【PHP8.x】finalizeメソッドの使い方

finalizeメソッドの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

作成日: 2025年09月11日更新日: 2025年10月26日

基本的な使い方

『finalizeメソッドは、SQLite3の結果セットオブジェクト（SQLite3Result）に関連付けられたメモリを明示的に解放する処理を実行するメソッドです。SQLiteデータベースに対してSQLite3::query()などのメソッドでSQLクエリを実行すると、その結果を保持するためのSQLite3Resultオブジェクトが返されます。このオブジェクトは、取得したデータを内部的に保持しており、メモリを消費します。通常、PHPのスクリプトが終了するか、オブジェクトが不要になるとガベージコレクタによって自動的にメモリは解放されます。しかし、大量のデータを扱う場合や、ループ処理の中で繰り返しクエリを実行するような状況では、不要になった結果セットをできるだけ早く解放することがメモリ効率の観点から推奨されます。このfinalizeメソッドを呼び出すことで、プログラマが意図したタイミングで結果セットが使用しているメモリを即座に解放し、システムのパフォーマンスを最適化できます。このメソッドを呼び出した後、その結果セットオブジェクトに対する操作はできなくなります。なお、このメソッドは処理の成否にかかわらず、常にtrueを返します。』

構文(syntax)


1<?php
2// インメモリデータベースに接続
3$db = new SQLite3(':memory:');
4$db->exec('CREATE TABLE users (id INTEGER, name TEXT)');
5
6// クエリを実行して結果セットを取得
7$result = $db->query('SELECT * FROM users');
8
9// 結果セットに関連付けられたメモリを明示的に解放します。
10// 通常、このメソッドを呼び出す必要はありません。
11// PHP はスクリプトの終了時またはオブジェクトが破棄されるときに自動的にクリーンアップします。
12$result->finalize();
13
14// データベース接続を閉じる
15$db->close();
16?>

引数(parameters)

引数なし

引数はありません

戻り値(return)

bool

SQLite3Result::finalizeメソッドは、SQLite3Resultオブジェクトを解放し、関連するリソースをクリーンアップします。成功した場合はTRUEを、失敗した場合はFALSEを返します。

サンプルコード

SQLite3Result::finalizeで結果を解放する


1<?php
2
3// SQLite3Result::finalize の使用例
4
5// SQLiteデータベースに接続
6$db = new SQLite3(':memory:');
7
8// テーブルを作成
9$db->exec('CREATE TABLE users (id INTEGER PRIMARY KEY, name TEXT)');
10
11// データを挿入
12$db->exec("INSERT INTO users (name) VALUES ('John Doe')");
13
14// クエリを実行
15$result = $db->query('SELECT * FROM users');
16
17// 結果を取得 (ここでは取得処理を省略)
18
19// SQLite3Resultオブジェクトを明示的に破棄
20$finalized = $result->finalize();
21
22// 結果の確認
23if ($finalized) {
24    echo "SQLite3Result finalized successfully.\n";
25} else {
26    echo "Failed to finalize SQLite3Result.\n";
27}
28
29// データベースを閉じる
30$db->close();
31
32?>

このサンプルコードは、PHPのSQLite3拡張におけるSQLite3Resultクラスのfinalizeメソッドの使用例を示しています。finalizeメソッドは、SQLite3::queryなどのメソッドによって生成されたSQLite3Resultオブジェクトを明示的に破棄するために使用されます。

通常、PHPはオブジェクトが不要になった時点で自動的にメモリから解放（ガーベージコレクション）しますが、finalizeメソッドを使うことで、リソースを即座に解放できます。データベース接続を多く扱うような場合に、リソース管理をより厳密に行いたい場合に有効です。

このコードでは、まずSQLiteデータベースに接続し、usersテーブルを作成してデータを挿入しています。次に、SELECTクエリを実行し、結果を$result変数に格納します。$result変数はSQLite3Resultオブジェクトとなります。

$result->finalize()を呼び出すことで、SQLite3Resultオブジェクトが破棄され、関連するデータベースリソースが解放されます。finalizeメソッドは引数を取りません。戻り値はboolean型で、正常に破棄された場合はtrue、失敗した場合はfalseを返します。

サンプルコードでは、finalizeメソッドの戻り値をチェックし、成功したかどうかを示すメッセージを出力しています。最後に、データベース接続を閉じてプログラムを終了します。

finalizeメソッドを使用することで、データベース接続を効率的に管理し、メモリリークを防ぐことができます。特に、大量のクエリを実行する場合や、長時間実行されるスクリプトでは、リソース管理のためにfinalizeメソッドの利用を検討する価値があります。

SQLite3Result::finalize()は、クエリ結果に関連付けられたリソースを明示的に解放するメソッドです。PHPは通常、変数がスコープから外れる際に自動的にリソースを解放しますが、finalize()を使うことで、より早く確実にリソースを解放できます。大規模な結果セットを扱う場合や、メモリ使用量を細かく制御したい場合に有効です。finalize()を呼び出した後は、結果セットからデータを取得する操作はできなくなることに注意が必要です。また、データベース接続を閉じる前に結果セットをファイナライズすることを推奨します。finalize()の戻り値がfalseの場合、リソースの解放に失敗したことを意味します。