【ITニュース解説】Day 46: Set-up CloudWatch alarms and SNS topics on AWS

2025年09月10日に「Dev.to」が公開したITニュース「Day 46: Set-up CloudWatch alarms and SNS topics on AWS」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

AWSの利用料金が設定額を超えた際にメールで通知を受け取る方法を紹介。監視サービスCloudWatchで請求額を監視し、通知サービスSNSと連携してアラームを設定する。意図しない高額請求を防ぐための必須設定だ。(111文字)

ITニュース解説

クラウドコンピューティングサービス、特にAmazon Web Services (AWS)を利用する上で、コスト管理は極めて重要な課題である。意図しない設定やリソースの過剰な利用により、想定外の高額請求が発生するリスクを避けるためには、利用状況を常に監視し、異常を早期に検知する仕組みが不可欠となる。AWSには、こうした課題に対応するための強力なサービスとして「Amazon CloudWatch」と「Amazon Simple Notification Service (SNS)」が用意されている。これらを組み合わせることで、AWSの利用料金が設定した金額を超えた際に、自動でメール通知を受け取るシステムを構築することが可能である。

Amazon CloudWatchは、AWSのリソースやそこで実行されているアプリケーションをリアルタイムで監視するためのサービスである。サーバーのCPU使用率、ディスクの空き容量、ネットワークの通信量といったパフォーマンスに関する指標から、サービスの利用回数、そして今回の主題である推定請求額まで、様々なデータを「メトリクス」として収集・追跡する。CloudWatchの重要な機能の一つに「アラーム」がある。これは、収集したメトリクスが事前に定義した「しきい値(境界となる値)」を超えたり、下回ったりした場合に、特定の動作を自動的に実行させる機能である。例えば、「CPU使用率が5分間連続で80%を超えたら」や「推定請求額が10ドルに達したら」といった条件を設定できる。

一方、Amazon Simple Notification Service (SNS)は、メッセージングサービスの一種で、特定の情報を多数の受信者に一斉に配信する役割を担う。SNSは「トピック」と「サブスクリプション」という概念で動作する。「トピック」は通知を配信するための中継地点のようなもので、特定のテーマ(例えば「請求アラート」や「システム障害通知」)ごとに作成する。そして、「サブスクリプション」によって、そのトピックにメールアドレスや電話番号、他のAWSサービスなどを購読者として登録する。メッセージがトピックに発行されると、SNSはそのトピックを購読している全ての宛先に通知を送信する。この仕組みにより、CloudWatchが検知したアラートを、メールやSMSといった形で利用者に確実に届けることが可能になる。

この二つのサービスを連携させることで、効果的なコスト監視が実現できる。具体的には、CloudWatchでAWSの推定請求額を監視し、あらかじめ設定した金額(しきい値)に達したことを検知する。次に、CloudWatchアラームのアクションとしてSNSトピックへの通知を設定しておく。これにより、しきい値を超えた瞬間にCloudWatchからSNSトピックへ情報が送られ、SNSはそのトピックを購読しているメールアドレス宛にアラート通知を自動送信する。この一連の流れを構築することで、手動で毎日請求額を確認する手間を省き、コストの異常な増加を迅速に把握できるようになる。

この請求アラートを設定するには、いくつかの準備と手順が必要である。まず、請求関連のメトリクスはアカウント全体の重要な情報であるため、AWSアカウントの最高権限を持つルートユーザーでサインインして、請求アラート機能を有効化する必要がある。また、AWSの仕様上、全リージョンの利用料金を合算したグローバルな請求メトリクスは、特定のリージョンである「us-east-1(米国東部バージニア北部)」でのみ提供される。そのため、設定作業はこのリージョンで行う必要がある。

準備が整ったら、最初に通知の送信先となるSNSトピックを作成する。これは「billing-alerts」のような分かりやすい名前を付けた通知チャンネルを作る作業に相当する。トピックを作成した後、通知を受け取りたい自身のメールアドレスを「サブスクライバー(購読者)」として登録する。登録を申請すると、AWSから確認メールが届くため、メール内のリンクをクリックして承認を完了させる必要がある。この承認作業によって、意図しない相手に通知が送られることを防ぐ。

次に、CloudWatchでアラームを作成する。まず、監視対象のメトリクスとして「Billing」カテゴリの「EstimatedCharges(推定請求額)」を選択する。続いて、アラームが作動する条件、つまり「しきい値」を設定する。例えば、「推定請求額が2ドル以上になったら」という条件を設定する。この条件がどのくらいの期間継続した場合にアラームを発動させるかも定義できる。最後に、アラームが作動した際の「アクション」として、先ほど作成したSNSトピックを指定する。これで、請求額が2ドルを超えた場合に、指定したSNSトピックへ通知が飛ぶ設定が完了する。

設定完了後、実際に請求額がしきい値を超える前に、通知システムが正しく機能するかを確認することが推奨される。これは、SNSの管理画面からテストメッセージを作成したトピックに発行することで簡単に行える。テストメッセージを発行し、登録したメールアドレスに通知が届けば、設定は正常に完了していることが確認できる。この一連の手順により、AWS利用におけるコスト管理の自動化と安全性の向上を実現できる。CloudWatchは請求額だけでなく、システムパフォーマンスの監視にも広く活用されるため、その基本的な使い方を習得することは、システムエンジニアとしての重要なスキルとなる。

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