【ITニュース解説】Cloud Computing Made Simple: Understanding IaaS, PaaS, and SaaS
2026年10月24日に「Dev.to」が公開したITニュース「Cloud Computing Made Simple: Understanding IaaS, PaaS, and SaaS」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
クラウドコンピューティングはIT資源をインターネットで利用する仕組み。IaaS、PaaS、SaaSは提供範囲と責任が異なる3タイプだ。IaaSはインフラ、PaaSは開発環境、SaaSは完成ソフトを提供。目的に合わせ、どこまで管理したいかで選択する。
ITニュース解説
NetflixやGmail、Spotifyといったアプリケーションが、複雑なサーバー管理なしに機能する仕組みには、クラウドコンピューティングが深く関わっている。クラウドコンピューティングとは、コンピューティングリソースをインターネット経由で利用する形態であり、利用者が自ら物理的なハードウェアを所有したり維持したりする必要がない。これには、アプリケーションを動かすためのサーバー、ファイルや写真を保存するストレージ、情報を保管するデータベース、ソフトウェア開発のためのプラットフォーム、そしてブラウザから直接利用できるアプリケーションなどが含まれる。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudといった主要なクラウドプロバイダーがこれらのリソースを提供している。しかし、すべてのクラウドサービスが同じレベルの制御や責任範囲を提供するわけではなく、それがIaaS、PaaS、SaaSという三つの主要なサービスモデルの違いに繋がるのである。
IaaS(Infrastructure as a Service)は、サービスとしてのインフラストウェアを意味する。これは、利用者に仮想サーバー、ストレージ、ネットワークといったコンピューティングインフラへのアクセスを提供するモデルであり、物理的なハードウェアの購入は不要である。利用者は、インフラを借りる感覚で利用し、建物の基礎や電力接続といった基本的なインフラは提供されるが、その上で動くソフトウェアの多くは利用者の責任となる。具体的には、オペレーティングシステム、自社のアプリケーションとコード、アプリケーションの設定、多くのセキュリティ設定やソフトウェアアップデート、そしてデプロイするデータやソフトウェアの管理を利用者が担当する。クラウドプロバイダーは物理サーバー、データセンター、およびその基盤となるインフラストラクチャを管理する。Amazon EC2、Azure Virtual Machines、Google Compute Engineなどがその代表的な例である。IaaSは、例えばウェブサイトのためにカスタマイズされたサーバー環境が必要で、オペレーティングシステムの選択、特定のソフトウェアのインストール、サーバー設定、アプリケーションの実行方法を細かく制御したい場合に適している。IaaSは、まさにコンピューティングの「建築ブロック」を提供し、その利用方法を決定するのは利用者自身である。
PaaS(Platform as a Service)は、サービスとしてのプラットフォームを意味する。これは、アプリケーションの構築、テスト、デプロイ、実行のためのプラットフォームを提供するモデルであり、利用者が基盤となるサーバーやオペレーティングシステムを自ら管理する必要がない。まるで設備の整ったキッチンを借りるように、オーブンや冷蔵庫、作業台、調理器具がすでに揃っており、利用者は食材を持ち込んで調理に集中できる状態である。PaaSでは、開発者はコードの記述と改善に注力でき、基盤となるプラットフォームの多くはプロバイダーが管理する。利用者は主にアプリケーションコードの記述、アプリケーション機能の構築、アプリケーションデータの管理、アプリケーションの設定、ソフトウェアのテストと改善を担当する。プロバイダーは、オペレーティングシステムやランタイム環境を含む基盤インフラストラクチャとプラットフォームの多くを管理する。Google App Engine、Azure App Service、Herokuなどが具体的な例である。PaaSは、オンラインショッピングアプリケーションを開発する際など、仮想マシンの設定やオペレーティングシステムの保守に時間を費やすことなく、コードを書き、データベースに接続し、アプリケーションをデプロイしたい場合に有用である。PaaSは、利用者がアプリケーション構築に集中できる、すぐに使えるプラットフォームを提供する。
