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【ITニュース解説】Multi-VPC architecture in AWS

2025年09月23日に「Dev.to」が公開したITニュース「Multi-VPC architecture in AWS」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

AWSで複数のVPCを構築し、企業ニーズに合うセキュアなネットワークを作る方法を紹介する。VPCを分割し、本番/開発環境の分離やセキュリティ強化を実現する。VPCピアリングでVPC間を安全に接続し、異なるシステムが連携できる。

出典: Multi-VPC architecture in AWS | Dev.to公開日:

ITニュース解説

クラウドコンピューティングが現代のビジネスにおいて不可欠なインフラとなる中で、企業は自社のシステムを安全かつ効率的に運用するための基盤として、アマゾンウェブサービス(AWS)のようなクラウドプロバイダを利用することが一般的である。この文脈において、「Multi-VPCアーキテクチャ」という概念は、大規模なクラウド環境を構築する上で非常に重要な役割を果たす。システムエンジニアを目指す者にとって、このアーキテクチャがどのように機能し、なぜ必要とされるのかを理解することは、現代のITインフラを扱う上で欠かせない知識となる。

まず、「VPC」とは何かについて説明する。VPCは「Virtual Private Cloud」の略であり、AWSクラウド内に自分専用の仮想的なプライベートネットワークを構築するサービスである。ちょうどオフィスに専用のネットワーク回線やサーバー室があるように、クラウド上にも仮想的なデータセンターを持つイメージと考えると良い。このVPC内では、IPアドレスの範囲を自由に設定でき、その中に仮想サーバー(EC2インスタンス)、データベース、ストレージなどのAWSリソースを配置して運用できる。VPCは他のAWSユーザーのVPCとは論理的に分離されており、独立したセキュアなネットワーク環境を提供する。

しかし、多くの企業が単一のVPCだけではなく、複数のVPCを連携させて利用する「Multi-VPCアーキテクチャ」を選択する。これには複数の明確な理由がある。第一に、セキュリティ要件と規制への準拠がある。例えば、顧客の支払い情報を扱うシステムは、非常に厳格なセキュリティ基準と規制の対象となることが多い。これを他の一般的な業務システムと同じVPCに置くのではなく、完全に分離された専用のVPCに配置することで、セキュリティリスクを最小限に抑え、必要なコンプライアンス要件を満たしやすくなる。第二に、異なる環境の分離がある。企業では、実際の顧客が利用する「本番環境」と、開発者が新しい機能をテストする「開発環境」を設けるのが一般的である。これらを同一のVPC内に混在させると、開発中のトラブルが本番環境に影響を与えたり、開発者が誤って本番データにアクセスしてしまったりするリスクがある。VPCを分けることで、それぞれの環境を独立させ、安全な運用と効率的な開発を両立させる。第三に、組織内の異なるチームや子会社間の独立性とその相互接続性の維持である。大規模な組織では、複数の部署や子会社がそれぞれ独自のシステムやアプリケーションを開発・運用することがある。それぞれのチームが独立したVPCを持つことで、互いの設定変更が影響し合わないようにしつつ、必要に応じて安全な経路で通信させることで、組織全体の連携を保つことができる。

今回示されているプロジェクトは、まさにこのMulti-VPCアーキテクチャの具体的な実装例である。このプロジェクトでは、AWS上に二つのVPC、「VPC-A」と「VPC-B」を構築し、それらの間に「VPCピアリング接続」を設定することで、セキュアでスケーラブルなネットワークを実現している。

VPC-Aは「10.10.0.0/16」というIPアドレス範囲を持つ。このVPC内には二つの種類のサブネットが設けられている。サブネットとはVPC内のIPアドレス空間をさらに細かく分割したネットワークの区画である。「Public Subnet」は、インターネットからのアクセスを直接受け付ける必要のあるアプリケーション、例えば顧客がWebブラウザからアクセスするWebサーバーなどを配置する場所である。一方、「Private Subnet」は、インターネットから直接アクセスさせたくない、より機密性の高いシステム、例えばWebアプリケーションの裏側で動作するデータベースなどを配置する場所である。VPC-Aでは、Public Subnetに「顧客向けのアプリケーション」、Private Subnetに「バックエンドデータベース」を配置し、顧客向けアプリケーションがデータベースと安全に通信する構成を想定している。

VPC-Bは「10.20.0.0/16」というVPC-Aとは異なるIPアドレス範囲を持つ。こちらもVPC-Aと同様にPublic SubnetとPrivate Subnetを持つ。VPC-BのPublic Subnetには、複数のアプリケーションやシステムから利用される「共有サービス」、例えばAPI(Application Programming Interface)などを配置する。Private Subnetには、外部に公開する必要はないが、内部的なデータ分析を行う「内部分析システム」などを配置する。このようにVPC-Bは、組織内の共通機能や内部業務を支える役割を担う。

VPC-AとVPC-Bがそれぞれ異なる目的で利用されるが、実際の企業運用ではこれらのVPC間でデータのやり取りが必要になる場合が多い。例えば、VPC-Aの顧客向けアプリケーションがVPC-Bの共有サービスAPIを利用したり、VPC-Bの内部分析システムがVPC-Aのバックエンドデータベースからデータを取り込んだりする場合である。このような異なるVPC間の安全な通信を可能にするのが、「VPCピアリング接続」である。

VPCピアリング接続は、二つのVPC間でネットワーク接続を確立する仕組みである。この接続を通じて、それぞれのVPC内のリソースは、インターネットを経由することなく、プライベートなIPアドレスを用いて直接通信できるようになる。これは、まるで二つの異なる建物が、外部に漏れない専用の通路でつながっているようなものと考えると分かりやすい。VPCピアリングを設定すると、それぞれのVPCのルーティングテーブルが更新される。ルーティングテーブルとは、データがどこに送られるべきかを決定する指示書のようなものであり、このテーブルにピアリング接続の経路が追加されることで、VPC-AからVPC-Bへ、あるいはVPC-BからVPC-Aへの通信が、指定されたピアリングリンクを介してのみ流れることが保証される。これにより、データは安全に、そして効率的に二つのVPC間を行き来できる。

このMulti-VPCアーキテクチャは、企業がクラウド環境を構築する上で、セキュリティ、スケーラビリティ、運用効率の向上といった多くのメリットをもたらす。システムやデータを論理的に分離しつつ、必要な連携をセキュアに保つことで、企業は複雑な要件を持つビジネスソリューションをクラウド上で柔軟かつ堅牢に実装できるのである。このような構成は、システムエンジニアが将来直面するであろう多種多様なエンタープライズシステムの設計において、基本的なアプローチの一つとなるだろう。

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