【ITニュース解説】Chatea con tu propia data: guía práctica con Strands y Amazon Bedrock
2025年09月12日に「Dev.to」が公開したITニュース「Chatea con tu propia data: guía práctica con Strands y Amazon Bedrock」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
StrandsとAmazon Bedrockを組み合わせ、独自のデータ(企業のFAQなど)に基づいて質問に答えるAIチャットAPIを構築する方法を解説。AWS LambdaやAPI Gateway、CDKを活用し、サーバーレス環境で効率的に開発する手順を紹介する。システムエンジニアを目指す初心者でも、実践的にAI活用を学べる内容だ。
ITニュース解説
この解説は、独自の情報を基に質問に答えるチャットAPIの構築方法について深く掘り下げる。一般的なAIモデルが持つ広範な知識に加えて、特定のデータセットから得た知識を活用するインテリジェントなエージェントの作成を目指す。この記事では、StrandsというライブラリとAmazon BedrockのKnowledge Baseを組み合わせるアプローチが非常に効果的であることが示されている。具体的には、ハリー・ポッターシリーズの書籍情報を基にした知識ベースを使って、特定の質問に正確に答えるチャットボットを構築する例が紹介されている。この方法は、企業の内部資料やFAQ、製品マニュアルなど、あらゆる独自のデータに応用できるため、システムエンジニアにとって非常に価値のある技術となる。
構築されるシステムは、主に二つのエンドポイントを持つAPIとして機能する。「/health」エンドポイントはAPIの稼働状況を確認するために使われ、「/chat」エンドポイントが実際の会話処理を担当する。この会話フローは、Strandsライブラリを組み込んだコンテナ型のAWS Lambda関数によって管理される。そして、Amazon BedrockのKnowledge Baseがチャットボットが参照すべき特定のデータ源となる。システムのインフラ全体は、AWS Cloud Development Kit(CDK)を用いてコードとして記述され、自動的にデプロイされる設計になっている。
このソリューションを支える主要な技術要素には、それぞれ重要な役割がある。まず、StrandsはAIエージェントの会話の流れやロジックを効率的に定義し、管理するためのPythonライブラリである。これにより、複雑な対話システムも整理された形で実装できる。次に、Amazon Bedrock Knowledge Baseは、S3などのストレージに保存された独自のドキュメントデータを、大規模言語モデル(LLM)が利用できるように準備するAWSのサービスである。このサービスは、ドキュメントの内容を「埋め込み(Embedding)」と呼ばれる数値ベクトルに変換し、LLMが効率的に関連情報を検索・取得できるようにする。これにより、LLMは一般的な知識だけでなく、特定のデータセットから得た最新かつ正確な情報に基づいて応答できるようになる。
AWS Lambdaは、サーバーの管理なしにコードを実行できるサービスであり、このシステムではチャットボットのロジックがそこで動作する。特に、Strandsのような大きなライブラリを使用する場合、通常のLambdaのファイルサイズ制限を超える可能性があるため、DockerコンテナとしてLambda関数をデプロイする方法が推奨されている。コンテナを使用することで、より柔軟な環境構築と大規模な依存関係の管理が可能になる。API Gatewayは、インターネットからのHTTPリクエストを受け付け、それをLambda関数にルーティングする役割を担う。これにより、外部からチャットボットに安全にアクセスできるようになる。AWS CDKは、Pythonなどのプログラミング言語を使ってAWSのリソースを定義し、デプロイするためのフレームワークである。インフラをコード化することで、手作業による設定ミスを減らし、環境の再現性と変更管理を容易にするメリットがある。
システム構築は、いくつかの明確なステップで進められる。最初のステップは、Amazon BedrockコンソールでKnowledge Baseを作成することである。ここで、チャットボットに学習させたいデータ(例えばハリー・ポッターの書籍情報)をS3バケットにアップロードし、それをKnowledge Baseに同期させる。この同期プロセスで、ドキュメントが埋め込みベクトルに変換され、LLMが検索可能な状態になる。次に、提供されているGitHubリポジトリのサンプルコードをクローンし、環境変数ファイル(.env)を自身のAWSアカウントのIDやリージョン、使用するモデル名などの実際の値で設定する。その後、Pythonの仮想環境を作成し、必要なライブラリをインストールする。
次の段階で、Dockerを使ってLambda関数のイメージをビルドする。このイメージは、Strandsライブラリを含むアプリケーション全体をパッケージ化したものである。ビルドが完了したら、AWS CDKコマンド(cdk bootstrapとcdk deploy)を実行して、API Gateway、コンテナ化されたLambda関数、およびその他の必要なAWSリソースをすべて自動的にデプロイする。デプロイが完了すれば、APIエンドポイントが生成される。最後に、curlコマンドを使って、APIのヘルスチェックエンドポイントにアクセスし、システムが正常に動作していることを確認する。その後、チャットエンドポイントにハリー・ポッターに関する質問を送信し、Knowledge Baseから得た情報に基づいてLLMが適切に応答するかを検証する。
この開発プロセスを通じて、いくつかの重要な教訓が得られている。最も頻繁に発生する問題の一つは、AWS Lambda関数にAmazon Bedrockへの適切なIAM(Identity and Access Management)権限が割り当てられていないことである。適切な権限がなければ、Lambda関数はKnowledge Baseにアクセスできず、エラーが発生する。また、使用するLLM、Knowledge Base、そしてLambda関数はすべて同じAWSリージョンに存在する必要がある。異なるリージョンにあるサービス間での連携は、通常、追加の設定や遅延を引き起こすため、開発を複雑にする。
ドキュメントの「チャンキング」、つまり大量のテキストデータを小さな塊に分割する方法は、Knowledge Baseの応答品質に大きな影響を与える。適切に分割されたチャンクは、LLMが関連情報をより効率的かつ正確に取得するのに役立つ。もしチャンクが大きすぎると、LLMが特定の情報を探し出すのが難しくなり、小さすぎると文脈が失われる可能性がある。さらに、Knowledge BaseとLLMを組み合わせた呼び出しは、一般的なAPI呼び出しよりもレイテンシ、つまり応答時間が長くなる傾向がある。本番環境でこのソリューションを展開する際には、ユーザー体験を向上させるためにキャッシング戦略を導入するなどのパフォーマンス最適化を検討する必要がある。最後に、Strandsのような大規模なライブラリをLambdaで使用する場合、通常のLambda関数が持つデプロイパッケージのサイズ制限を容易に超えてしまう。この問題に対処する最も効果的な方法は、Lambda関数をDockerコンテナとしてデプロイすることである。これにより、より大きな依存関係を持つアプリケーションもLambda上で問題なく実行できる。
結論として、StrandsとAmazon Bedrock Knowledge Baseを組み合わせることで、大規模言語モデルの汎用的な推論能力と、特定のデータに基づいた正確な知識応答を融合させた、非常に強力なインテリジェントエージェントを構築できる。ハリー・ポッターの例はあくまで一例であり、このパターンは企業の内部ドキュメント、サポートFAQ、またはあらゆる業界の専門知識など、さまざまなユースケースに適用可能である。独自の知識を持つAIアシスタントを開発することは、ビジネスプロセスを自動化し、情報アクセスを向上させる新たな可能性を切り開くことになる。