Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】RDS vs DynamoDB: How I Think About Choosing an AWS Database

2026年09月18日に「Dev.to」が公開したITニュース「RDS vs DynamoDB: How I Think About Choosing an AWS Database」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

AWSのデータベースを選ぶ際は、まずデータの形とアクセスパターンを考える。複雑な関係性やSQLが必要ならRDSが、高スケーラビリティと予測可能なアクセスパターンならDynamoDBが適する。アプリケーションの要件に合った選択が重要だ。

ITニュース解説

データベースの選択は、プロジェクトの初期段階では単なるデータ保存場所の決定と捉えられがちだが、プロジェクトが成長し、スケーラビリティ、クエリの効率、コスト、パフォーマンス、そしてメンテナンスといった要素を考慮し始めると、その意思決定は非常に複雑で重要な意味を持つようになる。AWSが提供する主要なデータベースサービスであるAmazon RDSとAmazon DynamoDBは、それぞれ異なる種類の課題を解決するために設計されており、その特性を理解することが、アプリケーションに最適なデータベースを選ぶ上で不可欠である。

データベースを選ぶ際に最も優先すべきは、「データの形」と「アプリケーションがそのデータにどのようにアクセスするか」を明確にすることである。例えば、ECサイトではユーザー、商品、注文、支払い、レビューといった複数の情報が存在し、注文情報がユーザーや商品、支払いといった他のエンティティと複雑な関連を持つことがよくある。もしアプリケーションが、このような複雑な関係性を持つデータを扱い、データ間の結合(JOIN)、トランザクション処理、そして柔軟なSQLクエリを頻繁に必要とするのであれば、Amazon RDSのようなリレーショナルデータベースが非常に適している。しかし、すべてのアプリケーションがこのようなデータモデルを必要とするわけではない。もしアプリケーションの主なアクセスパターンが、「特定のIDでユーザーを取得する」「ユーザーの通知一覧を取得する」「最新の通知を取得する」「通知を既読にする」といったように予測可能で、かつ膨大なスケールが必要な場合は、DynamoDBが魅力的な選択肢となる。つまり、データベースの機能から考えるのではなく、まずデータとアプリケーションのアクセスパターンから検討を始めるという考え方が重要である。

Amazon RDSは、PostgreSQL、MySQL、MariaDB、Oracle、SQL Serverといった多様なリレーショナルデータベースをマネージドサービスとして提供する。その最大の特長は、データ間に明確な関係性を定義できるリレーショナルモデルにある。これにより、例えばユーザーと注文の情報をSQLで関連付け、「特定のユーザーIDに基づいて、そのユーザーの名前と、そのユーザーが行った注文のID、合計金額を同時に取得する」といった複雑なクエリを容易に実行できる。このような関連性に基づいたクエリは、リレーショナルデータベースの得意分野である。RDSは、複雑なクエリ、データ間の関係性、結合、トランザクション処理、SQLの利用、レポート作成、そして既存のリレーショナルデータベースの知識を活用したい場合に特に適している。多くのバックエンド開発者がSQLとリレーショナルデータベースの設計に関する知識を持っているため、学習コストを抑えられるメリットもある。

一方、Amazon DynamoDBは、リレーショナルデータベースとは根本的に異なるアプローチを採用する。ここでは、データ間の関係性や結合よりも、アプリケーションのアクセスパターンに基づいてテーブルとインデックスを設計する。例えば、「特定のIDでユーザーを取得する」「ユーザーIDで注文一覧を取得する」「最新の注文を取得する」「注文IDで特定の注文を取得する」といった具体的なアクセスパターンに合わせてデータを格納し、最も効率的にデータを取り出せるように最適化する。このアプローチは、高いスケーラビリティ、低レイテンシ(データアクセス時の遅延の少なさ)、予測可能なアクセスパターン、サーバーレスアーキテクチャとの親和性、膨大なリクエスト量、そして自動スケーリングが求められるアプリケーションにとって非常に強力である。また、DynamoDBは従来のデータベースサーバーの管理タスクの多くをAWSが担うため、AWS LambdaやAPI Gatewayのようなサーバーレスサービスと組み合わせることで、開発者はインフラ管理の手間を大幅に削減し、アプリケーション開発に集中できる。

アーキテクチャの観点からも、両者には明確な違いがある。従来のRDSベースのバックエンドでは、クライアントからのリクエストはAPIサーバーやNode.js/Expressなどのアプリケーションサーバーを経由してRDSに接続し、SQLクエリを実行する。対照的に、サーバーレスアーキテクチャでは、クライアントからAPI Gateway、Lambda関数を経由してDynamoDBにアクセスする。DynamoDBは、イベント駆動型やサーバーレスアーキテクチャに自然にフィットする設計となっている。どちらのアーキテクチャが一方的に優れているというわけではなく、アプリケーションが処理するワークロードと要件によって最適な選択は異なる。

