【ITニュース解説】The best microSD cards for the Nintendo Switch 2
2025年12月26日に「Engadget」が公開したITニュース「The best microSD cards for the Nintendo Switch 2」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Nintendo Switch 2のストレージ拡張には、高速・高価なmicroSD Expressカードが必要だ。従来のmicroSDとは異なる規格で、現時点では選択肢も少ない。各種Expressカードをテストした結果、ゲーム中のロード時間に大きな差はないため、在庫があり最も安価なものを購入するのが現実的だ。本体ストレージが最速である点も覚えておこう。
ITニュース解説
Nintendo Switch 2(ニンテンドー スイッチ2)の登場により、ストレージ拡張の選択肢として「microSD Expressカード」という新しい規格が必要になった。従来のmicroSDカードとは異なり、この新しい規格はSwitch 2の高性能化に対応するために不可欠である。システムエンジニアを目指す初心者にとって、この規格の進化とそれがもたらす影響を理解することは、今後のストレージ技術を学ぶ上で役立つだろう。
まず、従来のmicroSDカードについて説明する。これまで市場に出回っていたほとんどのmicroSDカードは「Ultra High Speed(UHS)」という規格に基づいている。最も普及している「UHS-I」は1列のピンを持ち、理論上の最大データ転送速度は1秒あたり104メガバイト(MB/s)だった。初代Switchや多くの携帯ゲーム機、スマートフォンなどで利用されてきたのがこのタイプである。より高速な「UHS-II」は2列のピンを持ち、最大312 MB/sを実現し、一部の高性能カメラやゲーム機(ASUS ROG Ally Xなど)で使われている。「UHS-III」は理論上さらに速いが、実際に製品化されたカードはほとんどないのが現状だ。これらのカードは安価で広く普及しているが、次世代のSwitch 2が求める性能には十分ではない。
Switch 2は初代機よりも劇的に高性能になり、PlayStation 5やXbox Series Xといった据え置き型ゲーム機向けに開発されたような、グラフィックがリッチでデータ量の多いゲームも動かせるようになった。また、本体の内部ストレージには、初代Switchが採用していたeMMCよりもはるかに高速な「UFS 3.1」という規格が使われている。このような高速な内部ストレージと、大規模なゲームデータを扱う必要性から、Switch 2は、外部ストレージであっても性能の低下を最小限に抑えられる新しい規格を必要とした。
そこで登場したのが「SD Express」という規格である。これは2018年には発表されていたものの、Switch 2の登場によって初めて広く注目されることになった。microSD ExpressカードもUHS-IIと同様に2列のピンを持つが、その大きな違いは「PCI Express(PCIe)/NVMe」というインターフェースを採用している点にある。これは、現代の高性能なSSD(ソリッドステートドライブ)で使われているのと同じ基盤技術であり、これによりmicroSD Expressカードは従来のmicroSDカードを大きく上回る転送速度、理論上は最大985 MB/sの速度を出すことが可能になる。ただし、実際のゲームでの使用や、長時間の連続書き込みなどでは、この理論値には及ばない場合が多いことを理解しておく必要がある。例えば、高性能なカードでも連続書き込み速度が低下することが報告されている。それでも、従来のUHS-Iカードと比較すれば、読み書き速度は数倍向上しており、ゲームのロード時間短縮や、データの一括コピーなどの処理において大きなメリットがある。
実際に、SanDisk、Lexar、Samsung、PNYといった主要メーカーから発売されている複数のmicroSD ExpressカードをSwitch 2でテストした結果、いくつかの興味深い点が明らかになった。多くのゲームを対象に、ゲームのロード時間やセーブデータの読み込み、マップ間のファストトラベルなどの速度を測定したところ、ほとんどのカードでゲーム内のパフォーマンスに大きな違いは見られなかった。例えば、「Mario Kart World」のロードはどのカードも18〜20秒程度、「Cyberpunk 2077」の特定のセーブデータロードも26〜29秒程度と、ストップウォッチを使って比較しない限り、体感で差を感じるのは難しいレベルであった。ただし、比較的安価なOnnカードだけは、一部のタスクで他のカードよりもわずかに遅い傾向が見られた。
一方、ゲームデータをSwitch 2本体の内部ストレージとmicroSD Expressカード間で移動させる速度については、カードごとの差がより顕著に現れた。例えば、「Mario Kart World」(約21.9GB)をカードに書き込む際、SanDiskのカードは平均4分39秒かかったが、PNYのカードでは7分11秒かかるなど、約3分近くの差があった。これは、カードが持つ「シーケンシャルライト(連続書き込み)性能」の違いによるものだ。特に、SanDiskの128GBモデルでは、大容量モデルに比べて書き込み速度が大幅に低下する傾向が確認されており、容量選択時には注意が必要である。データ移動の速度は、ゲームを頻繁に入れ替えたり、本体からカードへ移行させたりするユーザーにとっては重要な要素となるだろう。
しかし、これらのテスト結果から導かれる最も重要なアドバイスは、ゲームをプレイする上での実際の体験において、microSD Expressカード間の速度差はそれほど大きくないということである。本体の内部ストレージが最も高速であることは確かだが、外部カード間で比較した場合、体感できるほどの性能差はほとんどないのが現状だ。
したがって、Switch 2用のmicroSD Expressカードを選ぶ際の最優先事項は、速度よりも「容量」と「価格」である。そして、何よりも「入手可能であること」が重要だ。Switch 2向けのmicroSD Expressカードはまだ市場に出回って日が浅く、種類も限られており、特に発売当初は在庫が不安定な状況が続いた。安価なモデルほど品切れになりやすい傾向が見られる。
購入を検討する際には、「EX」というロゴが印刷されていることを必ず確認し、従来のmicroSDカードの「Extreme」といった名称と混同しないよう注意が必要である。価格は容量によって異なり、従来のmicroSDカードと比べると依然として高価である。例えば、Samsungの一般的なmicroSDカードが1TBで約95ドルであるのに対し、microSD Expressの1TBモデルは約190〜220ドルと、倍近い価格設定になっている。
将来的には価格が下落する可能性も十分にあるため、すぐに大容量が必要でなければ、購入を少し待つという選択肢もある。しかし、現在の世界的な半導体供給不足や関税の問題を考慮すると、必要な容量を早めに確保することも合理的だ。まずはSwitch 2本体に内蔵されている256GBのストレージを最大限に活用し、それでも足りなくなった場合に、在庫があり、かつ予算に見合った容量のmicroSD Expressカードを購入するのが賢明な選択と言える。Switch 2は理論上2TBまでのカードに対応しているが、現在のところ1TBモデルが市場に出始めたばかりであり、今後の高容量カードの登場が期待される。