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REST(レスト)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

REST(レスト)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

レスト (レスト)

英語表記

REST (レスト)

用語解説

REST(Representational State Transfer)は、Webサービスの設計思想、またはアーキテクチャスタイルの一つである。これは特定の技術やフレームワークではなく、Webの基盤技術であるHTTPプロトコルを最大限に活用し、シンプルで効率的、かつスケーラブルなシステムを構築するための原則の集まりを指す。特に、Webサービスが提供するAPI(Application Programming Interface)を設計する際に、「RESTの原則に従っているか」という観点から重要視され、これらの原則に沿って設計されたAPIは「RESTful API」と呼ばれる。システムエンジニアを目指す上で、現代のWebサービス開発においてこのRESTの概念を理解することは不可欠である。

RESTアーキテクチャは、Webを考案した一人であるRoy Fielding氏が博士論文の中で提唱した概念であり、今日のインターネットの成功を支える重要な要素の一つとなっている。RESTの目標は、大規模な分散システム、特にWebのような広域ネットワークにおいて、システムの独立性を保ちながら高いパフォーマンス、信頼性、スケーラビリティを実現することにある。

RESTアーキテクチャはいくつかの主要な原則に基づいて構築されている。これらの原則を理解することが、RESTfulなシステム設計の鍵となる。

第一の原則は、**統一インターフェース(Uniform Interface)**である。これはRESTの根幹をなす最も重要な原則であり、システム内のすべてのリソースに対する操作を、一貫性のある方法で実行できるようにする。この原則はさらにいくつかのサブ原則に分けられる。一つ目は、**リソースの識別(Identification of resources)**である。システム内のあらゆる情報(データ、サービスなど)は「リソース」として抽象化され、それぞれが一意のURI(Uniform Resource Identifier)によって識別される。たとえば、特定のユーザーの情報や商品カタログは、それぞれ異なるURIを持つリソースとして扱われる。二つ目は、**リソースの操作(Manipulation of resources through representations)**である。クライアントは、リソースの「表現(Representation)」を受け取り、その表現を変更してサーバーに送信することで、リソースを操作する。表現とは、リソースの現在の状態をJSON、XML、HTMLなどの形式で記述したものである。三つ目は、**メッセージの自己記述性(Self-descriptive messages)**である。クライアントとサーバー間でやり取りされるメッセージは、そのメッセージを解釈するために必要なすべての情報を含んでいる。例えば、HTTPメソッド(GET, POST, PUT, DELETE)やヘッダー情報によって、そのリクエストが何を行うものなのか、レスポンスがどのような意味を持つのかが明確に示される。四つ目は、**HATEOAS(Hypermedia As The Engine Of Application State)**である。これは、サーバーから返されるリソースの表現の中に、関連するリソースへのリンク情報を含めることで、クライアントが次にどのような操作が可能であるかを知ることができるようにする原則である。これにより、クライアントは事前に多くの情報を知っている必要がなくなり、システムの柔軟性が向上する。統一インターフェースの原則により、クライアントとサーバー間の結合度が低くなり、互いの変更がシステム全体に与える影響が最小限に抑えられる。

第二の原則は、**ステートレス性(Stateless)**である。これは、サーバーがクライアントからの各リクエストを独立したものとして扱い、クライアントの過去のリクエストやセッション状態に関する情報を一切保持しないことを意味する。各リクエストには、そのリクエストを処理するために必要なすべての情報が含まれていなければならない。これにより、サーバーはクライアントの状態管理に煩わされることなく、リクエストごとに処理を完結できるため、スケーラビリティが向上し、サーバーの障害からの回復性も高まる。もし一つのサーバーが停止しても、他のサーバーがクライアントのリクエストを問題なく処理できるため、信頼性の高いシステムを構築しやすくなる。

第三の原則は、**キャッシュ可能(Cacheable)**である。これは、サーバーからのレスポンスには、そのデータがキャッシュ可能かどうか、そしてキャッシュ可能である場合はどの程度の期間キャッシュが有効であるかを示す情報を含める必要があることを意味する。クライアントやプロキシサーバーは、これらの情報に基づいてレスポンスをキャッシュし、次回同じリクエストがあった際にキャッシュされたデータを利用することで、ネットワーク帯域の消費を抑え、システムのパフォーマンスを向上させることができる。

第四の原則は、**クライアント・サーバー分離(Client-Server)**である。この原則は、クライアントとサーバーの役割を明確に分離することを求める。クライアントはユーザーインターフェースやユーザーの状態を管理し、サーバーはデータの格納やビジネスロジックの処理を担当する。この分離により、クライアントとサーバーはそれぞれ独立して開発、デプロイ、そして進化させることが可能になる。例えば、サーバー側のAPIを変更しても、統一インターフェースの原則に従っていれば、クライアント側を大きく変更する必要がない場合が多い。

第五の原則は、**階層化システム(Layered System)**である。これは、クライアントは直接接続しているサーバーの背後に、ロードバランサー、プロキシサーバー、キャッシュサーバーといった中間サーバーが存在することを意識する必要がないという原則である。クライアントは常に「一つのサーバー」と通信しているかのように振る舞い、システム全体が複数の層に分割されていても透過的に動作する。これにより、システムの複雑さを管理しやすくなり、システムの柔軟性やスケーラビリティ、セキュリティを向上させることができる。例えば、パフォーマンス向上のためにキャッシュ層を追加したり、セキュリティのためにファイアウォール層を追加したりしても、クライアントのコードに影響を与えることなく実現できる。

第六の原則として、**オンデマンドコード(Code-On-Demand)**があるが、これはRESTアーキテクチャの必須要件ではなく、オプションの原則である。これは、サーバーがクライアントに実行可能なコード(例: JavaScriptアプレット)を提供し、クライアントがそれを実行することで、クライアントの機能を拡張できるというものである。これにより、クライアントの事前知識をさらに減らし、より動的なアプリケーションを実現できる可能性がある。

これらの原則に従って設計されたWeb API、すなわちRESTful APIは、HTTPメソッド(GET, POST, PUT, DELETEなど)をリソースに対する操作にマッピングし、URIでリソースを一意に識別し、JSONやXMLなどの標準的なデータ形式で表現を交換する。これにより、開発者はシンプルで理解しやすいAPIを構築でき、様々なプログラミング言語やプラットフォームから容易にアクセスできるWebサービスを実現できるのである。RESTの概念は、今日のWebサービス開発においてデファクトスタンダードとなっており、その理解はシステムエンジニアとして現代のWebを構築する上で不可欠である。

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