【ITニュース解説】GitHub Actions runners ranked by speed and cost per job (October 2026)
2026年10月27日に「Dev.to」が公開したITニュース「GitHub Actions runners ranked by speed and cost per job (October 2026)」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
GitHub Actionsの実行環境について、速度と1ジョブあたりの費用を比較したベンチマーク結果が公開された。処理速度はVitko Runnersが最速で、1ジョブあたりの費用ではRunsOnが最も安価という結果に。プロジェクトに最適な環境選びの参考になる。
ITニュース解説
GitHub Actionsは、ソフトウェア開発の現場で非常に重要な「継続的インテグレーション(CI)」と「継続的デリバリー(CD)」を実現するための強力なツールである。CI/CDとは、開発者が書いたコードを自動的にテストし、問題がないことを確認した上で、新しい機能や修正を速やかに本番環境へ反映する一連の仕組みを指す。このプロセスを自動化することで、ソフトウェア開発はより迅速かつ高品質に進められる。
GitHub Actionsでは、CI/CDの各種タスクを実行するために「ランナー」と呼ばれる仮想的な実行環境が使われる。このランナーの性能やコストは、プロジェクト全体の開発効率や費用に直結するため、どのランナーを選ぶかは開発者にとって重要な判断材料となる。今回、CI Benchというオープンなベンチマークを用いて、様々なGitHub Actionsランナーの速度と1ジョブあたりのコストを比較した興味深い結果が発表された。このベンチマークは、2026年10月7日から11日にかけて実施され、オープンソースプロジェクトから選ばれた12種類の実際のCIジョブ(例えば、fd、flask、guava、pydantic、vite、vueといった有名プロジェクトのCIジョブ)を使って、公平な比較が行われた。
測定対象となったランナー構成は、大きく分けて3種類ある。一つは「GitHub-hosted」と呼ばれる、GitHubが公式に提供するランナーだ。これには、一般的なubuntu-latest(仮想CPUが2つ)と、より高性能な4仮想CPUを持つ大型ランナーが含まれる。次に「Managed services」は、Vitko Runners、Blacksmith、Ubicloudのように、専門のサービスプロバイダーが提供するランナーだ。Vitko Runnersには、タスクをより効率的に開始する「ウォームスタート」や、テストを分割して並行実行する機能を持つ構成も含まれている。ウォームスタートとは、ランナーがすでに起動した状態で待機しており、ジョブが開始される際の初期セットアップ時間を短縮する技術だ。テスト分割は、大量のテストを複数のランナーに振り分けて同時に実行することで、全体のテスト時間を短縮する仕組みを指す。最後に「Self-hosted」は、ユーザー自身がサーバーを用意して運用するランナーを指す。今回のベンチマークでは、RunsOnというサービスと、Google CloudやAWSといったクラウドプラットフォーム上に自分たちで構築したランナーが比較対象となった。
まず、ランナーの実行速度について、最も一般的なubuntu-latestランナーを基準(速さを1.0倍とする)として比較した結果を見てみよう。最も速かったのは、ウォームスタートとテスト分割機能を活用したVitko Runnersで、基準の2.3倍も速いという驚くべき結果を示した。これは、起動時間を短縮したり、複数のテストを同時に実行したりすることで、トータルの実行時間を大幅に削減できたことを意味する。次に速かったのは、通常のVitko Runnersで1.7倍、続いてGitHub-hostedの大型ランナー(4仮想CPU)とBlacksmithがともに1.6倍の速さで続いた。自己ホスト型のGoogle Cloud環境も1.5倍と健闘している。この速度ランキングは、複数の異なるジョブを対象に、その実行時間の平均的な速さを測ったものであり、プロジェクトのCI/CD時間を短縮したい場合に非常に参考になるだろう。ただし、特定の複雑な処理(バースト的な負荷がかかるジョブや、特定のフレームワークを使ったジョブ)では、ランキングとは異なる結果が出る場合もあるため、自身のワークロードに最適なランナーは何か、個別に確認することも重要だ。
次に、1ジョブあたりのコストについて比較した結果だ。ランナーの料金は1分あたりで決まることが多いが、速いランナーは早くジョブを終えるため、結果として1ジョブあたりのコストが安くなる可能性がある。このベンチマークでは、月間10万ジョブという大量の実行を想定し、公表されている料金(リスト価格)に基づいて計算されている。最もコスト効率が良かったのは、RunsOn(自己ホスト型)で、基準のubuntu-latestと比較して88%もコストを削減できるという結果になった。次いでVitko Runners(ウォームスタート・テスト分割機能付きも含む)が84%のコスト削減を達成している。Ubicloudも83%削減と非常に優秀だ。自己ホスト型のAWSやGoogle Cloudも、それぞれ62%と59%のコスト削減が見られた。一方で、GitHub-hostedの大型ランナー(4仮想CPU)は、速度は速いものの、1ジョブあたりのコストは基準よりも39%高くなるという結果になった。これは、高性能なランナーほど利用料金も高くなる傾向があるためだ。また、自己ホスト型のコストは、その運用規模によって大きく変動する点にも注意が必要だ。例えば、RunsOnは月間10万ジョブであれば大幅なコスト削減になるが、月間1,000ジョブのような小規模な運用では、固定費が相対的に高くなるため、逆に43%高くなる場合もある。つまり、コスト効率は利用量に大きく左右されるということだ。
今回のベンチマーク結果は、GitHub Actionsのランナー選びにおいて非常に価値ある情報を提供するが、いくつかの留意点もある。このベンチマークで測定された12種類のワークロードが、あなたのプロジェクトのワークロードと全く同じであるとは限らない。そのため、この結果はあくまで参考として捉え、自身のプロジェクトの特性や要件に合わせて最適なランナーを検討することが重要だ。また、Depot、Namespace、WarpBuildといった他の優れたサービスプロバイダーは、今回のベンチマークには含まれていない。市場には多様なランナーが存在し、それぞれに特徴がある。さらに、ここに示された価格は特定の時点での公表価格に基づいており、価格は常に変動する可能性があることも覚えておく必要がある。このベンチマークの測定方法や生データは全て公開されており、誰もが検証したり、自身の構成を提出したりできる透明性の高い取り組みだ。
システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このようなCI/CDの最適化は、効率的な開発プロセスを構築するために不可欠な知識である。GitHub Actionsランナーの速度とコストに関するこの詳細な分析は、技術選定の際に非常に役立つだろう。自身のプロジェクトの要件と予算に合わせて、最適なランナーを選び、よりスムーズで迅速なソフトウェア開発を実現してほしい。