【ITニュース解説】Deploying a Laravel Portfolio to AWS EC2: Complete Production Setup

2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「Deploying a Laravel Portfolio to AWS EC2: Complete Production Setup」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

PHPフレームワークLaravelで作成したWebアプリを、クラウドサービスAWS EC2サーバーに公開する手順を紹介。サーバー設定からNginx、SSL証明書の導入、GitHubを使った自動デプロイまで、本番環境の構築方法を網羅的に解説する。(118文字)

ITニュース解説

Webアプリケーションを開発した後、それをインターネット上で公開するにはサーバーが必要になる。その選択肢の一つとして、Amazon Web Services(AWS)が提供する仮想サーバー「EC2」を利用する方法がある。共有ホスティングサービスと比較して、EC2はサーバー全体を自由に設定できるという大きな利点を持つ。これにより、特定のソフトウェアをインストールしたり、パフォーマンスを細かく調整したりといった、プロジェクトに合わせた独自の環境構築が可能となる。また、将来的にアクセス数が増加した場合でも、サーバーの性能を柔軟に拡張できるスケーラビリティも魅力だ。クラウドインフラの知識は、プロのエンジニアとしての信頼性を高める上でも重要であり、EC2の利用は実践的な学習の機会となる。この解説では、ポートフォリオサイトをAWS EC2に公開する手順を例にとる。使用する技術は、バックエンドにPHPのフレームワークであるLaravel、フロントエンドのデザインにはTailwind CSSを採用する。サーバー環境は、AWS EC2の無料利用枠で使えるt2.microインスタンス上に、OSとしてUbuntuを導入する。Webサーバーには高速な動作で知られるNginxを、データベースにはファイルベースで手軽に扱えるSQLiteを使用する。ポートフォリオサイトのような小規模なアプリケーションでは、SQLiteで十分な場合が多い。そして、Webサイトの通信を暗号化し、セキュリティを高めるために、Let's Encryptを利用して無料のSSL証明書を導入する。まず、AWS上でEC2インスタンスと呼ばれる仮想サーバーを作成する。この際、外部からの通信を制御するセキュリティグループの設定が重要だ。Webサイトの閲覧に必要なHTTP(80番ポート)とHTTPS(443番ポート)、そしてサーバーを遠隔で操作するためのSSH(22番ポート)へのアクセスを許可するルールを追加する。サーバーが起動したら、次に内部の環境を整える。SSHでサーバーに接続し、コマンドを実行してOSのシステムを最新の状態に更新する。その後、Laravelアプリケーションを動作させるために不可欠なPHPとその拡張機能、WebサーバーであるNginx、PHPのライブラリを管理するComposerといったソフトウェアをインストールしていく。サーバーの準備が整ったら、開発したLaravelアプリケーションのソースコードを配置する。バージョン管理システムであるGitを使い、GitHubなどのリポジトリからコードをサーバー上の指定ディレクトリにコピーする。次に、Composerを使ってプロジェクトが必要とするライブラリをインストールし、Webサーバーがアプリケーションのファイルを正しく読み書きできるように、所有者や権限を適切に設定する。この権限設定は、セキュリティ上非常に重要であり、誤るとアプリケーションが動作しなくなったり、脆弱性の原因になったりする。アプリケーションを配置しただけでは、まだWebサイトとしてアクセスできない。ドメイン名へのアクセスをLaravelアプリケーションに繋ぐため、Nginxの設定ファイルを編集する。この設定ファイルには、どのドメイン名でアクセスされた場合に、サーバー上のどのディレクトリにあるファイルを表示するかを記述する。具体的には、すべてのリクエストをLaravelの入り口であるpublic/index.phpファイルに処理させるように設定する。最後に、サイトの安全性を確保するため、通信を暗号化するSSLを導入する。Certbotというツールを使えば、コマンドをいくつか実行するだけでLet's Encryptから無料でSSL証明書を取得し、Nginxに自動で設定できる。これにより、サイトのURLはhttps://で始まり、ブラウザに安全な接続であることが表示されるようになる。Certbotは証明書の有効期限が切れる前に自動で更新する機能も備えているため、一度設定すれば手間がかからない。アプリケーションを公開した後の運用を効率化するために、自動デプロイの仕組みを導入すると便利だ。これは、ローカル環境で修正したコードをGitHubにプッシュするだけで、自動的に本番サーバーにも変更が反映されるようにするものである。GitHubのWebhook機能を利用し、コードのプッシュを検知したらサーバー上の特定のPHPスクリプトを呼び出すように設定する。このスクリプトは、サーバー内でgit pullコマンドを実行して最新のコードを取得し、キャッシュをクリアするなどの後処理を行う。これにより、手作業によるデプロイミスを防ぎ、開発サイクルを高速化できる。セキュリティの強化も欠かせない。Laravelのミドルウェア機能を使えば、HTTPレスポンスヘッダにセキュリティ関連の情報を追加し、クリックジャッキングやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった攻撃のリスクを低減できる。また、データベースのパスワードなどの機密情報を含む.envファイルをGitリポジトリに含めない、ファイルやディレクトリの権限を必要最小限に設定する、OSやソフトウェアのセキュリティアップデートを定期的に適用するといった基本的な対策を徹底することが重要だ。アプリケーションのパフォーマンス、つまり表示速度を向上させるための最適化も行うべきだ。PHPにはOPcacheという仕組みがあり、これを有効にするとPHPコードの実行速度が向上する。また、Laravelには設定ファイルやルーティング情報、ビューファイルをキャッシュして高速化するコマンドが用意されている。これらの最適化を適用することで、ユーザー体験を改善できる。安定した運用のためには、監視とメンテナンスが不可欠だ。何らかの問題が発生した際に原因を迅速に特定できるよう、LaravelアプリケーションのログやNginxのエラーログを定期的に確認する習慣が重要である。また、データ損失のリスクに備え、データベースの定期的なバックアップ、Gitによるコードのバージョン管理、AWSの機能を使ったサーバー全体のスナップショット取得など、複数のバックアップ戦略を組み合わせることが望ましい。この構成にかかる費用は、EC2のt2.microインスタンスが最初の12ヶ月間は無料利用枠の対象であるため、ドメイン名の年間費用程度で済む。無料期間終了後も、月額10ドル弱で運用可能であり、個人プロジェクトにとって非常にコストパフォーマンスが高い。この一連のデプロイ作業を通して、クラウドサーバーの基本的な構築方法から、アプリケーションのデプロイ、自動化、セキュリティ、パフォーマンス最適化、監視といった、システムエンジニアに求められる一通りの知識とスキルを実践的に学ぶことができる。初心者が陥りやすい失敗として、ファイル権限の設定ミスによるエラーや、セキュリティグループの設定不備によるサーバーへのアクセス不能、SSL証明書の導入忘れなどが挙げられるため、各ステップを慎重に進めることが肝心である。

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