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【ITニュース解説】🧠How to use AI more efficiently for free (Serena MCP)🧐

2025年09月20日に「Dev.to」が公開したITニュース「🧠How to use AI more efficiently for free (Serena MCP)🧐」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

AIコーディングでトークン消費や応答速度に課題を感じる人へ。無料のコーディング支援ツール「Serena」は、コードを効率的に読み込むことでAIのトークン利用を最大70%削減し、応答速度とコード品質を向上させる。大規模プロジェクトでのAI活用に貢献する。

ITニュース解説

現代のソフトウェア開発において、人工知能(AI)を活用したコーディング支援ツールは、私たちシステムエンジニアの作業効率を大きく向上させる強力な味方だ。しかし、AIツール、例えばClaude Codeのようなサービスには、利用できる情報の量に「トークン制限」という制約がある場合が多い。このトークン制限は、AIが一度に処理できるテキストの最大量を示し、大規模なプロジェクトで複雑なコーディング作業を行っていると、あっという間に上限に達してしまい、AIの応答が中断される事態が頻繁に発生する。これは、作業の途中でAIが停止してしまうことを意味し、開発効率を大きく阻害する問題点であった。

このような課題を解決するために登場したのが、「Serena(セレーナ)」というコーディングエージェントツールキットである。Serenaは、AIがコードをより効率的に、かつ深く理解できるように設計されており、これによりトークン使用量を削減し、AIの応答速度と品質を飛躍的に向上させることを目指している。通常のAIは、コードを理解するためにプロジェクト内のすべてのファイルを読み込もうとするため、情報量が多くなるとトークンを大量に消費し、処理に時間がかかってしまう。これに対しSerenaは、まずプロジェクト全体のコードに対して「インデックス」と呼ばれる目次のようなものを作成する。このインデックスは、プロジェクトの構成や各要素の関連性を素早く参照するためのもので、AIがコード全体を逐一読み込む手間を省き、必要な情報に直接アクセスできるようにする。

さらにSerenaは、インデックス作成だけでなく、プロジェクトに関する「記憶」を自動的に生成する仕組みも持っている。これは、.serena/memoriesという特殊なフォルダ内に、プロジェクトの概要、コードのスタイル規約、ディレクトリ構造、推奨される開発コマンド、タスク完了の指針、技術スタックなどの情報をMarkdown形式のファイルとして保存するものだ。これらの記憶ファイルは、Serenaがプロジェクトの全体像や開発ルールを深く理解するための基盤となり、AIがより文脈に沿った、精度の高いコード生成や修正提案を行えるようにする。

Serenaは、Claude Code、Cursor、Cline、VSCodeなど、さまざまな統合開発環境(IDE)で「MCP(Model Context Protocol)」として機能し、TypeScript、JavaScript、Python、Java、C#といった多様なプログラミング言語に対応している。特に大規模なプロジェクトでその真価を発揮し、場合によってはトークン使用量を最大で約70%も削減できると報告されている。これにより、AIがトークン制限に達するまでの時間を大幅に延長し、開発者はより中断されることなくAIの支援を受けられるようになる。

Serenaの利用は、主に三つのステップからなる。最初のステップは「インストール」だ。これは、特定のコマンドを実行してSerenaを開発環境に導入し、Claude CodeなどのAIツールと接続する作業だ。インストールが完了すると、自動的にログダッシュボードがブラウザで起動し、プロジェクトのルートディレクトリに.serenaというフォルダが作成される。このフォルダ内には、Serenaの設定を管理するproject.ymlファイルが生成される。

次に「オンボーディング」というステップがある。これはSerenaがプロジェクトの内容を初めて読み込み、理解を深めるための初期プロセスだ。オンボーディング中、Serenaは多くのファイルを解析し、前述の「記憶」ファイル(Markdown形式)を.serena/memoriesフォルダに作成する。このプロセスは、多くのファイルを読み込むため、一時的に多くのトークンを消費する可能性がある。開発者は、Claude CodeなどのAIツールにチャットで「Serenaのオンボーディングを開始する」と指示することでこのプロセスを実行する。オンボーディングで生成される記憶ファイルの内容が、必ずしも完全に正確ではない場合もあり、その際は手動で修正してSerenaの理解を深める必要がある。

最後のステップは「インデックス作成」だ。オンボーディングプロセスである程度のキャッシュファイルが作られるが、それがプロジェクト全体をカバーしているとは限らない。そのため、専用のコマンドを実行してプロジェクト全体のインデックスを改めて作成し、Serenaがプロジェクトのあらゆる部分を効率的に参照できるようにする。これにより、Serenaは必要なコードスニペットや定義を素早く見つけ出し、AIに提供することが可能になる。

Serenaが生成するファイル、特に.serenaフォルダ内のproject.ymlと「記憶」ファイルは、その働きを具体的に示している。project.ymlはプロジェクトの基本設定ファイルであり、プログラミング言語の指定(例: language: typescript)、.gitignoreファイルを利用して無視するファイルの指定、さらにSerenaが利用できるさまざまなツールのリストと設定(ファイルの作成、読み込み、削除、コードの挿入、シンボルの検索、シェルコマンドの実行など)が詳細に記述されている。これにより、Serenaはプロジェクトの特性に合わせて最適な動作をするよう調整される。

また、.serena/memoriesフォルダに作成されるMarkdownファイルは、Serenaがプロジェクトの「知識」として活用する情報源となる。例えば、code_style_and_conventions.mdファイルは、TypeScriptの設定、非同期処理のパターン、命名規則、import/exportの形式、CSSのスタイリングといった、プロジェクト固有のコーディングスタイルや規約をまとめたものだ。project_overview.mdファイルは、プロジェクトの目的、主要な機能、使用している技術スタック、全体的なアーキテクチャの概要を提供し、project_structure.mdファイルは、ディレクトリの配置、主要なファイル、アーキテクチャパターンを説明する。さらに、suggested_commands.mdには開発、テスト、モックサーバー、TypeScriptの実行など、プロジェクトでよく使われるコマンドがまとめられ、task_completion_guidelines.mdには、タスク完了時に確認すべきコード品質、テスト、ビルド検証、ドキュメント更新、Gitワークフローに関する詳細な指針が記述される。tech_stack_and_dependencies.mdは、プロジェクトのコア依存関係、開発依存関係、重要な設定ファイル(tsconfig.jsonなど)を一覧にする。

これらの記憶ファイルを通じて、Serenaはプロジェクトのあらゆる側面を体系的に把握し、AIが開発者の意図をより正確に理解し、適切な応答やコードを生成できるようにする。結果として、Serenaを利用することで、AIコーディングの効率は格段に向上し、トークン制限による中断のストレスが軽減され、最終的にはより高品質なコード開発へとつながるのだ。Serenaは、無料で利用できるオープンソースツールであり、AIを活用した効率的な開発を目指すシステムエンジニアにとって、試す価値のある強力なツールと言えるだろう。

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