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【ITニュース解説】Here's how EventVPN is different from other free VPNs

2025年09月23日に「Engadget」が公開したITニュース「Here's how EventVPN is different from other free VPNs」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

EventVPNはExpressVPNと同基盤の新無料VPN。無制限帯域やキルスイッチなど高機能を無料提供する。ユーザーデータを保存しない独自のプライバシー保護が特徴だが、無料版は広告が表示される。他の無料VPNとの差別化点だ。

ITニュース解説

VPN、つまり仮想プライベートネットワークは、インターネット上で安全な通信を確立するための技術だ。インターネットは開かれた空間なので、通信内容が悪意ある第三者に覗かれたり、盗まれたりする危険性がある。VPNを使うと、自分のデバイスとインターネット上のVPNサーバーの間に暗号化された「仮想のトンネル」を作り、通信内容を保護できる。これにより、公共のWi-Fiでも安全にインターネットを使ったり、自分の居場所を隠してアクセス制限を回避したりすることが可能になる。

多くの人がVPNを無料で使いたいと考えるが、無料VPNサービスには注意が必要だ。VPNの運営には費用がかかるため、無料サービスの中には、ユーザーの通信データや個人情報を収集し、それを広告主に販売したり、悪用したりすることで利益を得ているものも少なくない。つまり、無料サービスと引き換えに、ユーザー自身が「商品」になってしまうケースがあるのだ。そのため、無料VPNを選ぶ際には、そのサービスの信頼性やプライバシーポリシーを慎重に確認することが重要となる。

今回登場した「EventVPN」は、そんな無料VPNの状況に一石を投じるサービスだ。このVPNは、人気VPNサービス「ExpressVPN」と同じ開発チームが、同社のインフラ(基盤システム)を使って構築した、いわば兄弟ブランドである。2023年9月18日にiOSとmacOS向けに提供が開始された。

EventVPNの大きな特徴は、無料版でありながら「無制限の帯域幅」を提供している点だ。多くの無料VPNがデータ量や速度に制限を設ける中、これは珍しい。さらに、ExpressVPNで定評のある「キルスイッチ」機能や、「耐量子WireGuardプロトコル」といった先進技術を継承している。「キルスイッチ」とは、VPN接続が切れた場合にインターネット接続を自動遮断し、通信内容の漏洩を防ぐ重要なセキュリティ機能だ。「WireGuardプロトコル」は高速かつ安全性の高いVPN通信規約であり、「耐量子」技術は将来の量子コンピューターによる攻撃にも対抗できるような、最先端の暗号技術が組み込まれていることを意味する。

EventVPNには無料プランと有料プランがある。無料ユーザーは世界35か所のサーバーロケーションを利用でき、1台のデバイスから接続が可能だ。有料ユーザー(月額9.99ドル、年額69.99ドル)は、より多くの125か所のサーバーロケーションと、最大8台の同時接続が利用できる。

しかし、EventVPNが他の無料VPNと一線を画す最大の注目点は、その「プライバシー保護の仕組み」にある。多くのVPNサービスが、ユーザーがアカウントを作成した際に、何らかのユーザー情報を自社のシステム(バックエンドシステム)に保存している。これは、ログイン管理やサービス利用状況の追跡に必要とされてきた。だが、EventVPNは「ユーザーデータバックエンドを一切持たない」という非常に珍しい設計を採用している。

具体的には、EventVPNはユーザーのアカウント管理や接続に必要な認証トークンを「Apple ID認証」を通じて行い、EventVPN自体のサーバーにはユーザーの情報を一切保存しない。これは、EventVPN側が「このユーザーが誰で、いつ、どのような通信をしたか」といった情報を記録したり、参照したりする仕組みがないことを意味する。もちろん、Apple ID自体はユーザー情報と紐づいているため、Appleからのデータ漏洩リスクはゼロではないが、EventVPNの設計としては、EventVPNが意図的に、あるいはシステム的な脆弱性からユーザー情報を販売したり、外部に流出させたりすることが「理論的に不可能」となる大きなメリットがある。

これは、VPNプロバイダーが「ユーザーの活動ログを残しません」と公言しても、ユーザー側がそれを完全に信用しきるのは難しいという問題に対する、具体的な解決策の一つだ。「RAM-onlyサーバー」(電源を切るとデータが消える一時的なメモリ上で稼働するサーバー)を採用するVPNサービスと同様に、EventVPNのこのアプローチは、サービス提供元が「言っていることを守るだろう」という信頼に依存せず、システム設計によってプライバシー保護を保証しようとする先進的な試みと言える。ExpressVPNも明確なプライバシーポリシーを遵守している実績があるため、EventVPNも同様の姿勢で臨むことが期待される。

ただし、この高いプライバシー保護には代償も伴う。EventVPNの無料プランを利用する場合、ユーザーは広告を視聴する必要がある。試用テストでは、VPNに接続するたびに30秒の広告が1回、そして切断するたびにまた1回、表示されたという。有料プランも存在するサービスで広告が表示されるのは、ユーザーによっては煩わしく感じるかもしれない。特に、Proton VPNの無料版やhide.me、Windscribe、TunnelBearといった、同等に優れた他のフリーミアムVPNサービスの中には、広告を一切表示しないものもあるため、この点はEventVPNの弱点となりうる。

EventVPNが表示する広告は「匿名化」されているという配慮はある。これは、広告主に対してユーザーの実際の情報ではなく、匿名化された識別子(ユーザーを特定できない記号)だけを提示することで、広告配信によるプライバシー侵害のリスクを減らす仕組みだ。

まとめると、EventVPNは、ユーザーをデータ収集の対象とする悪質な無料VPNと比較すれば、はるかに優れた選択肢であることは間違いない。特に、ユーザーデータバックエンドを持たないという革新的な設計は、システムレベルでのプライバシー保護を追求する点で高く評価できる。しかし、無料プランにおける広告表示は、Proton VPNやhide.me、Windscribeといった、広告なしで同等のプライバシー保護を提供する他の優れたフリーミアムVPNサービスと比べると、一歩劣る点だと言える。もし、ExpressVPNの利用経験が良く、その性能に満足しているユーザーであれば、EventVPNを無料で利用できるバックアップのVPNサービスとして検討する価値はあるだろう。そうでなければ、現時点では広告表示のない他の選択肢の方が、より快適に利用できる可能性が高い。EventVPNは、VPNのセキュリティとプライバシーに対する意識を深める上で、非常に興味深いサービスの一つである。

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