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【ITニュース解説】Atlassian Team '26 Europe Founder Keynote

2026年10月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「Atlassian Team '26 Europe Founder Keynote」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Atlassianはイベントで、JiraとAI連携の新機能を発表した。AIエージェントがJiraボード上で作業項目を自動作成するデモを披露。人間とAIの協調ガイドライン「AMP」やAI検索「Rovo」も紹介された。これらのAI機能は、まだ一部が早期アクセス段階で、一般利用には時間がかかる。

出典: Atlassian Team '26 Europe Founder Keynote | Dev.to公開日:

ITニュース解説

先日開催されたアトラシアンのイベント「Team '26 Europe」の基調講演では、ソフトウェア開発の現場でAIがどのように活用され、私たちの働き方をどう変えていくかについて、具体的な進展が紹介された。特に注目すべきは、AIエージェントとプロジェクト管理ツールJiraの連携がよりスムーズになり、開発者の負担を軽減する可能性が示された点だ。

基調講演のハイライトは、Jiraのボードがメインスクリーンに表示された場面だった。Jiraは、プロジェクトのタスクや課題(これを「作業項目」と呼ぶ)を管理するための非常に一般的なツールで、ソフトウェア開発プロジェクトでは必須とも言える存在だ。このJiraボードの隣には、「Agent sessions」という新しい列が登場した。ここには、Cursor、Codex、Claude Codeといった様々なAIエージェントが作業中のセッションがリストアップされていた。

驚くべきは、これらのAIエージェントのセッションをJiraボードの「ToDo」や「In progress」といった列にドラッグするだけで、JiraがそのAIエージェントの作業内容を読み取り、自動的に新しい作業項目(つまりタスクのチケット)を作成するという機能がデモされたことだ。これは、AIが事前にコードを書いたり、何か調査を始めたりした場合に、人間がその作業を簡単にJiraのプロジェクト管理フローに取り込めることを意味する。通常、開発者はAIが生成したコードを取り込む際に、手動でJiraにチケットを作成し、内容を記述する手間がかかる。この機能が実現すれば、その手間が大幅に削減され、開発プロセスがより効率的になるだろう。しかし、この機能はまだ開発中で、現在は「クローズドEAP(招待制早期アクセス)」という限られたユーザーしか利用できない段階にある。

アトラシアンは、人間とAIエージェントが協力して働くための新しい基盤として「AMP(Atlassian's new ground rules for agents and people working together)」を提唱している。AMPの目的は、AIエージェントを単なるツールとしてではなく、人間と同等のチームメンバーとして扱うことだ。これにより、エージェントは独自の「アイデンティティ」を持つようになり、Jiraのような作業空間で人々と並んで表示される。アトラシアンが持つ膨大な作業データ(Teamwork Graph)から文脈を得て、適切な状況でサポートを提供できるようになる。また、エージェントのアクセス権限は、Atlassian Guardというセキュリティ機能を通じて厳密に管理され、どこまで情報にアクセスできるかが明確にされる。さらに、すべてのAIエージェントは「六角形のアバター」で表示されるというデザインパターンが定められており、一目でそれがAIエージェントであることがわかるように工夫されている。アトラシアンはこのAMPを、技術的なプロトコルというよりは「外交プロトコル」に近いものだと説明しており、人間とAIが円滑に協力するための新しいルールブックとして位置づけている。

AI関連の機能群は「Rovo」というブランド名で統一され、キーノートでは「Rovo Code Search」「Rovo Work」「Rovo Insights」「Rovo Chat」といった様々な製品名で紹介された。特に注目されたのは「Rovo Code Search」だ。これは、開発者がコードベースから必要な情報を素早く見つけるための強力な検索ツールで、デモでは「dark mode theme」というキーワードでコードを検索し、「HYBRID」という検索モードが使われている様子が示された。この「HYBRID」モードは、キーワードによる通常の検索だけでなく、コードの意味や文脈を理解して検索結果を提示する、語彙的検索と意味的検索を組み合わせたものだと考えられる。Rovo Code Searchの一部である「Code context」機能は、Bitbucket CloudやGitHubのリポジトリにあるコードを検索するもので、すでに有料顧客向けにオープンベータとして段階的に提供が開始されている。

現状で利用できるAI関連機能もいくつか紹介された。「My agent sessions」はJiraの「For you」セクションに表示され、Rovo機能が有効なStandardプラン以上のJiraユーザーが利用できる。これはAIエージェントが行っている作業を一覧表示し、「入力待ち」「作業中」「完了」といったステータスで管理できる機能だ。Jira Coding Agentは、Jiraのすべての有料プランに組み込まれており、コード関連の作業を支援する。また、「Claude Agent for Jira」はベータ版のMarketplaceアプリとして提供されている。さらに、一般ユーザーがJiraワークフローに自身の好みのエージェントを紐付けることができる「End-User Agents in Jira Workflows」のEAP(公開サインアップ可能)が11月初旬から始まる予定だ。これは、Rovoやサードパーティのエージェントをワークフローの特定のステータスに割り当て、チームメンバーがより柔軟にAIを活用できるようになることを目指している。

アトラシアンのプラットフォーム「Forge」を使って独自のアプリを開発するエンジニアにとっても、AIエージェントとの連携は重要だ。Forge上で開発されたリモートA2AコーディングエージェントやRovoエージェントは、すでにJiraの作業項目と連携する仕組みが提供されている。これは、Forgeを活用してカスタマイズされたAIソリューションをJiraに組み込む道が開かれていることを意味する。

ちなみに、基調講演の終盤では、突然の停電というハプニングが発生した。プレゼンテーションが途中で中断され、約1時間半にわたって何も表示できない状態が続いた。イベント開催中のトラブルは避けられないものだが、ライブ配信も停止したため、参加者や視聴者にとっては少々残念な出来事だった。

筆者はこのイベントに、アトラシアンのForgeプラットフォームで自社のアプリを開発するエンジニアとして参加していた。イベント期間中、アトラシアンの担当者たちとForgeアプリについて議論し、自社の「CogniRunner」「Sentinel Vault」「LeanZero Management」という3つのアプリを紹介する機会を得た。また、他の参加者との少人数制のミーティング「braindates」を通じて、アプリに対する貴重なフィードバックも得られた。このフィードバックを元に、筆者のチームはすぐに改善作業に取り組み、イベント期間中に10回の本番リリースと544回のコミットを実施したという。これは、開発のスピードと、ユーザーの声に迅速に対応する姿勢の表れだ。特に主要なバージョンアップでは、アプリがJiraからアカウントデータを取得し、閉鎖されたアカウントのデータを自動的に消去できるようにするための新しい権限が追加された。これはデータプライバシーとセキュリティへの配慮を示すものだ。

今回の基調講演全体を通して、劇的に「すごい」と感じる機能は少なかったかもしれないが、アトラシアンがAIと人間が協調する未来に向けて着実に「進歩」していることは明らかだった。特にAIエージェントが開発ワークフローに深く統合されていく方向性は、システムエンジニアを目指す初心者にとっても、今後の開発現場の標準となる可能性を秘めているため、注目しておくべき動向と言えるだろう。JiraとAIエージェントの連携は、将来のソフトウェア開発において不可欠なスキルセットの一部となるだろう。

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