Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】That $47K AWS Bill? Yeah, It Should Be $8K

2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「That $47K AWS Bill? Yeah, It Should Be $8K」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

クラウドサービスは便利だが、データ転送量や設定ミスで高額請求になる事故が多い。システムエンジニアを目指すなら、プロバイダー比較、リアルタイムのコスト監視、無駄を生まない設計を学び、計画的に運用することが重要だ。

出典: That $47K AWS Bill? Yeah, It Should Be $8K | Dev.to公開日:

ITニュース解説

クラウドサービスは、開発者や企業に多大な柔軟性と拡張性をもたらすが、その便利な側面には予期せぬ高額な請求という落とし穴が潜んでいる。多くの人が「クラウド料金のサプライズ」に直面しているが、これらの問題は特定のパターンに従って発生し、適切な知識と予防策があれば回避できるものだ。ここでは、実際に発生した高額請求の具体的な事例と、それらを防ぐための戦略的なアプローチについて解説する。

まず一つ目のパターンは、共有したコンテンツが予想外に拡散し、データ転送費用が爆発的に増加するケースだ。例えば、ウェブサイトで公開した13.7GBのファイルが非常に人気を集め、世界中のユーザーによって繰り返しダウンロードされた結果、月額23ドル程度のサイト費用が一日で2657ドルに跳ね上がった事例がある。クラウドサービスでは、サーバーから外部(インターネットなど)にデータが転送されるたびに「データ転送(エグレス)費用」が発生する。多くの利用者はこの費用を過小評価しがちだが、データ転送費用はサーバー自体のコストを大幅に上回ることがあるため、注意が必要だ。この問題を回避するには、コンテンツを公開する前にデータ転送戦略を十分に検討し、クラウドプロバイダーの料金体系、特にアウトバウンドデータ転送のコストを事前に確認することが極めて重要だ。また、データ転送量に対してより寛容な料金設定を持つプロバイダーを選ぶことも有効な対策となる。

二つ目のパターンは、オートスケーリング(負荷に応じてサーバー台数を自動調整する機能)が意図せず高額な請求を生み出す場合だ。あるスタートアップのアプリケーションでは、メモリリークというソフトウェアの欠陥が数時間おきにCPU使用率を急増させていた。これに対し、オートスケーリング機能は問題解決のために新しいサーバーインスタンスを次々と起動したが、根本的な問題が解決されないため、サーバーは無限に増え続けた。結果として、30日間で450以上のインスタンスが起動され、何の成果も生み出さないコンピューティング能力に対して1万8400ドルもの費用が無駄に費やされた。このような事態を防ぐには、オートスケーリングを本番環境に適用する前に、現実的な負荷状況下で徹底的にテストを行うことが不可欠だ。さらに、オートスケーリングの最大インスタンス数に予算に合わせた上限を設定し、インフラの稼働状況だけでなく、アプリケーション自体の健全性(ヘルスチェック)も監視し、問題が発生した場合は速やかに対応できる仕組みを導入すべきだ。

三つ目のパターンは、地理的に離れたリージョンにサービスを配置したことによるデータ転送費用だ。ある開発チームは、ストレージ費用を抑えるためにデータベースを米国東部のリージョンに配置し、アプリケーションサーバーはユーザーに近い米国西部のリージョンに置いた。一見すると効率的に見えるこの構成が、全てのデータベースクエリがリージョンをまたいで実行されることになり、月額1万2800ドルもの高額なデータ転送費用が発生した。同じクラウドプロバイダー内であっても、異なるリージョン間のデータ転送には別途費用がかかる場合が多く、これが予想外の出費につながる。この問題を防ぐためには、特別な理由がない限り、関連するサービス(例えばアプリケーションとデータベース)は同じリージョンに配置することが望ましい。また、複数リージョンにサービスを展開する際は、事前にクラウドプロバイダーの料金計算ツールを活用し、リージョン間データ転送の費用を正確にシミュレーションすることが必須だ。

四つ目のパターンは、開発環境の放置による無駄な費用だ。急速に成長する企業が、新機能の開発や顧客デモンストレーションのために多数の開発環境やステージング環境を立ち上げたが、使い終わった後にそれらを停止し忘れるケースがある。半年後には47もの環境が24時間稼働し続け、それぞれにデータベース、ロードバランサー、コンピューティングインスタンスなどが含まれていた。これらの環境は週にわずか2〜3時間しか使われないにもかかわらず、合計で月額8900ドルの無駄な費用が発生していた。このような無駄をなくすためには、開発環境のライフサイクル管理を徹底し、自動シャットダウンの仕組みを導入する必要がある。インフラストラクチャ・アズ・コード(IaC)を利用して環境の作成と破棄を自動化したり、リソースにタグ付けをして所有者や目的を明確にしたり、定期的に環境の棚卸しを行うことが効果的な対策となる。

