【ITニュース解説】Building MCP Servers: Understanding Transport Layers and Core Components
2025年09月17日に「Dev.to」が公開したITニュース「Building MCP Servers: Understanding Transport Layers and Core Components」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
MCPサーバーはAIが外部システムと連携する基盤。ローカル向けSTDIO、リモート向けHTTP、リアルタイム向けSSEなど通信方法を選び、AIが実行する「ツール」、参照する「リソース」、会話を導く「プロンプト」を組み合わせ、堅牢なシステムを構築する。
ITニュース解説
Model Context Protocol(MCP)は、AIモデルが外部システムと連携する方法を革新する技術だ。MCPサーバーを構築することで、AIモデルがより高度なタスクを実行できるようになる。この解説では、堅牢でスケーラブル、そしてセキュアなMCPサーバーを実際に構築するための詳細を深掘りする。MCPサーバーを効果的に構築するには、クライアントとサーバー間の通信を可能にする「トランスポートメカニズム」と、サーバーの機能を定義する「コアコンポーネント」(ツール、リソース、プロンプト)という、二つの主要な領域を理解する必要がある。
トランスポートメカニズムは、AIモデルとMCPサーバーの間でメッセージをやり取りする通信手段だ。特定のシナリオに最適化された様々なオプションがある。
STDIOトランスポートは、AIモデルとサーバーの間に専用の通信経路を提供する。これは、クライアントがサーバープロセスを子プロセスとして起動し、標準入出力ストリームを介して直接通信する方式だ。ネットワークのオーバーヘッドがないため、レイテンシ(遅延)が非常に低く、約1ミリ秒で応答する。一つのサーバーインスタンスが一度に一つのクライアントとしか通信できないが、デスクトップアプリケーションなど、速度と信頼性が最優先される場合に理想的だ。例えば、Claude DesktopのようなローカルAIアプリ向けのツールや、高速な応答が必要な開発ユーティリティの構築に適している。
HTTPトランスポートは、MCPサーバーをウェブ上で利用可能にする。複数のAIクライアントがインターネット経由で同時にサーバーに接続できる。これはステートレスなリクエスト・レスポンスモデルで動作し、レイテンシはネットワーク状況に依存するが、一般的に10〜100ミリ秒以上となる。多数のクライアントを同時に処理できるため、ロードバランサーやリバースプロキシを使用してスケーリングが可能だ。サーバーとクライアントが異なるマシンにある場合、ウェブアプリケーションへの組み込み、チームでの共有、AWSやGoogle Cloudのようなクラウド環境へのデプロイ、監視やログ記録などのエンタープライズ機能が必要なプロダクションシステムに適している。例えば、チームで共有するデータベースクエリツールをHTTP MCPサーバーとしてクラウドにデプロイし、複数のチームメンバーがAIクライアントを通じてリモートでアクセスするようなシナリオで利用される。
Server-Sent Events(SSE)トランスポートは、サーバーからクライアントへのリアルタイムストリーミングを提供する。AIクライアントが繰り返し情報を要求するのではなく、サーバーがアクティブに更新情報をブロードキャストする。これは長期にわたるタスクの進行状況を表示するのに特に有効で、例えば大規模なデータセット処理において「10%完了…25%完了…」といった更新を送信できる。SSEはHTTP上に構築され、長時間接続を維持してサーバーからクライアントへイベントをプッシュする。レイテンシは通常100ミリ秒未満で、複数のクライアントがイベントストリームを購読できる。ファイルの処理、データ分析、モデルトレーニングなどの長時間かかる操作、リアルタイムダッシュボード、進捗状況の追跡、イベント通知などに適している。
MCPサーバーは、AIモデルに多様な機能を提供する3種類のコアコンポーネントを持つ。
ツールは、AIが実際に外部システムに対してアクションを実行するための機能だ。AIの実行能力を拡張し、ファイル検索、メール送信、画像処理など、具体的なタスクを実行させる。ツールの設計では、単一責任の原則に従い、各ツールが明確な目的を持ち、信頼性があり、明確な手順(ドキュメント)を提供することが重要だ。入力の検証とサニタイズはセキュリティ上必須で、エラー発生時には明確で具体的なエラーメッセージを返す必要がある。JSON Schemaを用いて入力の型安全と自動検証を提供し、セキュリティ上の脆弱性を防ぐためのパターン検証を含める。
