【ITニュース解説】From Cloud through AI, a personal opinion of industry trends
2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「From Cloud through AI, a personal opinion of industry trends」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
ITインフラはオンプレミスからクラウドへ進化し、開発の自動化やセキュリティが向上した。現在はAIが新たなトレンドだが、ビジネスへの応用やコストには課題も多い。クラウドとAIを戦略的に設計し活用することが重要である。
ITニュース解説
近年のIT業界は、クラウドコンピューティングとAIという二つの大きな技術トレンドによって動いている。これらの技術がどのように進化し、システムエンジニアの仕事にどのような影響を与えているのか、その歴史と未来を解説する。
かつて、企業がITシステムを構築する際は、自社内にサーバーやネットワーク機器を設置して管理する「オンプレミス」という形態が主流であった。その後、2000年代初頭には、一台の物理的なサーバー上で複数の仮想的なコンピューターを動かす「仮想化」技術が普及し、ハードウェア資源を効率的に使えるようになった。そして2006年頃から、Amazon Web Services (AWS)を筆頭に、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP)といった「パブリッククラウド」サービスが本格的に登場した。これにより、企業は自前で高価なハードウェアを所有することなく、インターネット経由で必要な時に必要なだけコンピューティングリソースを借りられるようになった。
しかし、クラウドの登場初期は、その真価がすぐには理解されなかった。多くの人にとって、クラウドは単に「他社が管理するデータセンター」という認識であり、サービスもまだ未成熟で障害が発生することもあった。また、セキュリティに対する懸念や、コスト管理を誤って費用が想定以上に膨らんでしまうといった課題も少なくなかった。
技術が成熟するにつれて、クラウドは単なるインフラ提供サービス以上の価値を持つようになる。2013年頃に登場した「コンテナ」技術と、その管理を自動化する「Kubernetes」は、アプリケーションの開発と運用のあり方を大きく変え、現在では業界の標準的な技術となっている。さらに、サーバーの存在を意識せずにプログラムコードを実行できる「サーバーレス(Functions as a Service)」も普及し、開発者はインフラ管理の負担から解放され、より本質的な開発業務に集中できるようになった。クラウドは自動化との親和性も非常に高く、サーバーやネットワークの構成をコードで管理する「Infrastructure as Code」という手法が一般化し、迅速で標準化されたシステム構築が可能になった。
一方で、全てのシステムをクラウドに移行することが最適解とは限らない。計画なく既存のシステムをそのままクラウドに移行する「リフト&シフト」という手法では、クラウドの利点を活かせずコストが増大することもあり、一部ではオンプレミス環境にシステムを戻す「クラウド回帰」という動きも見られる。クラウドを有効活用するには、ビジネスの目標に基づいた戦略的な設計と、常にコストを意識したアーキテクチャの選択が不可欠である。
そして2022年頃、IT業界の関心は生成AIへと急速にシフトした。AIや機械学習の技術自体は以前から存在していたが、OpenAIのGPT-3.5をはじめとする高性能な生成AIが登場したことで、市場は爆発的なブームを迎えた。現在、大手IT企業はAI開発とインフラ整備に巨額の投資を行っており、その競争は激化している。この流れは開発現場にも及び、コード作成を支援する「AIコーディングアシスタント」が広く使われるようになった。しかし、AIが生成したコードの精度を完全に信頼している開発者はまだ少なく、AIに曖昧な指示を与えてコードを生成させる「vibe coding」のような手法は、セキュリティ上の脆弱性を生む危険性も指摘されている。また、AIの巨大な計算処理を支えるデータセンターは大量の電力を消費するため、環境への影響も新たな課題として浮上している。多くの企業がAIプロジェクトに着手しているものの、ビジネス上の具体的な成果に結びつかず失敗に終わるケースも少なくないのが現状だ。
今後のITインフラは、全てがクラウドに置き換わるのではなく、オンプレミスとクラウドを適材適所で使い分けるハイブリッドな形態が主流になると考えられる。古いシステムや、非常に低いネットワーク遅延が求められるシステムはオンプレミスに残り、新しいアプリケーションはクラウドの利点を活かして構築されていくだろう。AIについても、現在のブーム先行の段階から、企業の課題を具体的に解決し、収益を生み出すための実用的なツールへと進化していくことが期待される。こうした変化の中で、これからのシステムエンジニアには、特定のクラウドサービスや技術に精通しているだけでなく、複数の技術を組み合わせ、自動化を駆使し、AIツールを賢く活用できる、複合的なスキルが求められていく。