データベースの選択は、技術的な仕様だけで決まるものではない。開発者のこれまでの経験、チームが持つ既存の知識、アプリケーション固有の要件、そしてチームの専門知識も重要な判断基準となる。例えば、筆者のMongoDBでの開発経験は、データが自然にドキュメント形式に収まり、JavaScriptやNode.jsといった技術スタックとの親和性が高い場合に非常に便利であるということを示している。これは、データベースの選択が、単なる技術的な優劣だけでなく、開発効率やチームの生産性にも影響を与えるという実例である。

新しいAWSバックエンドを構築する際にデータベースを選ぶ際には、いくつかの質問を自問することが有効である。一つ目は「複雑な関係性が必要か?」という問いだ。もしアプリケーションがデータ間の関係性と結合に強く依存するなら、RDSのようなリレーショナルデータベースが適している。二つ目は「アクセスパターンは予測可能か?」という問い。データの読み書き方法が明確で、高いスケーラビリティと低レイテンシが必要なら、DynamoDBが有力な候補となる。三つ目は「SQLが必要か?」という問いだ。チームがSQLクエリ、レポート作成、リレーショナルデータ分析に深く依存するなら、RDSが容易な選択となるだろう。四つ目は「アプリケーションはサーバーレスか?」という問い。LambdaやAPI Gatewayを中心としたサーバーレスアーキテクチャで構築するなら、DynamoDBはそのアーキテクチャに自然に適合する。最後に「チームは何を知っているか?」という問いも非常に重要だ。いくら技術的に優れたデータベースでも、チームがそれを効果的に設計・運用する方法を知らなければ、その真価を発揮することはできない。

RDSとDynamoDBを比較すると、RDSはリレーショナルモデルを採用し、SQLによるクエリ、結合、強力なトランザクションをサポートし、構造化されたスキーマを持つ。スケーリングはマネージドだがキャパシティプランニングが必要で、リレーショナルアプリケーションに最適である。サーバーレスでの利用も可能だ。一方、DynamoDBはNoSQLモデルで、キー/インデックスベースのクエリ、伝統的な結合はなく、異なるモデルのトランザクションをサポートする。柔軟なスキーマを持ち、大規模な自動スケーリング向けに設計されており、高いスケーラビリティとアクセスパターン駆動型のワークロードに最適で、サーバーレスとの相性が非常に良い。

この比較から学ぶべき最大の教訓は、「人気があるからという理由でデータベースを選ぶべきではない。そのデータベースのデータモデルが、アプリケーションの特性やアクセスパターンに合致しているから選ぶべきだ」という点である。どんなに高速でスケーラブルなデータベースであっても、アプリケーションの主要なアクセスパターンに合っていなければ、それは間違った選択となる。同様に、シンプルなキーバリュー型のアクセスパターンしか持たないアプリケーションに対して、あえてリレーショナルデータベースを選ぶことは、不必要な複雑さを導入することになりかねない。

最終的な決定を下す前に、アプリケーションにとって最も重要な操作を具体的にリストアップすることが推奨される。例えば、「ユーザーの作成」「IDによるユーザーの取得」「ユーザーの注文の取得」「注文の作成」「注文の更新」「最新の注文の取得」「レポートの生成」といった具体的な機能だ。そして、これらの操作をそれぞれのデータベースがどれだけ自然に、効率的に処理できるかを評価する。この実践的な検討は、一般的なデータベースの機能比較表を見るよりもはるかに多くの、具体的な洞察を与えてくれるだろう。

結論として、RDSとDynamoDBのどちらが良いかという議論は、サービス自体の優劣を競うものではない。それは、アプリケーションが持つ固有のデータモデルと要件に、最適なデータベースの特性を適合させるという本質的な課題である。もしリレーショナルデータ、SQL、結合、そして複雑なクエリが必要ならRDSが有力な候補となる。もし予測可能なアクセスパターンを持ち、高度にスケーラブルで低レイテンシのNoSQLアクセスが求められるなら、DynamoDBを真剣に検討する価値がある。最適なデータベースとは、アプリケーションにとって最も重要な操作をシンプルに、信頼性高く、そしてスケーラブルに実現してくれるものである。これが、AWS上でバックエンドシステムを設計する際のデータベース選択における筆者の基本的な考え方である。

関連コンテンツ

関連IT用語

関連ITニュース