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【ITニュース解説】Gleam: The New Functional Language Developers Actually Want to Use

2025年09月19日に「Dev.to」が公開したITニュース「Gleam: The New Functional Language Developers Actually Want to Use」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Gleamは、高い評価を受ける新しい関数型プログラミング言語だ。ErlangとJavaScriptにコンパイルでき、静的型付けとシンプルさが特徴。短時間で習得でき、型安全で信頼性の高いシステム開発に向いているため、今後のシステムエンジニアに注目される。

ITニュース解説

Gleamは、近年ソフトウェア開発の世界で大きな注目を集めている新しいプログラミング言語の一つだ。特に、2025年のStack Overflow開発者調査では、開発者から最も高く評価された言語ランキングでRustに次ぐ2位となる70%もの高い評価を獲得した。これは、Gleamが最初の安定版リリースからわずか10ヶ月で達成した驚くべき成果であり、この言語が単なる学術的な試みではなく、開発者が実際に使いたいと感じる実用的な関数型プログラミング言語として評価されている証拠だ。Gleamは、開発者が生産性や既存のシステムとの相互運用性を犠牲にすることなく、プロジェクトに導入できる実用的なアプローチを提供している。

Gleamは、静的型付けを採用した関数型プログラミング言語であり、Erlang仮想マシン (BEAM) とJavaScriptの両方にコンパイルできるというユニークな特徴を持つ。BEAMは、非常に高い信頼性と可用性を持つシステムを構築するために設計されたプラットフォームで、WhatsAppのような世界規模のメッセージングサービスを支える堅牢な基盤として知られている。Gleamは2016年にLouis Pilfoldによって開発が始められ、Erlangの持つ実績あるランタイムの信頼性と、現代的な型安全性、そして開発者にとって使いやすい体験を融合させている。この言語設計の核となる思想は「シンプルさ」にあり、PilfoldはGleamが「午後ひとつで学べる」ほど小さく、しかしスケーラブルで耐障害性の高いシステムを構築するのに十分な強力さを持つように設計した。

Gleamの主な特徴はいくつかある。まず、「複雑さのない型安全性」が挙げられる。Gleamの静的型システムは、コードが実行される前にコンパイル時に多くのプログラミング上の誤りを検出する。これにより、プログラムの実行中に発生する予期せぬエラー、特に他の多くの言語で頻繁に見られる「nullポインタ例外」のような問題が大幅に減少し、開発者はより信頼性の高いコードを安心して書ける。次に、「BEAMエコシステムとの統合」も重要な特徴だ。GleamがErlang仮想マシン上で動作するということは、ErlangやElixirといった既存のBEAM言語が長年培ってきた、実績ある並行処理(複数のタスクを同時に実行する能力)のモデルを直接利用できることを意味する。BEAMの並行処理は、何百万もの軽量なプロセスを効率的に管理する能力で有名であり、大規模で分散されたシステムを構築する上で非常に強力な基盤となる。また、既存のErlangやElixirの豊富なライブラリとスムーズに連携できるため、Gleamを利用する開発者は広範な既存資産を活用できる。さらに、「JavaScriptへのコンパイル」もGleamを特徴づける点だ。多くのBEAM系の言語とは異なり、GleamはJavaScriptへのコンパイルをサポートしているため、開発者は同じ関数型プログラミングの考え方を使いながら、バックエンドだけでなくフロントエンドのウェブ開発も行えるようになる。これは、ウェブアプリケーション全体を一つの言語で記述したいチームにとって大きなメリットとなる。最後に、「パターンマッチング」という機能がある。これは、異なる種類のデータ構造や値に応じて、プログラムが異なる動作をするように記述するための強力な方法だ。Gleamのパターンマッチングは「網羅的」であるため、考えられる全てのケースがコードで適切に処理されていることをコンパイル時に保証する。これにより、コードの信頼性が向上し、将来的なコードの変更(リファクタリング)もより安全に行える。

関数型プログラミングが現代において注目されるのは、単なる技術的な好みだけでなく、実用的な必要性からきている。システムがますます複雑化し、インターネットを介して分散されるようになるにつれて、プログラムの振る舞いを予測し、理解することが難しくなっている。関数型プログラミングが重視する「不変性」(一度作成されたデータは変更されないこと)と「純粋関数」(同じ入力に対して常に同じ出力を返し、外部に一切影響を与えない関数)は、このような現代の課題に対して非常に有効な解決策を提供する。不変データ構造は、複数の処理が同時に同じデータを変更しようとする際に発生する「競合状態(レースコンディション)」といった、並行処理における典型的な問題を防ぐのに役立つ。純粋関数は、並列に実行したり、異なるサーバーに複製したりすることが容易であり、分散システムとの相性が良い。また、関数が常に予測可能な入力と出力を持つため、プログラムの一部が正しく動作するかどうかを確認する「単体テスト」が格段に簡素化される。不変性により、プログラムの各部分が互いに予期せぬ副作用を与え合うことが少なくなるため、システムの保守性も向上する。Gleamは、BEAM仮想マシンの優れた並行処理モデルを最大限に活用し、これらの関数型プログラミングの利点を生かして、スケーラブルで耐障害性の高いシステムを構築するのに特に適している。