SaaS(Software as a Service)は、サービスとしてのソフトウェアを意味する。これは、インターネット経由で利用できる完成されたソフトウェアアプリケーションを提供するモデルである。レストランで食事を注文するように、利用者はキッチンを購入したり、設備を設置したり、食材を準備したりすることなく、注文した食事を楽しむことができる。SaaSも同様に、プロバイダーがソフトウェアを運用および維持し、利用者は完成したアプリケーションを使用する。利用者は主に自身のアカウントとアクセス許可、設定と好み、入力またはアップロードする情報、およびアプリケーション内でのデータの利用と共有方法を管理する。プロバイダーはアプリケーションとその基盤インフラストラクチャの全てを管理する。Gmail、Microsoft 365、Salesforce、Dropboxなどがこのモデルの代表例である。SaaSは、メールの送受信、同僚との共同作業、顧客情報の管理などが必要な場合で、自らメールシステムを開発したり、顧客管理アプリケーションのサーバーを維持したりすることなく、すぐに使えるソフトウェアを求めている場合に適している。SaaSは、完成品として提供されるため、構築や維持の手間なく利用できる。
これらの違いをまとめると、利用者が管理する範囲とクラウドプロバイダーが管理する範囲に大きな差があることがわかる。IaaSは仮想インフラストラクチャに対する高い制御を提供し、PaaSはアプリケーションの構築に焦点を当て、SaaSは完成したアプリケーションの利用を提供する。サーバー管理においては、IaaSではオペレーティングシステムレベル以上が利用者の責任となることが多いが、PaaSとSaaSではほとんどがプロバイダーによって管理される。
IaaS、PaaS、SaaSの他にも、クラウドコンピューティングは多くの専門的なサービスモデルを提供している。例えば、FaaS(Function as a Service)は、サーバーを直接管理することなくイベントに応じて小さなコードを実行させるモデルであり、AWS Lambdaなどがその例である。これはサーバーレスコンピューティングと密接に関連している。DBaaS(Database as a Service)は、データベースのセットアップ、保守、バックアップ、インフラ管理をプロバイダーに任せられるマネージドデータベースサービスであり、Amazon RDSなどが含まれる。STaaS(Storage as a Service)は、独自のストレージインフラを維持することなく、ファイルを保存および取得できるインターネット経由のストレージサービスであり、Amazon S3が代表的である。NaaS(Network as a Service)は、クラウドベースのサービスを通じてネットワーク機能を提供する。AIaaS(Artificial Intelligence as a Service)は、AI機能をホストされたサービスやAPIを通じて利用できるモデルであり、Amazon Bedrockなどが例として挙げられる。これらの追加モデルは、特定の機能がサービスとして提供されるものであり、IaaS、PaaS、SaaSといった主要なモデルと重複する可能性もある。
どのクラウドサービスモデルを選択するかは、達成したい目的によって異なる。高いコンピューティング環境の制御が必要で、仮想マシンやオペレーティングシステムを構成したい場合、IaaSが適している。アプリケーションの構築とデプロイに集中し、サーバー管理の手間を減らしたい場合はPaaSが良い選択となる。そして、すぐに使えるアプリケーションが必要で、ソフトウェアを自ら構築したくない場合はSaaSが最適である。実際には、多くの組織が一つのモデルに限定せず、メールにはSaaS、自社アプリケーションのホスティングにはPaaS、特定の高度な制御が必要なワークロードにはIaaSといったように、複数のモデルを組み合わせて利用することが一般的である。
クラウドコンピューティングの理解は、サービスの種類を表す略語に囚われるのではなく、何を受け取り、何に責任を持つのかという視点から考えることで格段に容易になる。重要なのは、インフラを借りるのか、プラットフォーム上でアプリケーションを構築するのか、それとも完成したソフトウェアを利用するのかという問いを立てることである。この問いによって、日々のプロジェクトで遭遇する様々なクラウドサービスモデルを識別できるようになる。