのフレームワークの仕組みや考え方を理解することは、これからシステムエンジニアを目指す者にとって、将来のキャリアにおける大きなアドバンテージとなるだろう。

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