リソースは、AIが参照し、読み込むことができるデータや情報だ。整理された情報群のように、AIにコンテキストを提供し、情報に基づいた意思決定を支援する。URI(Uniform Resource Identifier)パターンを使用して情報が整理されており、file://documents/readme.mdやapi://users/123/profileのように、AIが必要な情報を素早く見つけられる。リソースはAIクライアントからは読み取り専用として扱われ、ListResourcesRequestSchemaで利用可能なリソースをアドバタイズし、ReadResourceRequestSchemaでその内容を提供する。MIMEタイプを用いてコンテンツの種類を明確にし、適切な処理を可能にする。パスのトラバーサル攻撃を防ぐなど、アクセスに対するセキュリティ検証が常に必要だ。
プロンプトは、AIとの対話をガイドするテンプレートやスクリプトとして機能する。特定のタスクに対してAIを生産的な対話に導く、実績のある会話パターンを提供する。テンプレート変数を使用して動的なコンテンツを生成し、ロールベースのメッセージを含む完全な会話コンテキストを返す。プロンプトは、共通のタスクに対する標準的なワークフローを確立し、ドメイン固有の専門知識を組み込み、AIを多段階プロセスに導き、AIの対話がベストプラクティスに従うように品質を管理するために使用される。
MCPサーバーの真の力は、これらのコンポーネントが連携して動作することにある。ツールとリソースは相互に作用する。AIはツールを使ってリソースを収集・分析し、時にはツールが新しいリソースを作成することもある。例えば、コード分析ツールがファイル検査を行い、その結果として分析リソースを作成し、AIがそのリソースを読み込んでレポートを生成するようなワークフローが可能だ。プロンプトは複雑なタスクの進行を支援する。AIを問題解決へと導くためのステップバイステップの指示を提供する。例えば、「デバッグ_イシュー」というプロンプトは、関連ファイルの検索、コードの検査、ログの確認、依存関係の検証といった一連のツール使用ステップをAIに指示し、体系的な問題解決を促す。
MCPサーバーの構築には、実際の使用に耐えうる堅固な基盤(セキュリティ)と効率的なシステム(性能)が必要だ。性能最適化は、頻繁に使用される操作のキャッシュ実装などによって実現される。例えば、高コストな操作の結果を一定期間キャッシュすることで、サーバーの応答性を向上させる。セキュリティは、入力の検証とサニタイズ、不正なアクセス(パスのトラバーサルなど)の防止によって確保される。すべての入力を厳格に検証し、サーバーのリソースへのアクセスを制御することが不可欠だ。
開発チーム向けのMCPサーバーを構築するシナリオを考える。コードレビュー、プロジェクトドキュメント管理、システムヘルス監視を行うAIアシスタントが必要な場合、トランスポートには複数の開発者がアクセスするためHTTPを選択し、内部クラウドインフラにデプロイし、認証を伴うHTTPSを有効にする。コンポーネントとしては、コード分析、テスト実行、ステージングデプロイ、ドキュメント更新、システムヘルスチェック、エラーログ取得などのツール。ソースコードファイル、ドキュメントファイル、監視メトリクス、エラーログ、デプロイ履歴などのリソース。コードレビューチェックリスト、インシデント対応、リリース準備などのプロンプトを設計する。これにより、開発者はAIに「このプルリクエストをレビューして」、「システムが健全かチェックして」、「リリース準備をして」といった指示を出し、AIがこれらのツール、リソース、プロンプトを組み合わせてタスクを遂行できるようになる。
効果的なMCPサーバーの構築は、適切なツール、整理された資料、実績のある手順を備えたワークショップを設計するようなものだ。トランスポートの選択(STDIOはローカルの高速性、HTTPはリモートアクセス、SSEはリアルタイム更新)が重要であり、ツールは明確な目的を持ち、リソースは一貫したURIパターンで体系的に整理され、プロンプトは複雑なタスクの構造化されたワークフローをガイドする。常にセキュリティを優先し、入力を検証しアクセスを制御し、パフォーマンスを最適化するために高コストな操作をキャッシュすることが必要だ。最初は必要不可欠なツールとリソースから始め、実際の利用パターンに基づいて拡張していくのが良い。最高のMCPサーバーは、すべてを一度に行うのではなく、実際の問題を洗練された方法で解決するものだ。