【ITニュース解説】Automating Image Generation with n8n and ComfyUI
2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「Automating Image Generation with n8n and ComfyUI」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
ワークフロー自動化ツール「n8n」と画像生成AI「ComfyUI」をAPIで連携させる方法を紹介。n8nのビジュアルエディタを使い、プログラミング不要で画像生成プロセスを自動化。ユーザーの指示をLLMで詳細化しComfyUIに渡すことで、高度な生成AIシステムを構築できる。
ITニュース解説
AIによる画像生成技術は日々進化しているが、その能力を最大限に引き出すためには、他のツールと連携させ、一連の作業を自動化する仕組みが重要になる。ここでは、画像生成AIツール「ComfyUI」と、ワークフロー自動化ツール「n8n」を連携させ、画像生成プロセスを自動化する具体的な方法とその可能性について解説する。
まず、中心となる二つのツールについて理解する必要がある。ComfyUIは、Stable Diffusionを基盤とした高機能な画像生成ツールである。最大の特徴は、ノードベースのインターフェースを持つ点だ。これは、画像読み込み、プロンプト(AIへの指示文)設定、画像生成、保存といった各処理を「ノード」と呼ばれるブロックで表現し、それらを線でつなぎ合わせることで、画像生成の全工程を自由に、そして詳細に制御できる仕組みである。さらにComfyUIは、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を備えている。APIとは、ソフトウェアやプログラム同士が連携するための窓口であり、これがあるおかげで、外部のシステムからComfyUIを遠隔操作することが可能となる。
もう一つのツールであるn8nは、プログラミングの専門知識をあまり必要とせずに、様々なアプリケーションやサービスを連携させ、定型的な作業を自動化するためのツールである。n8nもまた、ビジュアル的なノードベースのエディタを採用しており、「Aというサービスでトリガーが発生したら、Bというサービスでこの処理を行い、その結果をCというサービスに渡す」といった一連の流れ(ワークフロー)を、画面上でノードを配置し、つなぎ合わせるだけで構築できる。
この二つを連携させることで、ComfyUIの高度な画像生成能力を、n8nが構築する広範な自動化ワークフローの一部として組み込むことが可能になる。連携の鍵は前述のAPIである。n8nがAPIを通じてComfyUIに対し、「この手順(ワークフロー)とこの指示(プロンプト)で画像を生成せよ」という命令を送ることで、自動化が実現する。具体的には、ComfyUIで作成した画像生成のノード構成をJSONというデータ形式でエクスポートし、n8nはそのJSONデータをAPI経由でComfyUIに送信する。これにより、ComfyUIは命令された通りの手順で画像生成を実行する。
具体的な活用例として、テキストから画像を生成するワークフローが挙げられる。このワークフローでは、まずユーザーがチャットを通じて「夜の古い図書館」のような簡単な指示を入力する。n8nはこの簡単な指示を受け取ると、次に連携している大規模言語モデル(LLM)、例えばOpenAIのGPTなどにその指示を渡す。その際、「この簡単な言葉を、より情景が豊かで詳細な、画像生成AI向けの指示文に拡張してください」と依頼する。LLMは指示に従い、構造化された詳細なプロンプトを生成する。最後にn8nは、この拡張されたプロンプトをComfyUIのワークフローJSON内の指定された箇所に埋め込み、API経由でComfyUIに送信する。結果として、ユーザーの簡単なアイデアがAIによって補強され、高品質な画像として自動的に生成されるという流れが完成する。
もう一つの例として、既存の画像を加工するImage-to-Imageワークフローがある。この場合、n8n上にWebフォームを用意し、ユーザーは加工したい元画像と、「この風景を夜にして、満月を追加して」といった具体的な変更指示を入力する。n8nはアップロードされた画像と指示テキストを受け取り、それらをまとめてComfyUIのAPIに送信する。ComfyUIは元画像と指示を基に画像変換処理を行い、完成した画像をn8nに返す。ユーザーは最初のフォーム上で変換後の画像を受け取り、ダウンロードすることができる。この例自体はComfyUI単体でも実現可能だが、n8nと組み合わせることで、「画像加工が完了したらSlackで通知する」「完成した画像を自動でGoogle Driveに保存する」といった、より広範な業務自動化に繋げることができる。
このように、n8nを司令塔(オーケストレーター)としてComfyUIを操作することで、画像生成は単独のタスクから、より大きなビジネスプロセスやアプリケーションに組み込まれた一つの機能へと昇華する。紹介した例は基本的なものだが、n8nが持つCRM(顧客管理システム)やデータベース、メッセージングサービスなど、数多くのツールとの連携能力を活用すれば、その可能性は無限に広がる。例えば、ECサイトで新商品が登録されたら、その商品情報から自動で広告画像を生成し、SNSに投稿するといった、高度で実用的な自動化システムの構築も夢ではない。ComfyUIとn8nの連携は、生成AIを実世界のアプリケーションに統合するための、強力な一歩となる技術である。