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アプリケーション層(アプリケーションソウ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

アプリケーション層(アプリケーションソウ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

アプリケーション層 (アプリケーションソウ)

英語表記

Application Layer (アプリケーションレイヤー)

用語解説

アプリケーション層は、コンピュータネットワークの機能を階層的に整理したモデルにおける最上位層である。OSI参照モデルでは第7層、TCP/IPモデルでは一般的に第4層または第5層に位置づけられる。この層の最も重要な役割は、ユーザーが直接利用するアプリケーションソフトウェアに対して、ネットワーク通信の機能を提供することである。我々が日常的に使用するWebブラウザ、電子メールクライアント、ファイル転送ソフトなどは、このアプリケーション層の仕組みを利用して通信を行っている。つまり、アプリケーション層は、通信の目的そのものを定義する層と言える。例えば、「Webページを閲覧したい」「メールを送りたい」「ファイルをダウンロードしたい」といった具体的なユーザーの要求を、通信プロトコルという決められた手順に変換し、データとして生成する。そして、そのデータを下位の層であるトランスポート層に渡し、実際のデータ転送処理を依頼する。逆に、通信相手からデータを受信した際には、下位層から渡されたデータを解釈し、アプリケーションが扱える形式に復元してユーザーに提示する役割も担う。このように、アプリケーション層はネットワーク通信における人間とコンピュータの接点として機能し、多種多様な通信サービスを実現するための基盤となっている。

アプリケーション層の具体的な機能を理解するためには、OSI参照モデルとTCP/IPモデルにおける位置づけの違いを知ることが有効である。OSI参照モデルでは、通信機能が7つの層に細かく分割されており、アプリケーション層(第7層)の他に、データの表現形式を統一するプレゼンテーション層(第6層)、通信の開始から終了までを管理するセッション層(第5層)が存在する。一方、現在インターネットで広く利用されているTCP/IPモデルでは、これら3つの層が持つ機能をまとめて一つのアプリケーション層として扱うのが一般的である。したがって、TCP/IPモデルにおけるアプリケーション層は、アプリケーション固有の通信手順を定めるだけでなく、文字コードやデータ形式の変換、データの暗号化や復号、通信セッションの確立や切断といった広範な機能を含む。

アプリケーション層では、提供するサービスの種類ごとに、それぞれ異なる通信プロトコルが定義されている。プロトコルとは、コンピュータ同士が通信を行う上での共通の言語やルールセットのことである。代表的なプロトコルとして、まずHTTP(HyperText Transfer Protocol)が挙げられる。これはWebサーバーとWebクライアント(ブラウザ)がHTMLファイルや画像などのデータを送受信するために使用される。URLの先頭が「http://」で始まる通信は、このプロトコルを利用している。セキュリティを強化し、通信内容を暗号化したものがHTTPS(HTTP Secure)である。次に、電子メールの送受信には複数のプロトコルが関わる。メールの送信にはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)が、受信にはPOP3(Post Office Protocol version 3)やIMAP4(Internet Message Access Protocol version 4)が用いられる。また、人間が覚えやすいドメイン名(例: www.example.com)を、コンピュータが通信相手を特定するために用いるIPアドレス(例: 192.0.2.1)に変換する役割を担うのがDNS(Domain Name System)である。この名前解決の仕組みがなければ、我々はWebサイトにアクセスするために数字の羅列であるIPアドレスを直接入力しなければならなくなる。その他にも、ネットワークを介してファイルを転送するためのFTP(File Transfer Protocol)や、遠隔地にあるコンピュータを安全に操作するためのSSH(Secure Shell)など、用途に応じた多種多様なプロトコルがアプリケーション層で動作している。

システムエンジニアは、これらのアプリケーション層のプロトコルや役割を深く理解することが求められる。なぜなら、システムの設計、開発、運用、保守のあらゆる場面でこの知識が必要となるからだ。例えば、Webアプリケーションを開発する際には、HTTPの仕組みを理解し、適切なAPIを設計する必要がある。ネットワークに障害が発生した際には、問題が物理的な回線にあるのか、あるいはDNSの名前解決が失敗しているのかといった原因の切り分けを行うために、各層の役割を知っておかなければならない。アプリケーション層のプロトコルレベルで通信内容を分析することで、パフォーマンスのボトルネックを発見したり、セキュリティ上の脆弱性を特定したりすることも可能になる。このように、アプリケーション層はユーザーに最も近い層であると同時に、システムエンジニアが具体的なサービスを構築し、その動作を制御するための重要な層なのである。

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