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POSIX(ポシックス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

POSIX(ポシックス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ポシックス (ポシックス)

英語表記

POSIX (ポシックス)

用語解説

POSIXは「Portable Operating System Interface」の略で、オペレーティングシステム(OS)が提供する機能やインターフェースに関する標準規格群を指す。これは、主にUnix系OSの異なるバージョンやベンダー間でプログラムの互換性を高め、移植性を確保するために、IEEE(米国電気電子学会)によって策定された国際的な標準である。プログラマが特定のOSに依存しない形でソフトウェアを開発できるよう、共通のルールを定めている。これにより、あるPOSIXに準拠するUnix系OS上で開発したプログラムを、大きな変更を加えることなく、POSIXに準拠する別のUnix系OS上で動作させることが可能になる。POSIXは、異なるシステム間でのアプリケーションの動作を保証するための基本的な枠組みを提供する、非常に重要な標準である。

POSIXは、プログラマが利用するOSの機能や、ユーザーが利用するシェル環境、コマンドラインツールなど、多岐にわたる側面を標準化している。その中核をなすのは、C言語で記述されたアプリケーションプログラムがOSの機能を利用するためのAPI(Application Programming Interface)の定義である。例えば、ファイルの読み書きを行うopen()read()write()close()といったシステムコールや、プロセスやスレッドの生成・管理を行うfork()exec()pthread_create()、メモリ管理を行うmalloc()free()、あるいはシグナル処理に関する関数などがPOSIX APIとして標準化されている。これらのAPIは、Unix系OSの主要な機能に対応しており、POSIX準拠のOSであれば、ほぼ同じ名前と動作で利用できるため、開発者は特定のOSの差異を意識することなく、標準的なインターフェースを通じてOSの機能を利用できる。

また、POSIXはシェルとユーティリティについても標準を定めている。例えば、コマンドラインでプログラムを実行したり、ファイル操作を行ったりするために使われるシェル(sh)の文法や、ls(ファイル一覧表示)、cp(ファイルコピー)、mv(ファイル移動)、grep(文字列検索)、awk(テキスト処理)といった基本的なコマンドの動作、オプション、出力形式なども含まれる。これにより、システム管理者やスクリプト開発者は、異なるPOSIX準拠のUnix系OS環境でも同じコマンドやシェルスクリプトを期待通りに実行できるため、運用や自動化の効率が向上する。

POSIXに準拠するメリットは非常に大きい。システム開発者は、特定のOSベンダーに縛られずにアプリケーションを開発でき、異なるOS環境への移植にかかる時間とコストを大幅に削減できる。これは、開発の効率化だけでなく、システムの柔軟性や拡張性にも寄与する。企業は、複数のベンダーのOSを混在させるシステムでも、一貫した開発・運用が可能になり、ベンダーロックインのリスクを低減できる。

主要なUnix系OSであるLinuxディストリビューション、macOS、Solaris、FreeBSDなどのBSD系OSは、ほとんどがPOSIXに準拠しているか、POSIX互換性を強く意識して設計されている。そのため、これらのOS上で動作するソフトウェアは、特別な対応なしに別のPOSIX準拠OSへ移植できることが多い。一方、Microsoft Windowsは歴史的にPOSIXとは異なる独自のAPIを提供してきたが、近年ではWSL(Windows Subsystem for Linux)の登場により、Windows上でもLinux環境を動かし、POSIX準拠のアプリケーションを実行できるようになっている。

POSIXは単一の文書ではなく、複数のサブ標準からなる。例えば、リアルタイムシステム向けの拡張を定義した「POSIX.1003.1b」や、スレッド機能に関する「POSIX.1003.1c」などがある。これらの標準は、IEEEによって定期的に見直され、必要に応じて更新されている。システムエンジニアが開発する上で、POSIXの存在は、異なるOS環境での動作保証や、移植性の高いコードを書くための重要な基盤となる。今日のマルチプラットフォーム環境におけるシステム開発において、POSIXへの理解は不可欠な知識と言える。

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