【ITニュース解説】Web Components in Angular: The Good and Bad of Web Components
2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「Web Components in Angular: The Good and Bad of Web Components」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Angularのコンポーネントを、どんなWebサイトでも使えるカスタムHTML部品「Web Components」に変換できる。これによりフレームワークに縛られないUI部品の再利用が可能になるが、異なる技術を混ぜると性能が落ちる等の課題もある。(117文字)
ITニュース解説
Web Componentsは、ウェブページで使われる独自のHTML要素、いわゆるカスタム要素を開発者が作成するための技術標準である。HTMLには<button>や<input>といった標準要素があるが、Web Componentsを使えば、例えば<cool-button>のような、特定の機能と見た目を持つ独自のタグをJavaScriptで作成できる。この技術の主な目的は、UI部品の再利用性を高め、異なるウェブアプリケーション間で共有することにある。通常、Angularフレームワークで作られたコンポーネントはAngularアプリケーション内でしか動作しない。しかし、Angularが提供する@angular/elementsパッケージのcreateCustomElement()機能を利用すると、AngularコンポーネントをWeb Componentsに変換できる。これにより、Angularの強力な機能を維持したまま、作成したコンポーネントをReactやVue.jsで構築されたサイトや、フレームワークを使用しない静的なHTMLページでも利用できるようになる。
Web Componentsの最大の利点は、その高い再利用性と柔軟性にある。一度作成すれば、特定のフレームワークに依存せず様々なプロジェクトで使い回せ、既存のアプリケーションにも容易に統合できる。これはウェブの標準技術に基づいているため、将来性が高い。しかし注意点も存在する。異なるフレームワークで作られたWeb Componentsを一つのページに混在させると、それぞれの実行環境を読み込む必要があり、ページの表示速度低下やファイルサイズの増大といったパフォーマンス問題を引き起こす可能性がある。また、古いブラウザではサポートされていない場合があり、利用が制限されることも考慮しなければならない。カスタム要素の作成やデバッグは、通常のコンポーネント開発よりも複雑になることがある。
AngularでWeb Componentsを作成するプロセスは明確である。まずAngularコンポーネントを作成し、それをcreateCustomElement()関数でカスタム要素として振る舞うJavaScriptクラスに変換する。次に、ブラウザの標準機能customElements.define()を使い、生成したクラスを特定のHTMLタグ名に紐付けて登録する。これでHTML内でそのタグ名が使用可能になる。この際、Angularコンポーネントのセレクタ名とカスタム要素のタグ名を同一にすると、コンポーネントが二重に生成される問題が起きるため、異なる名前を使用すべきである。データの受け渡しはAngularが自動的に処理する。親から子へデータを渡す@Input()プロパティは、カスタム要素のHTML属性に変換される。JavaScriptで一般的なcamelCaseのプロパティ名は、HTML属性の慣習に合わせたdash-separated-lowercase形式に自動変換される。子から親へイベントを通知する@Output()は、ブラウザ標準のカスタムイベントに変換され、通常のDOMイベントと同様に扱える。
Web Componentsの大きな特徴の一つに、Shadow DOMによるカプセル化がある。これはコンポーネントの内部構造やCSSを外部から隔離する仕組みで、スタイル競合のリスクを大幅に減少させる。しかし、この強力なカプセル化は技術的課題も生む。Web ComponentsはブラウザのAPIに依存するため、サーバー側でHTMLを生成するサーバーサイドレンダリング(SSR)環境ではそのままでは動作しない。また、Shadow DOMの境界は一部のイベントの伝播を妨げるため、SSR後のページをインタラクティブにするハイドレーション処理がうまく機能しないことがある。さらに、Angularアプリケーション内に別のAngularアプリケーションをWeb Componentsとして埋め込むと、それぞれのルーターが独立しているためルーティングが期待通りに動作しない問題も発生しうる。
これらの特性を踏まえると、Web Componentsには効果的な活用例がある。一つは動的なコンポーネント読み込みの簡素化で、document.createElement()という標準的な操作だけで実現できる。もう一つは共通デザインシステムの構築である。異なるフレームワークを用いる大規模プロジェクトで、UI部品をWeb Componentsとして提供すれば、フレームワークを問わず一貫したデザインと機能を共有できる。TypeScriptで開発する際は、HTMLElementTagNameMapを拡張してカスタム要素の型定義を追加すると、型安全性が向上しコードの保守性が高まる。結論として、Web Componentsはフレームワークの壁を越えてUI部品を再利用するための強力な手段であり、Angular Elementsはその作成を効率化する。技術的課題を理解し、適切なユースケースで活用することが重要である。