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フレームリレー(フレームリレー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

フレームリレー(フレームリレー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

フレームリレー (フレームリレー)

英語表記

Frame Relay (フレームリレー)

用語解説

フレームリレーは、1990年代から2000年代前半にかけて広域ネットワーク(WAN)で広く利用されたパケット交換方式の通信サービスである。企業が複数の拠点間でデータをやり取りする際に、低コストかつ柔軟なネットワークを構築するための基盤技術として普及した。主に、電話回線網のデジタル化技術であるISDN(Integrated Services Digital Network)をベースに開発され、専用線接続に比べてコストを削減しつつ、複数の拠点間通信を効率的に実現することを目的としていた。データは「フレーム」と呼ばれる単位に分割されて送信され、ネットワーク内では「仮想回線」という論理的な接続経路を通じて目的地へ届けられる。この仮想回線により、1本の物理回線を複数のユーザーやアプリケーションで共有することが可能となり、ネットワーク資源の有効活用が図られた。フレームリレーは、後のIP-VPNや広域イーサネットなどの技術が登場するまでの間、企業ネットワークの構築において重要な役割を果たした。

フレームリレーが登場した背景には、従来のWAN技術が抱えていた課題がある。当時、企業が拠点間通信を行うための主要な方法は、専用線接続かX.25パケット交換網であった。専用線は高い信頼性と安定した帯域幅を提供したが、拠点間が遠くなればなるほどコストが増大し、複数の拠点を持つ企業にとっては経済的な負担が大きかった。また、新たな拠点が増えるたびに専用線を敷設する必要があり、柔軟性に欠けるという問題もあった。一方、X.25はパケット交換方式であり、専用線よりも柔軟でコスト効率が良いとされたが、回線品質が不安定だった時代に設計されたため、ネットワーク上でエラー訂正などの厳重な処理を多重に行い、これが通信速度低下や処理オーバーヘッドの増加を招いていた。

1980年代後半から1990年代にかけて、光ファイバーの普及などにより通信回線の品質が大幅に向上した。これにより、従来のX.25のような厳重なエラー処理は、回線の両端で行うだけで十分となり、ネットワーク内部での処理を簡素化できるようになった。フレームリレーはこのような状況の変化に対応し、X.25の複雑な処理を削減し、簡素なエラー検出のみをネットワーク内部で行うことで、より高速で効率的なデータ転送を実現したのである。

フレームリレーの最も重要な概念の一つは「仮想回線(Virtual Circuit)」である。これは、物理的な専用線がなくても、論理的に専用の通信経路が確立されているかのように見せる技術である。仮想回線には、常に接続が確立されている「永続仮想回線(PVC: Permanent Virtual Circuit)」と、通信が必要なときに一時的に接続が確立され、通信終了後に解放される「交換仮想回線(SVC: Switched Virtual Circuit)」の二種類がある。企業ネットワークでは、常時接続が必要な拠点間の通信には主にPVCが利用された。各仮想回線は、DLCI(Data Link Connection Identifier)と呼ばれる識別子によって区別され、このDLCIを用いてフレームがどの仮想回線に属し、どこへ転送されるべきかが判断される。

フレームリレーのデータ転送は、その名の通り「フレーム」と呼ばれるデータ単位で行われる。データは、発信元でフレームにカプセル化され、フレームリレー網のエッジルーターから入力される。網内のスイッチは、フレームヘッダに含まれるDLCIを基に、事前に設定された経路情報(ルーティングテーブル)に従ってフレームを目的の宛先まで転送する。1本の物理的なアクセス回線上に複数の仮想回線を多重化して利用できるため、複数の拠点との通信を少ない物理回線でまかなうことができ、物理回線コストの削減に寄与した。

帯域制御の面では、フレームリレーは「契約情報レート(CIR: Committed Information Rate)」と「超過情報レート(EIR: Excess Information Rate)」という概念を持つ。CIRは、ユーザーが最低限保証される帯域幅としてプロバイダと契約するレートであり、この範囲内であれば安定した通信が期待できる。一方、EIRは、ネットワークが混雑していない場合に、CIRを超えて一時的に利用できる帯域幅である。しかし、ネットワークが輻輳した場合、EIRで送信されたフレームは優先的に破棄される可能性があり、さらに輻輳が深刻な場合にはCIR内のフレームも破棄されることがある。輻輳が発生しそうな際には、FECN(Forward Explicit Congestion Notification)やBECN(Backward Explicit Congestion Notification)といった通知ビットがフレームにセットされ、送信元に対して送信レートの調整を促す仕組みも存在した。これにより、ネットワーク全体のパフォーマンス維持が図られた。

フレームリレーの主なメリットは、専用線に比べて大幅なコスト削減が可能であること、柔軟なネットワーク構成が容易であること、そしてスケーラビリティに優れている点であった。料金は距離に依存せず、契約帯域によって決まることが多く、また1本の物理回線で複数の論理的な接続を多重化できるため、物理回線数の削減につながった。しかし、デメリットとしては、リアルタイム性が求められる音声や動画などのトラフィックには、輻輳時のフレーム破棄や遅延が問題となる場合があった。また、最大転送速度も、後に登場するATM(Asynchronous Transfer Mode)やギガビットイーサネットに比べると限界があった。

2000年代中盤以降、インターネット技術の発展とIP-VPN(Virtual Private Network)や広域イーサネットといったより高速で柔軟なWAN技術の普及により、フレームリレーの利用は徐々に減少していった。特に、既存のイーサネット技術をそのままWANに拡張できる広域イーサネットは、企業のLANとWANの接続をシームレスにし、プロトコル変換の必要性をなくすなど、運用管理の簡素化をもたらした。それでも、フレームリレーは現代の企業ネットワークを支える基盤技術へと進化していく過程において、重要な役割を果たした技術であり、その原理は現在のパケット交換ネットワークにも通じる概念が多く含まれている。

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