Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】Part-70: Implement a Global External Network Load balancer with TCP Proxy in GCP Cloud

2025年09月20日に「Dev.to」が公開したITニュース「Part-70: Implement a Global External Network Load balancer with TCP Proxy in GCP Cloud」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

GCPでグローバル外部ネットワークロードバランサー(TCPプロキシ)を構築する手順を解説。世界中からのアクセスを複数のデータセンターにあるVMへ効率良く振り分け、システムの可用性とパフォーマンスを高める設定方法を学ぶ。

ITニュース解説

この記事は、Google Cloud Platform(GCP)で「グローバル外部ネットワークロードバランサー」を「TCPプロキシ」と共に実装する方法を解説している。システムエンジニアを目指す初心者にとって、これはウェブサービスやアプリケーションの安定稼働、そして利用者体験の向上に不可欠な技術の基礎を理解する上で非常に重要な内容だ。

まず、ロードバランサーとは、ウェブサイトやアプリケーションへの大量のアクセスを、複数のサーバーに適切に「振り分ける(分散する)」ための仕組みである。アクセスが特定のサーバーに集中して負荷が高まり、処理が遅くなったり停止したりするのを防ぐ役割がある。これにより、サービスは常に安定して稼働し、利用者は快適にサービスを利用できる。このロードバランサーは「グローバル外部ネットワークロードバランサー」と名付けられている通り、単一の地域だけでなく、世界中の複数の地域に分散配置されたサーバー群に対して負荷分散を行える点が最大の特徴だ。さらに「外部」とあるのは、インターネットからのアクセスを受け付けることを意味し、「ネットワークロードバランサー」は、データ通信の基盤となる「ネットワーク層」で動作し、特にTCP(Transmission Control Protocol)やTLS(Transport Layer Security)といったプロトコルを用いた通信の負荷分散に適している。

この記事では、まずロードバランサーの基盤となるサーバー群の準備として、以前の記事で作成した「インスタンステンプレート」と「マネージドインスタンスグループ」が前提となっている。インスタンステンプレートは、仮想マシンの設定を雛形として保存しておくものであり、マネージドインスタンスグループは、このテンプレートに基づいて多数の仮想マシンを自動で作成・管理・増減させる仕組みである。これにより、急なアクセス増にも柔軟に対応できるスケーラブルなシステムが実現できる。

次に、ロードバランサーがサーバーの稼働状況を判断するために、「ヘルスチェック」を作成する。ヘルスチェックは、サーバーが正常に動作しているかを定期的に確認する機能だ。この記事ではTCPプロトコルを用いたヘルスチェックを作成しており、これは、指定されたポート(ここでは80番ポート)への接続が可能かどうかを確認するシンプルな方法である。ロードバランサーは、このヘルスチェックの結果に基づいて、正常なサーバーにのみアクセスを振り分け、問題のあるサーバーへのトラフィックを一時的に停止することで、サービスの信頼性を保つ。

いよいよグローバル外部ネットワークロードバランサーの作成だ。GCPの管理画面から、ロードバランサーの種類として「ネットワークロードバランサー(TCP/SSL)」を選択し、インターネットからのアクセスを受け付ける設定を選ぶ。そして、複数の地域に分散されたサーバー群を対象とするため、「複数のリージョン」にチェックを入れる。この設定によって、ユーザーから最も近い地域にあるサーバーにアクセスを誘導したり、ある地域で障害が発生しても他の地域のサーバーでサービスを継続したりすることが可能になる。

ロードバランサーは大きく「バックエンド構成」と「フロントエンド構成」という二つの部分から成り立っている。「バックエンド構成」では、実際にウェブコンテンツを提供したり処理を実行したりするサーバー群を指定する。この記事では、「mig1-us-central1」と「mig1-us-east1」という、アメリカの中央と東部にそれぞれ配置されたマネージドインスタンスグループがバックエンドとして設定されている。これら異なる地域に存在するサーバー群に、ヘルスチェックで正常と判断されたものだけがトラフィックの対象となる。プロトコルはTCP、ポートは80番が指定されており、ウェブサーバーの一般的な設定に対応する。

一方、「フロントエンド構成」は、ユーザーがロードバランサーにアクセスするための「入口」となる部分だ。ここでは、ロードバランサーが持つ外部IPアドレスとポート番号(これも80番)を設定する。このIPアドレスは、インターネットからアクセス可能なグローバルな静的IPアドレスとして新規作成される。ユーザーはこのIPアドレスにアクセスすることで、ロードバランサーを経由して最適なバックエンドサーバーに接続される。

これらの設定を完了し、ロードバランサーを作成すると、GCPは必要なインフラストラクチャを自動的にプロビジョニングする。ただし、ロードバランサーが完全に機能するまでには数分程度の時間が必要となる点に注意が必要だ。

作成したロードバランサーが正しく機能しているかを確認するため、まずはブラウザからロードバランサーのIPアドレスにアクセスし、ウェブページが表示されるかを確認する。さらに重要な検証として、グローバルロードバランサーの最大の利点である「マルチリージョン機能」のテストを行う。これは、異なる地理的な場所にある仮想マシンからロードバランサーのIPアドレスにアクセスし、そのアクセスが最も近い地域のバックエンドサーバーにルーティングされていることを確認する手順である。例えば、アメリカ中央の仮想マシンからアクセスした場合は中央のサーバーに、東部の仮想マシンからアクセスした場合は東部のサーバーに接続されることで、ユーザーは物理的に近いサーバーからサービスを受けるため、通信遅延が少なく、より高速なレスポンスが期待できる。

最後に、デモンストレーションのために作成したロードバランサーや関連リソースは、不要になったら必ず削除することが推奨される。これは、GCPの利用にかかる費用を抑えるためにも非常に重要な運用上のルールだ。

このように、グローバル外部ネットワークロードバランサーは、大量のアクセスに対応し、地理的に分散されたユーザーに最適なサービスを提供し、さらにサーバー障害時にもサービスを継続できる、現代のウェブサービスに不可欠なインフラ技術の一つである。システムエンジニアとして、このようなシステムの構築と運用を理解することは、非常に重要なスキルとなるだろう。

関連コンテンツ

関連IT用語