【ITニュース解説】How an Email Travels Across the Network
2025年09月13日に「Dev.to」が公開したITニュース「How an Email Travels Across the Network」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
メール送信はTCP/IPの5層モデルを経て行われる。Application層で作成・暗号化準備、Transport層でデータを分割し番号付け、Network層でIPアドレスを付与し経路選択。Data Link層でMACアドレスを付けローカル伝送し、Physical層で信号化して送る。受信側では逆の過程で再構築される。
ITニュース解説
メールがネットワーク上をどのように移動するかは、インターネットの基盤であるTCP/IPモデルの各層を順に通過することで理解できる。送信者がメールを作成してから受信者がそれを読むまでの間には、情報の様々な変換と処理が行われる。
まず、メールの旅はアプリケーション層から始まる。ここでは、ユーザーがメールクライアントを使ってメールを作成し、ファイルを添付する。この段階で、メールクライアントはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)メッセージを準備する。添付ファイルはMIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)によって適切に処理され、通常は圧縮されたり、Base64エンコードされたりして、様々な種類のデータがメールで送信できるようになる。また、盗聴を防ぐためにTLS(Transport Layer Security)による暗号化が計画され、通信経路の安全性が確保される。実践的には、添付ファイルのサイズはプロバイダーによって制限されることが多いため、大きなファイルはクラウドストレージのリンクとして共有するのが一般的である。テキストエンコーディングにはUTF-8を使用し、通信の暗号化のためにTLS(STARTTLSやImplicit TLS)を有効にすることはセキュリティの標準的な運用となる。
次に、メールの情報はトランスポート層へと送られる。SMTPメッセージはネットワークが一度に送れるデータ量よりも大きい場合があるため、TCP(Transmission Control Protocol)がそのメッセージを小さな「セグメント」と呼ばれる塊に分割し、それぞれに番号を振る。この番号付けにより、受信側で正しい順序に再構築したり、もし途中で失われたセグメントがあれば再送を要求したりすることが可能になる。通信を開始する際には、送信側と受信側の間で「3ウェイハンドシェイク」という手順(SYN、SYN-ACK、ACK)が実行され、通信セッションが確立される。送信側のクライアントは一時的なポート番号を使用するが、メールサーバーはメールを受け取るために特定の「ウェルノウンポート」である587番(SMTP with STARTTLS)や25番(サーバー間通信用)で待機している。メールを送信する際には、通常、認証とSTARTTLSを使用して587番ポートを利用することが推奨される。
続いて、情報はネットワーク層に進む。ここでは、各TCPセグメントがIP(Internet Protocol)パケットに格納され、送信元のIPアドレスと宛先のIPアドレスが付与される。IPアドレスは、インターネット上でデバイスを一意に識別するための住所のようなものである。ルーターは、この宛先IPアドレスを基に、パケットを一つの中継点(ホップ)から次の中継点へと順に転送していく。パケットが無限にネットワーク上をループするのを防ぐために、TTL(Time To Live)という情報もパケットに含まれており、ルーターを通過するたびにその値が減少し、ゼロになると破棄される仕組みになっている。また、メールの配信には、ドメインのDNS(Domain Name System)設定、特にMX(Mail Exchanger)レコードが正しく設定されていることが不可欠である。送信者のクライアントデバイスは、多くの場合NAT(Network Address Translation)の背後にあるため、ルーターがプライベートIPアドレスをインターネット上で公開されているグローバルIPアドレスに変換して通信を行う。
さらに情報はデータリンク層へと渡される。ここでは、IPパケットが各ローカルリンク(Wi-Fiやイーサネットなどの直接接続されたネットワーク区間)に合わせて「フレーム」と呼ばれる単位にカプセル化され、MAC(Media Access Control)アドレスが付与される。MACアドレスは、ネットワークインターフェースカード(NIC)に割り当てられた物理的なアドレスであり、同一ローカルネットワーク内でデバイスを識別するために使われる。ARP(Address Resolution Protocol)は、特定のIPアドレスを持つデバイスのMACアドレスを解決するために使用される。パケットがネットワーク上の各ホップを通過するたびに、そのホップでのデータリンク層の処理として、フレームの解除と次のホップへの再カプセル化が繰り返される。無線LANのような不安定な接続ではデータの再送が発生しやすいため、重要なメール送信には有線LANのような安定した接続が望ましい。
最後に、物理層が情報の伝達を担う。データリンク層で作成されたフレームは、この層で電気信号、光信号、または無線信号に変換され、物理的な媒体(イーサネットケーブル、光ファイバー、Wi-Fiの電波など)を通じてビットとして伝送される。デバイス間の物理的な接続が確立され、信号がやり取りされることでデータが実際に移動する。良好なケーブルや適切なアクセスポイントの使用は、この層での信号品質を確保し、パケット損失を防ぐ上で非常に重要である。品質の低いケーブルや混雑したWi-Fi環境は、パケット損失を引き起こし、その結果TCPによる再送が必要となり、メール送信が遅延する原因となる。
送信側のデバイスから放たれたメールは、このようにTCP/IPモデルの各層を順に下っていき、様々な変換と処理を経てネットワークを伝播する。
そして、受信側のメールサーバーに到達すると、今度はこのプロセスが逆の順序で、物理層からデータリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、アプリケーション層へと情報を「開梱」していく。物理層で受信された信号はデータリンク層でフレームに、ネットワーク層でIPパケットに、そしてトランスポート層でTCPセグメントに再構築される。TCPはセグメントの順序を正しく並べ替え、もし欠落している部分があれば再送を要求して、完全なメッセージを組み立てる。最終的に、完全なメッセージはアプリケーション層のSMTPサーバーに渡され、MTA(Mail Transfer Agent)またはMDA(Mail Delivery Agent)が受信者のメールボックスにメールを保存する。受信者は自分のメールクライアント(IMAPやPOP3)を使い、アプリケーション層でそのメールを読み取ることができる。このようにして、送信者から受信者までメールが安全かつ確実に届けられる。