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NoSQL(ノーシークエル)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

NoSQL(ノーシークエル)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

ノースクエル (ノースケール)

英語表記

NoSQL (ノーシーケル)

用語解説

NoSQLとは、従来のリレーショナルデータベース(RDB)とは異なるデータ格納方式と管理モデルを持つデータベースの総称である。RDBがSQLという共通の問い合わせ言語と厳格なスキーマを持つ一方、NoSQLは多様なデータモデルと問い合わせ方法を持ち、「Not only SQL(SQLだけでなく)」という意味合いで呼ばれる。インターネットの普及とWebアプリケーションの進化に伴い、RDBが抱えるスケーラビリティや柔軟性の課題が顕在化したことが、NoSQLの登場を促した。特に、ソーシャルメディアやECサイトなどで発生する膨大な量のデータや、急速に変化するデータ構造への対応が求められるようになり、NoSQLはその解決策として注目された。

RDBは、データをテーブル形式で整理し、行と列によって構造化する。データの整合性を保つためのACID特性(原子性、一貫性、独立性、永続性)を厳密に保証し、複雑な関係性を持つデータを扱うのに適している。しかし、その厳格なスキーマは、データの構造変更に手間がかかるという柔軟性の課題を抱える。また、主に垂直方向(サーバの性能向上)へのスケールアップは得意であるが、大量のデータや高頻度なアクセスを複数のサーバで分散処理する水平スケールアウトには制約がある。特に、膨大な書き込み要求が同時に発生するような場面では、RDBの整合性保証がボトルネックとなり、性能が低下することがあった。

NoSQLの大きな特徴の一つは、スキーマレスあるいは柔軟なスキーマを持つことである。これは、あらかじめ厳密なデータ構造を定義する必要がなく、アプリケーションの進化に合わせてデータの構造を自由に変更しやすいことを意味する。異なる構造のデータを同じデータベース内に格納することも可能であるため、開発の初期段階で完璧なデータ設計が難しい場合や、ビジネス要件の変化に迅速に対応する必要がある場合に有効である。

また、NoSQLは、複数のサーバにデータを分散して格納し、処理を並行して行う水平スケーリング(スケールアウト)に優れている。これにより、サーバの台数を増やすだけで、より多くのデータやアクセス量を処理できるようになり、高い可用性とパフォーマンスを実現しやすい。RDBが苦手とする、非常に大量のデータや高頻度なアクセスを処理する大規模システムにおいて、NoSQLはこの水平スケーリングの能力を発揮する。

RDBが厳密なACID特性を重視するのに対し、NoSQLは分散システムにおいてCAP定理という概念を考慮する。CAP定理とは、分散システムにおいて一貫性(Consistency)、可用性(Availability)、分断耐性(Partition tolerance)の3つのうち、同時に2つしか完全に満たせないというものである。多くのNoSQLデータベースは、可用性と分断耐性を優先し、一貫性については「最終整合性(Eventual Consistency)」を採用する場合が多い。最終整合性とは、一時的にデータに不整合が生じても、時間の経過とともに最終的にはデータが一致するという考え方である。これにより、高速な書き込みや高い可用性を実現できるが、RDBのような即時的な厳密な一貫性は保証されない場合がある。

NoSQLには、用途に応じて様々なデータモデルが存在する。主なものには、キーバリュー型、ドキュメント型、カラム指向型、グラフ型がある。 キーバリュー型は、最も単純なモデルで、一意なキーとそれに対応する値(データ)をペアで格納する。高速な読み書きに適しており、セッション管理やキャッシュによく利用される。 ドキュメント型は、JSONやXMLのような半構造化されたデータをドキュメントとして格納する。ドキュメントは階層構造を持つことができ、柔軟なデータ構造を扱うのに適している。Webアプリケーションのバックエンドデータやコンテンツ管理によく用いられる。 カラム指向型(ワイドカラム型)は、RDBのテーブルとは異なり、列(カラム)を動的に追加・削除できる柔軟な構造を持つ。大量のデータを高速に書き込み、特定のカラムに特化したクエリを効率的に実行するのに向いており、ビッグデータ分析や時系列データに適している。 グラフ型は、データ間の関係性(エッジ)とデータそのもの(ノード)をグラフ構造で表現する。複雑な関係性を持つデータを効率的に探索するのに優れており、ソーシャルネットワークの友人関係やレコメンデーションシステム、不正検出などに利用される。

NoSQLのメリットは、高いスケーラビリティとパフォーマンス、開発の柔軟性、多様なデータタイプのサポートが挙げられる。一方でデメリットや考慮点も存在する。RDBのような厳密なACID特性を保証しない場合があり、データの不整合に注意が必要である。また、RDBのSQLのような複雑な結合クエリや複数テーブルにまたがるトランザクション処理には不向きな場合が多い。標準化されたSQLが存在しないため、データベースの種類ごとに異なるAPIやクエリ言語を習得する必要があり、学習コストがかかることもある。

NoSQLは、以下のような要件を持つシステムで特にその真価を発揮する。大量のデータを高速に処理する必要がある場合(ビッグデータ、IoTデータなど)、システムの負荷に応じて柔軟にスケールアウトさせたい場合、データの構造が頻繁に変わる、または不定形なデータを扱う場合、リアルタイムでのアクセスや応答速度が求められる場合などである。しかし、リレーショナルなデータ構造が厳格に定義されており、複雑な結合クエリや厳密なトランザクション整合性が不可欠なシステムでは、引き続きRDBが適している。システム要件に応じて、RDBとNoSQLを使い分ける、あるいは両方を組み合わせて利用する選択が重要である。

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