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【ITニュース解説】Kubernetes Storage Playlist - Part 1: Storage on an Amazon EKS Cluster

2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「Kubernetes Storage Playlist - Part 1: Storage on an Amazon EKS Cluster」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Kubernetesでデータを永続化するストレージの基本を解説。AWS EKSでは、PV/PVC/StorageClassという仕組みを使い、用途に応じてEBS、EFS、S3を使い分ける。手動で用意する静的プロビジョニングと、自動化された動的プロビジョニングの方法がある。

ITニュース解説

Kubernetes環境でアプリケーションを稼働させる際、ストレージの設計は最も重要な要素の一つである。Webサーバーのような状態を持たない「ステートレス」なアプリケーションは、再起動やスケールが容易だが、データベースやコンテンツ管理システム(CMS)のようにデータを永続的に保存する必要がある「ステートフル」なアプリケーションでは、データの消失を防ぎ、安定した運用を続けるためにストレージの仕組みを正しく理解することが不可欠となる。

Kubernetesは、ストレージ管理を抽象化する機能を提供する。これは、開発者が物理的なディスクやファイルシステムを直接操作するのではなく、YAMLという形式の設定ファイルに「これくらいの容量のストレージが必要」といった要件を記述するだけで、Kubernetesが裏側で適切なストレージを準備し、アプリケーションに接続してくれる仕組みである。この便利な仕組みは、主に3つの要素で構成されている。一つ目は「Persistent Volume(PV)」で、これはクラスタ内に確保された実際のストレージ領域そのものを指す。PVは、アプリケーションを実行するコンテナ(Pod)とは独立して存在するため、コンテナが再起動したり削除されたりしてもデータは保持され続ける。二つ目は「Persistent Volume Claim(PVC)」で、これはアプリケーション側からのストレージ利用要求である。開発者はPVCに、必要なストレージのサイズやアクセス方法(一つのコンテナからのみ書き込む、複数のコンテナから同時に読み書きするなど)を定義する。Kubernetesは、このPVCの要求に合致するPVを見つけて自動的に結びつける。三つ目は「StorageClass(SC)」である。これは利用可能なストレージの種類を定義したもので、例えば「高速なSSDタイプ」や「安価で大容量なHDDタイプ」といった性能や特性のカタログのような役割を果たす。StorageClassを利用することで、PVCが要求されるたびに動的にPVを自動作成する「動的プロビジョニング」が可能になり、管理者の手間を大幅に削減できる。

Amazon Web Services(AWS)が提供するマネージドKubernetesサービスであるAmazon Elastic Kubernetes Service(EKS)では、これらの仕組みとAWSの強力なストレージサービスをシームレスに連携させることができる。代表的な選択肢として3つが挙げられる。まず「Amazon Elastic Block Store(EBS)」は、個々のサーバーに接続する仮想的なハードディスクのようなブロックレベルのストレージである。高速な読み書き性能が求められるリレーショナルデータベースなどに適しているが、一つのアベイラビリティゾーン(AZ)と呼ばれる物理的に隔離されたデータセンターの区画に紐づくため、そのAZで障害が発生すると利用できなくなるという制約がある。次に「Amazon Elastic File System(EFS)」は、複数のサーバーから同時にアクセスできるネットワークファイルシステムである。複数のコンテナでファイルを共有する必要があるCMSや、機械学習のトレーニングデータ置き場などに最適である。EFSは複数のAZにまたがってデータを保持するため、高い可用性を実現できる。そして「Amazon S3」は、画像やログ、バックアップといった大量のデータをオブジェクト単位で保存するためのストレージサービスである。従来のファイルシステムとは異なるが、CSI(Container Storage Interface)ドライバという仕組みを通じてKubernetesと連携させることができ、非常に高い耐久性とスケーラビリティを誇る。

EKSでこれらのストレージをアプリケーションに提供する方法には、主に2つのパターンがある。一つは「静的プロビジョニング」である。これは、管理者が事前にAWS上でEBSボリュームなどを作成し、それに対応するPVを手動でKubernetesに登録しておく方法である。アプリケーションはPVCを使って、このあらかじめ用意されたPVに接続する。この方法は管理者がすべてを厳密に制御できる利点があるが、手作業が多く、拡張性に欠ける。もう一つは「動的プロビジョニング」で、こちらが現在主流の方法である。StorageClassを利用し、アプリケーションがPVCを要求したタイミングで、KubernetesがCSIドライバを通じて自動的に対応するAWSストレージリソースをプロビジョニングする。これにより、管理者の介入なしに、迅速かつ柔軟にストレージを確保できる。

EKSでストレージを効果的に利用するためには、いくつかの実践的な指針がある。まず、アプリケーションの特性に合わせて最適なストレージタイプを選ぶことが重要である。高速性が求められるデータベースにはEBS、ファイル共有が必要ならEFS、大量のアーカイブデータにはS3といった使い分けが基本となる。また、EBSは単一AZに依存するため、可用性を重視するならEFSやS3の利用を検討する必要がある。セキュリティ面では、IAMロールをサービスアカウントに割り当てるIRSAという仕組みを使い、コンテナごとに必要最小限の権限でストレージにアクセスさせることが推奨される。さらに、AWS CloudWatchなどのツールでストレージの性能を監視し、アプリケーションの要求を満たしているかを確認し、コストも意識しながら最適な構成を維持することが求められる。

結論として、Kubernetesにおけるストレージ管理は、PV、PVC、StorageClassという抽象化された仕組みによって、開発者にとってシンプルかつ宣言的に行えるようになっている。特にAmazon EKSでは、EBS、EFS、S3といったAWSの強力なマネージドストレージサービスと連携することで、アプリケーションの要件に応じた柔軟で信頼性の高いストレージ基盤を構築できる。この仕組みを理解し活用することで、データの永続性、パフォーマンス、可用性を確保しながら、アプリケーションを効率的にスケールさせることが可能になるのである。

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