【ITニュース解説】The Vercel of Midnight: I Automated the Most Painful Part of ZK Development

2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「The Vercel of Midnight: I Automated the Most Painful Part of ZK Development」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Midnight Networkのスマートコントラクト開発は、環境構築が煩雑でエラーも多い。midnight-deployは、この問題を解決するCLIツールだ。設定ファイルを記述しコマンドを実行するだけで、コントラクトのコンパイルからデプロイ、初期化までを自動化できる。開発者は複雑な設定に悩まされず、開発に集中できる。

ITニュース解説

この記事は、プライバシーを重視したブロックチェーン「Midnight Network」の開発における、初期設定の煩雑さを解消するツール「midnight-deploy」を紹介している。

Midnight Networkは、匿名投票システムやプライベートな個人認証、秘密保持された金融など、これまで不可能だったことを実現できる最先端ブロックチェーンを目指している。しかし、多くの開発者にとって、開発を始めるには多くの困難が伴うのが現状だ。

開発者は、原因不明のエラー、複雑な設定、ドキュメントが不足しているAPIなどに直面し、簡単なコントラクトをテストネットにデプロイするだけでも多くの時間を費やしてしまう。Midnight Networkの普及を妨げる最大の要因は、ゼロ知識証明の複雑さではなく、デプロイメントプロセスの煩雑さにある。

そこで開発されたのが「midnight-deploy」だ。これは、デプロイメント作業を数日間のデバッグ作業から、たった一つのコマンドで実行できるような、強力で直感的なCLIツールである。Vercelのように簡単にMidnight Networkへのデプロイを可能にする。

midnight-deployの「Quick Deploy」モードでは、設定ファイルや環境変数を一切必要とせず、一時的なウォレットを生成し、コントラクトをコンパイル、デプロイ、初期化までを一つのコマンドで実行できる。

従来のMidnight Networkでは、コントラクトを実際に使えるようにするには、多くの手作業が必要だった。具体的には、100行以上のデプロイメントスクリプトの作成、.compactファイルのコンパイル、ウォレットのシードと管理者キーの生成と管理、ts-nodeとNode.jsのモジュール非互換性への対応、7種類以上のプロバイダーライブラリの設定、そして「デプロイ」と「初期化」という複雑な2段階のトランザクションシーケンスの調整などだ。

midnight-deployは、これらの作業をすべて自動化する。開発者は、プロジェクト内に設定ファイル「midnight.config.ts」を作成し、必要な情報を記述するだけでよい。例えば、デプロイに使用するウォレットのニーモニック(秘密鍵)や、コントラクトの名前、パス、初期化に使用する関数などを記述する。

そして、「npx midnight-deploy」というコマンドを実行するだけで、ツールがコントラクトのコンパイル、ウォレットの構築、テストネットとの同期、デプロイと初期化トランザクションの実行を自動的に行う。

midnight-deployは、Midnight Networkの技術スタックと深く連携している。具体的には、コンパイラを直接呼び出してスマートコントラクトをビルドし、@midnight-ntwrk/walletと@midnight-ntwrk/wallet-sdk-hdを使用して、プログラムでキーを生成し、ニーモニックから16進数のシードを導き出し、トランザクションを送信するためのフル機能のウォレットを作成する。

また、PrivateStateProvider、PublicDataProvider、ZkConfigProvider、ProofProviderなど、オンチェーンインタラクションに必要な複雑なプロバイダーを自動的に設定および接続する。さらに、@midnight-ntwrk/midnight-js-contractsを使用して、実際のデプロイメントトランザクションと回路呼び出しトランザクションを構築、証明、およびMidnightテストネットに送信し、ローカルのProof Serverとやり取りして必要なZK証明を生成する。

midnight-deployは、これらの問題を解決し、シンプルなインターフェースにまとめることで、Midnight Networkのエコシステム全体を強化する。オンボーディング時間の短縮、ボイラープレートコードの排除、セキュアな2段階デプロイメントパターンのデフォルトでの適用、プロフェッショナルな開発者体験の提供などを実現する。

midnight-deployを使用することで、開発者はMidnight Networkでのコントラクトを簡単にデプロイできるようになる。

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