Gleamを他の主要なプログラミング言語と比較することで、そのユニークな立ち位置がより明確になる。 例えば、同じBEAM仮想マシン上で動作する「Elixir」との比較では、Elixirは動的型付け言語であり、型に関するエラーが実行時まで検出されない可能性がある。一方、Gleamは静的型付けを採用しており、デプロイ前にコンパイル時にエラーを捕捉できるため、高い信頼性を重視するチームにとっては大きな利点となる。 「Rust」との比較では、Rustはその卓越した安全性で最高の評価を得ているが、その学習曲線は非常に急であり、習得には時間がかかるとされている。Gleamは、Rustが提供する低レベルでの厳密な制御の一部を犠牲にする代わりに、学習の速さと開発速度の向上を実現する。 「Go」と比較すると、両者ともにシンプルさを重視しているが、そのアプローチは異なる。Goは命令型プログラミングでシンプルさを追求するが、Gleamは関数型アプローチにより不変性を活用して特定の種類のバグを根本的に排除する。Goのゴルーチンは優れた並行処理能力を提供するが、共有状態の管理には開発者の注意が必要であるのに対し、GleamはBEAMから継承したActorモデルにより、手動での同期管理といった認知的な負担なしに並行プログラミングを実現する。 「TypeScript」との比較では、TypeScriptはJavaScriptの広大なエコシステムに静的型付けをもたらしたが、JavaScriptの実行時の振る舞いや潜在的な問題点の一部は依然として残る。GleamはJavaScriptにコンパイルされる際に、関数型パラダイムが組み込まれているため、nullやundefinedといったエラーの根本的な排除や網羅的なパターンマッチングを提供する。

Gleamは、すでに大規模なエコシステムと確立されたツールチェーンを持つ既存の言語との競争という課題に直面しているが、長期的な保守性を優先する全く新しいプロジェクト(グリーンフィールドプロジェクト)においては大きな強みを発揮する。企業がGleamを評価する際、Gleam開発者はまだ希少だが、言語の学習しやすさから既存の開発者が比較的迅速に言語を習得し、プロジェクトに移行できる可能性がある。リスク管理の観点からは、BEAMとJavaScriptの両方へのコンパイルが可能であるため、デプロイの柔軟性が高い。また、Gleamは実用的な相互運用性を重視しているため、既存のインフラストラクチャを全て書き換えることなく、Gleamを段階的に既存システムに統合することも可能だ。

Gleamの高い評価は、単なる新しさへの魅力だけではない。これは、現代のソフトウェア開発を再構築するいくつかの重要なトレンドがGleamに収束していることを示している。現代の開発では、複数の言語を組み合わせてシステムを構築する「多言語チーム」が増加しており、GleamがBEAMとJavaScriptの両方にコンパイルできる能力は、一つの言語で複数のデプロイターゲットをカバーできるため、チームにとって非常に有利だ。また、開発チームは、迅速な機能提供よりもシステムの「信頼性」を優先する傾向が強まっており、Gleamのコンパイル時保証は、本番環境での問題発生を防ぐというこのトレンドと完全に一致する。さらに、AIアシスト開発が開発ワークフローに不可欠になるにつれて、関数型プログラミングの持つ予測可能なパターンは、AIシステムがコードを理解し、信頼性の高いコードを生成するのに役立つと期待されている。そして、クラウドネイティブアプリケーションは、従来のモノリシックなシステムとは異なる並行処理モデルを必要とするが、GleamのActorモデルは、共有状態のアプローチよりもスケーラブルな分散システム構築に適しており、クラウドネイティブ開発において大きな利点となる。

Gleamの発展は、オープンソースを通じたコラボレーションによっても推進されている。Gleamの標準ライブラリやGleam OTPといったオープンソースプロジェクトは、関数型パラダイムを用いた堅牢なシステム構築の具体的な例を示している。関数型プログラミングの不変データ構造は、複数の開発者が同時にコードを変更する際の「マージ競合」を減らし、網羅的なパターンマッチングはコードレビューをより予測可能にするなど、チームコラボレーションにもメリットをもたらす。現代の開発チームにとって、構造化されたコードレビューと開発環境間でのシームレスな統合をサポートするコラボレーションプラットフォームは不可欠であり、関数型プログラミングの原則は、このような効率的なチームワークを自然に促進する。

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