五つ目のパターンは、ロードバランサーの不必要な増加だ。あるスタートアップが、各マイクロサービス、各開発環境、そして各地理的リージョンごとに個別のロードバランサーを多数作成してしまった事例がある。ロードバランサーは、トラフィックを適切に振り分ける重要なコンポーネントだが、その一つ一つに基本料金と容量に応じた追加料金が発生する。結果として、15個のロードバランサーに月額2800ドル以上の費用がかかることになった。これを防ぐためには、可能な限りロードバランサーを統合し、パスベースルーティングなどの機能を利用して、一つのロードバランサーで複数のサービスやパスを効率的に管理することを検討すべきだ。インフラの構成要素一つ一つに対し、「これは本当に必要か、共有できないか」と常に疑問を持ち、定期的にアーキテクチャを見直す習慣をつけることが重要である。

これらの事例から明らかなように、クラウドの費用は単にサーバーの稼働時間やスペックだけで決まるものではない。データ転送、ストレージ、特定のサービス、そして設定ミスなど、様々な要因が複雑に絡み合い、高額な請求につながる可能性がある。このようなコストの落とし穴を避けるためには、戦略的な予防策を講じることが不可欠だ。

まず、システム構築を始める前に、複数のクラウドプロバイダーのコストを徹底的に分析することが重要だ。大手プロバイダーに盲目的に従うのではなく、コンピューティング、ストレージ、データ転送、ロードバランシング、サポート費用など、主要なコスト要因を詳細に比較検討すべきだ。複数の料金計算ツールを使って、想定される利用状況に基づいたコストモデルを作成し、最適なプロバイダーを選ぶことが賢明なアプローチである。UpCloudやDigitalOceanのような中小のプロバイダーは、特定の用途において大手プロバイダーと比較して大幅なコスト削減をもたらす場合がある。

次に、リアルタイムでのコスト監視を導入する必要がある。単なる予算アラートでは、費用がかさんでから通知されるため、手遅れになることが多い。日々のコストを追跡し、視覚的に把握できるダッシュボードを設定することで、どのリソースがどれだけの費用を使っているかを詳細に把握できる。異常なコストの増加を自動的に検知し、場合によってはリソースを自動停止するような仕組みも効果的だ。チームごとにコストの責任を割り当てることで、コスト意識を高めることにもつながる。

さらに、特定のクラウドプロバイダーに縛られない、プロバイダー非依存のアーキテクチャを計画することも重要だ。コンテナ化技術(Dockerなど)、インフラストラクチャ・アズ・コード(Terraformなど)、そして標準化されたデプロイプロセスなどを活用することで、必要に応じて異なるクラウドプロバイダー間でワークロードを容易に移動できるようになる。これにより、特定のプロバイダーに縛られることによる高額な料金設定を回避し、常にコストパフォーマンスの良いプロバイダーを選択できる柔軟性が生まれる。

代替プロバイダーの評価も積極的に行うべきだ。UpCloud、Linode、DigitalOceanなどの小規模なプロバイダーは、主要プロバイダーと比較して、より透明性の高い料金モデルを提供することが多い。ロードバランシングやリージョン間のデータ転送など、大手のプロバイダーでは個別に課金されるサービスが、彼らの料金に含まれている場合もある。また、より迅速で質の高いサポートを、プレミアムプランなしで提供するケースも見られる。実際に、AWSからUpCloudへ移行することで、月額4200ドルの費用を1400ドルに削減したスタートアップの事例もあり、主な削減要因はリージョン間のデータ転送費用、ロードバランシングのコストの簡素化、透明性の高いストレージ料金、そしてバックアップサービスの無料化だったという。

これらの教訓を踏まえ、あなたの行動計画は次のようになる。クラウドプロバイダーを選ぶ前に、複数のプロバイダーの料金計算ツールでコストを予測し、現実的なワークロードでテストを行う。そして、システムを運用し始めたら、初日からコスト監視を導入する。開発中は、開発環境のライフサイクル管理を徹底し、週次でコストを監視する。全てのサービスについて「これは本当に必要か、それとも単に便利だから使っているだけか?」と問い直し、アーキテクチャ決定がコストに与える影響を文書化する。運用中は、定期的なコスト監査をセキュリティレビューと同様に重要視し、チーム全体でコストの責任を持つ仕組みを導入し、四半期ごとにプロバイダーの価値評価を行う。

結論として、クラウドの費用は、単にサーバーのスペックや稼働時間だけで決まるものではない。選んだプロバイダーの経済モデルを深く理解し、その上で戦略的な計画を立てることが不可欠だ。スマートなインフラ計画は、プロバイダーの評価から始まり、リアルタイムの監視、チーム全体の責任体制、そして継続的な最適化によって成功する。クラウドを単に便利だからと使うのではなく、財務的な影響を完全に理解した上で戦略的に活用することが、無駄な出費を避け、持続可能なシステム運用を実現する鍵となる。

関連コンテンツ

関連IT用語