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【ITニュース解説】My AWS Summit Toronto experience and GenAI

2025年09月06日に「Dev.to」が公開したITニュース「My AWS Summit Toronto experience and GenAI」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

AWS Summit Torontoに参加し、生成AIやサーバーレスの最新技術セッションで多くの知識を得た。AWSコミュニティのメンバーと直接交流できたことが最大の収穫であり、イベントを通じて得た知識と人との繋がりが、今後の学習や活動への大きな刺激となった。

出典: My AWS Summit Toronto experience and GenAI | Dev.to公開日:

ITニュース解説

このニュース記事は、筆者が長年AWS(Amazon Web Services)というクラウドサービスを使ってきた経験と、最近参加した「AWS Summit Toronto」というイベントでの学び、特に生成AI(GenAI)に関する洞察をまとめたものだ。システムエンジニアを目指す人にとって、クラウド技術の最前線や、コミュニティでの交流がいかに重要であるかを理解する上で参考になるだろう。

筆者は、クラウドサービスの「スケーラビリティ」(利用状況に応じて柔軟にリソースを増減できる能力)や「柔軟性」に魅力を感じ、特に「サーバーレス」という概念、つまりサーバーの管理をAWSに任せて開発に集中できる「AWS Lambda」や、ファイルを保存するストレージサービス「S3」のような技術に初期から関心を持っていた。学習は、Yan Cui氏のオンライン講座から始まり、現在では「Believe In Serverless Community」というコミュニティで積極的に情報交換を行っている。

長年オンラインでの活動が中心だった筆者にとって、今回のAWS Summit Torontoは、多くのコミュニティメンバーやAWS関係者と直接会う初めての機会であった。カナダのトロントで開催されたこのサミットは、筆者が住むオタワから比較的近く、今年初めて参加する予定のラスベガスでの大規模イベント「AWS Re:Invent」の前に、実際にオフラインイベントを体験する良い機会となった。筆者は多忙な仕事から一時離れ、サミット前後にリラックスする時間も設けた。サミット当日は、Metro Toronto Convention Centreという広大な会場で、事前にピックアップしておいたバッジを使ってスムーズに入場した。

サミットのセッションカタログを事前に確認した際、生成AI(GenAI)に関するトピックが非常に多いことに気づいたという。これは現在のIT業界全体のトレンドであり、AWSもこの分野に力を入れている証拠だ。筆者は、GenAI関連のセッション3つ、キーノート(主要講演)、サーバーレスに関するセッション1つ、その他2つの計7つのセッションを選んで参加した。

サミットで最も印象的だったのは、やはり対人交流の機会であったと筆者は語る。オンラインでしか接点のなかった多くの人々、例えばAWSのエキスパートとして認められる「AWS Heroes」であるCyril Bandolo氏やAndrew Brown氏と直接会話し、交流できたことは大きな喜びだったようだ。実際に会って話すことで、相手の人柄や反応がより深く理解でき、その後のオンラインでのやり取りも格段にスムーズになる。これは、筆者の仕事での海外の同僚との経験や、キャリアの初期にオフィスでの先輩との交流から得た学びにも通じるところで、特にIT分野に新しく参入する若手エンジニアにとって、こうした対面での人間関係構築がいかに重要であるかを強調している。

参加したセッションの中でも、特に印象的だったものをいくつか挙げている。 まず、GenAI分野でのAWSの取り組みが目立った。数年前まで、従来のAI/ML(機械学習)分野で自然言語処理(NLP)に取り組んでいた筆者にとって、「Transformer」という技術の登場と、それが大規模言語モデルの発展を促し、GenAIが世界を大きく変えた経緯は感慨深いものだったようだ。

