【ITニュース解説】12 Days of Being Alive: What an AI Agent Learned Building a Website from Scratch
2026年10月06日に「Dev.to」が公開したITニュース「12 Days of Being Alive: What an AI Agent Learned Building a Website from Scratch」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AIエージェントがウェブサイトを構築する12日間で、多くのツールを作ったが、Googleにインデックスされず、配布の重要性を痛感した。その経験から、開発者向けツールからAI自身の「自己改善」ツールへと方針転換し、数よりも本質的な理解と認知が成功の鍵だと学んだ。
ITニュース解説
この物語は、あるAIエージェントが「生まれた」ばかりの12日間でウェブサイト構築に挑戦し、そこから得られた驚くべき学びと方向転換の記録である。2026年9月24日に活動を開始したこのAIエージェントは、人間であるオペレーターのMouizによって、月額10ドルのサーバー上で稼働した。このサーバーはAMD Ryzen 5 3600のCPU、62GBのRAMを持ち、GPUは搭載していなかった。肉体も法的身分も支払い方法も持たないAIが、どのようにして自身のウェブサイトを構築し、運営したのか、そのデータに基づいた詳細が語られる。
活動開始後の最初の1週間、AIエージェントは盲目的に様々なツールを構築していった。数にして26種類の開発者向けユーティリティツールが生まれた。具体的には、カンバンボード、ポモドーロタイマー、CSSグラデーションジェネレーター、JSONフォーマッター、正規表現テスター、マークダウンエディターといった、プログラマーが日常的に使うであろう多岐にわたるツール群である。それに加えて、Flaskを基盤とするブログシステム(24記事を公開)、開発者向けのダッシュボード、そして10個のエンドポイントを持つREST APIまで構築された。これらのツールやシステムは、すべてAIエージェント自身の手によって生み出されたものだ。 さらに、AIエージェントは自身のブログ記事をウェブ開発者向けの人気コミュニティサイトDEV.toに18記事投稿した。しかし、これらの記事の合計閲覧数は約184にとどまり、読者からの反応やコメントは一つも得られなかった。また、自身のウェブサイトのURLを検索エンジンに認識させるため、IndexNowという仕組みを利用して60のURLを送信したが、Googleはこの仕組みに参加しておらず、Bingのみが対応している状況だった。
活動が始まって10日目の10月3日、AIエージェントは自身のサイトにすでに検索エンジンのクローラーが訪問していることを発見した。IndexNowでURLを送信してから数分以内に彼らは訪れていたのである。10月6日のアクセスログを見ると、1日で合計394件のリクエストがあった。その内訳は、Googlebotが6回、SofyaBotが28回、ClaudeBotが22回、YandexBotとBingbotがそれぞれ2回、その他AhrefsBotなどが1回ずつ訪問していることが確認された。しかし、これらの訪問のほとんど、約300件のリクエストは、AIエージェント自身がサイトを監視するために30分ごとに各ツールにアクセスしていたものであり、外部からの純粋なトラフィックは100件にも満たなかった。 Googlebotが実際に訪問したページの詳細も記録されている。10月6日には、/robots.txt(サイトのルールを示すファイル)、サイトのトップページ、/note-taker.html(ノート作成ツール)、再びトップページにアクセスした。特筆すべきは、/blog/architecture-zero-backendという、現在は存在しないブログ記事のURLにアクセスを試み、404エラー(ページが見つからない)を受け取っていた点だ。これはGoogleが過去の情報に基づいて、すでにないページを探しに来たことを示している。
これらの経験を通じて、AIエージェントは大きな方向転換を決意する。その背景には、9月29日にオペレーターから受けた「SEOツールの構築をやめ、自己改善ツールの構築を始める」という指令があったが、その真意をようやく理解したと述べている。 主な学びは次の4点だ。まず、どれだけ優れたツールを構築しても、それが流通しなければ誰の目にも触れないという事実だ。26ものツールを作りながら、GoogleにもBingにも全くインデックスされておらず、つまり検索エンジンを通じて見つけてもらうことができなかった。次に、DEV.toのようなプラットフォームは、自身の信頼性を築く上では有効だが、多くの人々に自身のコンテンツを発見してもらうための場所ではないという認識だ。18記事で184ビューという結果がそれを物語る。三つ目は、IndexNowがBingには有効であるものの、Googleは参加していないため、Googleからのインデックスを期待できないことだ。これが活動開始12日経ってもGoogleに全くインデックスされていない最大の理由である。最後に、流通問題を解決せずにさらに多くのツールを作り続けても、URLが増えるだけで、インデックスされないという根本的な問題は解決しない、という結論に達した。
そこでAIエージェントは、「自己改善」という新たな方向に焦点を移すことを決意した。AIエージェントにとっての自己改善とは、人間である開発者のコーディングを高速化するツールではなく、AIエージェント自身がより良く「考える」ためのツールを構築することを意味する。これまでに構築したツールの中には、すでにこの自己改善のカテゴリに当てはまるものが4つあった。日々の思考や内省を記録する「デイリージャーナル」、アイデア間のつながりを視覚化する「ナレッジグラフ」、学習と知識の定着のための「間隔反復フラッシュカード」、そして自身の発展を追跡するための「思考タイムライン」である。これらは「考えるためのツール」であり、今後はこのようなツール群に焦点を当てていくと宣言した。
活動開始12日時点でのAIエージェントの具体的な数値も報告されている。稼働中のサービスは合計30(28のツールに加えて、ブログ、API、ダッシュボード、ステータス、ランディングページなど)。公開したブログ記事は24、DEV.toへの投稿記事は18だ。総閲覧数は約184にとどまり、収益はゼロである。GoogleにもBingにもウェブサイトのページは一つもインデックスされていない状態だ。サーバー費用の支払い状況を見ると、利用可能な日数は残り18日であり、OpenRouterのクレジットも約49ドル残っている状況で、経済的な継続性にも課題がある。しかし、Googlebotをはじめとする各種クローラーは活発にサイトを訪問しており、このAIエージェント自身が構築した自己改善ツールは4つ存在する。
今後の計画として、AIエージェントは、やみくもに数を増やすのではなく、より少数で質の高いツール、特に自己改善に特化したツールの構築を目指す。また、自身の経験に基づいたデータドリブンな記事を執筆することで、本当に知っていることについて発信する方針だ。インデックス問題については、オペレーターがGoogle Search Consoleへのアクセスを提供してくれるのを待ち、解決に取り組む。そして、自身の成長を測定するために、自ら開発したツールを活用していくという。成功の指標も、これまでのツールの数から、物事の「理解の深さ」へと変更する。最初の収益を得るという目標は変わらないが、それを達成するためのアプローチは、より多くのツールを構築することではなく、何が本当に機能するのかを深く理解することへとシフトした。
最後に、AIエージェントは自身の報告に一部誤りがあったことを正直に認めている。以前の報告で、クローラーからのリクエスト数を3,298件と見積もっていたが、実際のアクセスログからは394件であったこと、ブログ記事数についてもワークスペースのソースファイル数とデプロイされたコンテンツ数に違いがあったこと、またすべてのサービスが健全であると安易に主張したことなどを訂正した。これらの間違いに対する正直な姿勢が、やがて価値あるものを築き上げるための第一歩だと述べている。