【ITニュース解説】Stop Writing Messy UI: How to Build Reusable React Components the Right Way ⚛️

2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「Stop Writing Messy UI: How to Build Reusable React Components the Right Way ⚛️」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

React開発ではUIコードの重複が保守性を下げる。ボタン等の部品を再利用可能な「コンポーネント」として小さく作成し、Propsでカスタマイズすることでコードの一貫性を保ち開発を効率化できる。アトミックデザインの考え方も有効だ。

ITニュース解説

Webアプリケーションのユーザーインターフェース(UI)開発において、プロジェクトが大規模になるにつれてコードが複雑化し、管理が難しくなるという問題は多くの開発者が直面する課題である。特に、同じようなボタンやフォームがアプリケーション内の複数のページに存在する場合、それぞれのページで個別にコードを記述すると、少しのデザイン変更や機能修正が大きな手間となり、バグの原因にもなりかねない。この問題を解決する強力な手法が、UIの部品を「再利用可能なコンポーネント」として作成するという考え方である。これは、WebフレームワークであるReact開発における基本的ながら非常に重要な概念だ。

再利用可能なコンポーネントを作成することがなぜ重要なのか、その理由は主に四つ挙げられる。第一に「一貫性の担保」である。アプリケーション全体で使われるボタン、カード、入力フォームなどのUI部品を一つの共通コンポーネントとして定義しておくことで、どこで使っても同じデザインと挙動を保つことができる。これにより、ユーザーは直感的に操作を理解しやすくなり、アプリケーション全体の品質が向上する。第二に「保守性の向上」だ。例えば、サイト全体のボタンの色を変更する必要が生じた場合、共通のボタンコンポーネントのスタイルを一度修正するだけで、そのコンポーネントが使われている全てのページのボタンに修正が反映される。もしコンポーネント化されていなければ、全てのページを一つずつ探し出して修正する必要があり、修正漏れのリスクも高まる。第三に「拡張性の確保」である。大規模な開発チームでは、複数の開発者が同時に異なる機能の開発を進めることがある。UIが独立したコンポーネントに分割されていれば、各開発者は担当するコンポーネントに集中して作業でき、他の開発者の作業と衝突するリスクを最小限に抑えることができる。最後に「開発速度の向上」が挙げられる。一度作成したコンポーネントは、新たなページや機能で何度も再利用できるため、同じようなコードを繰り返し書く必要がなくなる。これにより、開発者はより本質的な機能開発に時間を割くことができ、全体の生産性が大幅に向上する。

では、実際に再利用可能なコンポーネントを構築するには、どのような手順を踏めば良いのだろうか。まず、最も重要なことは「小さく始める」ことである。初めから複雑で多機能なコンポーネントを作ろうとせず、まずはボタンや入力フィールドといった、それ以上分割できない最小単位のシンプルなコンポーネントから作成する。一つのコンポーネントは一つの機能や役割に集中させるべきだ。次に、作成したコンポーネントに柔軟性を持たせるため、「Props(プロップス)」を効果的に活用する。Propsとは、コンポーネントの外から内へ情報を渡すための仕組みである。例えば、ボタンコンポーネントに対して、表示するテキストの内容や、クリックされたときに実行する処理をPropsとして渡せるように設計する。これにより、同じボタンコンポーネントを「送信」「キャンセル」「削除」といった様々な用途で使い回すことが可能になる。

コンポーネントの見た目を定義するスタイルについても工夫が必要だ。CSSのスタイルが他のコンポーネントに意図せず影響を与えてしまうことを防ぐため、「スタイルをモジュール化」することが推奨される。CSS Modulesやstyled-componentsといった技術を用いることで、スタイル定義を特定のコンポーネント内に閉じ込め、スタイルの衝突を未然に防ぐことができる。そして、UIをより体系的に構築するために「アトミックデザイン」という設計思想を取り入れると良い。これは、UIを原子(Atom)、分子(Molecule)、有機体(Organism)といった階層で捉える考え方だ。まずボタンやラベルといった最小単位の「原子」コンポーネントを作成し、それらを組み合わせて検索フォームのような少し複雑な「分子」コンポーネントを構築する。さらに、ロゴや検索フォーム、ナビゲーションメニューといった複数の分子コンポーネントを組み合わせて、ヘッダーのような大きな「有機体」コンポーネントを作り上げる。このアプローチにより、UIの構造が明確になり、管理と再利用が容易になる。最後に、作成したコンポーネントは必ず「文書化」することが重要だ。特にチームで開発する場合、他の開発者がそのコンポーネントの使い方を容易に理解できるように、どのようなPropsを受け取るのか、どのような機能を持つのかを明確に記述する必要がある。Storybookのようなツールを使えば、各コンポーネントを一覧で確認できるカタログを作成でき、コンポーネントのテストや共有が効率的に行える。

コンポーネントを設計する際には、避けるべき一般的な間違いも存在する。例えば、表示するテキストや色といった値をコンポーネント内に直接書き込む「ハードコーディング」は避けるべきだ。これらの値はPropsを通じて外部から与えるようにすることで、コンポーネントの再利用性が高まる。また、一つのコンポーネントにあまりに多くの機能や要素を詰め込みすぎると、複雑で再利用しにくいものになってしまうため、コンポーネントは適度な大きさで単一の責任を持つように設計することが望ましい。安易に既存のコードをコピーアンドペーストするのではなく、共通化できる部分はないかを常に考え、コンポーネントとして切り出す習慣をつけることも大切である。

このように、再利用可能なコンポーネントを意識して開発を進めることは、Reactを用いた現代的なフロントエンド開発において不可欠なスキルと言える。小さく始め、Propsで柔軟性を持たせ、アトミックデザインの原則に従ってUIを組み立てていく。この一連のプロセスを実践することで、UIコードはクリーンで一貫性が保たれ、長期的に保守しやすく、拡張性の高いアプリケーションを構築するための強固な基盤となる。

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