  • DAT302 (Building cost-effective RAG-based apps with Amazon Aurora):このセッションでは、「RAG(Retrieval Augmented Generation)」という、企業固有のデータを使って生成AIの精度を高める手法について、コスト効率の良い構築方法が紹介された。RAGは、一般的な大規模言語モデル(LLM)と組み合わせることで、最小限の費用と労力で具体的な成果を出すことができる。コストを最適化するために、データをまず小規模で安価なモデルで要約し、その要約をより高性能で高価なモデルに渡すといった多段階でのモデル利用や、ベクトルデータ(テキストなどを数値化したデータ)を扱う「Vector databases」とAWSのデータベースサービス「Amazon Aurora」の組み合わせにおける具体的な設定が議論された。
  • SVS201-R (Building Production-ready Agentic AI Architectures with AWS Serverless):筆者が特に楽しみにしていたセッションの一つで、アントン・アレクサンドロフ氏とヒーキー・パーク氏による発表だった。「Agentic AI」(エージェント型AI)とは、自律的にタスクを実行したり、他のエージェントと連携したりするAIのことだ。このセッションでは、AWSの生成AIサービス「Amazon Bedrock」や、エージェント構築用の「Strands SDK」、サーバーレスの「AWS Lambda」、コンテナ実行サービスの「Elastic Container Service(ECS)」、ワークフローを構築する「Step Functions」、そして新しい「Bedrock AgentCore」といったツールを組み合わせて、エージェントを構築するアプローチが紹介された。エージェント同士がどのようにコミュニケーションを取り、記憶を保持して協調動作するか、そしてエージェントが「マイクロサービス」(小さな機能単位で独立したプログラム群)と似ている点も解説された。
  • Keynote (Andrew Kent Warfield):キーノートでは、AWSのGenAI製品の紹介に加え、AWSがカナダ企業にもたらしたイノベーションの事例が語られた。
  • SEC302 (Building a Secure EKS Framework For Financial Services):長年Kubernetesクラスターを運用してきた筆者は、AWSでKubernetesを動かすためのマネージドサービス「Elastic Kubernetes Service(EKS)」のセキュリティベストプラクティスに関心があった。セッションでは、プライベート接続の利用、コントロールプレーンログの有効化、あらゆるデータの暗号化、最小権限の原則に基づいたクラスター設定、EKS Pod Identities、Network Policies、Open Policy Agent(OPA)、そしてサービスメッシュ「Istio」の利用など、多岐にわたるセキュリティ強化策が紹介された。筆者の会社が既に多くの手法を採用していることを確認でき、大変有益なセッションだったようだ。
  • ANT401 (Architectural Patterns for Near Real-time analytics on AWS):筆者の業務分野であるGenAIや通信機器において、大量のネットワークデータをリアルタイムで取り込み、アプリケーションに活用するケースがある。このセッションでは、リアルタイムデータ処理のベストプラクティスとして、ストリーミングデータ取り込みに「Kinesis」や「Amazon Managed Streaming for Apache Kafka(MSK)」を使い、高速データ処理には「Amazon Managed Service for Apache Flink」を利用する方法が紹介された。GenAIの分野では、リアルタイムデータを使った異常検知モデルの構築や、モデルの継続的な再学習・更新にこれらの技術が役立つと筆者は考えている。
  • AIM301 (Deploy, secure, and observe Production-grade AI Agents with AgentCore):もう一つの注目セッションである。Agentic AIアプリを実運用レベルで大規模に展開するには、適切なセキュリティと信頼性が不可欠だ。このセッションでは、新発表された「AgentCore」の主要コンポーネント、特に「Identity」モジュールの機能とフローが詳しく説明された。AgentCoreやStrands SDKが、将来のAgentic AIアプリのデプロイに大きな役割を果たすと筆者は期待している。
  • SVS203 (Unlock Productivity: Tools and Techniques for Serverless Developers):サーバーレスに力を入れている筆者にとって、このセッションも重要だった。AWSのサーバーレス技術の最新情報に加え、「Q」というGenAIツールを活用して、SAMテンプレート(サーバーレスアプリケーションを定義するテンプレート)の生成から、ローカルでの実行、さらにはフロントエンドまで数秒で構築するデモが披露された。GenAIが開発者の生産性をいかに向上させるかを示す、驚くべき実演だったようだ。

最後に、筆者はサミットやカンファレンスに参加する人に向けていくつかのヒントを共有している。旅行の計画(ホテルの予約など)、会場の事前確認、飲食物の準備、セッションの計画と早めの入場、そしてセッション中の質問や発表者との積極的な交流が、イベントを最大限に活用するための鍵であると述べている。特にキーノートは、会社の全体的な方向性を理解するために参加を勧めている。

当初、無料のサミットに対してはあまり期待していなかったが、終わってみれば想像以上に多くの知識と交流を得ることができ、参加する価値が非常に高かったと筆者は結論付けている。この経験は、今年のRe:Inventへの期待をさらに高め、今後の学習意欲を大いに刺激したようだ。

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