【ITニュース解説】Google Search Console Adds Multimodal Reporting for Lens and Visual Search Traffic
2026年10月06日に「Dev.to」が公開したITニュース「Google Search Console Adds Multimodal Reporting for Lens and Visual Search Traffic」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Google Search Consoleに「マルチモーダルレポート」が追加された。これは、Google レンズや画像アップロードなど、画像ベースの検索からのトラフィックを測定できる機能だ。サイト運営者は、画像コンテンツが検索からの流入にどう貢献しているか把握し、ビジュアルSEOの改善に役立てることができる。
ITニュース解説
Google Search Console(サーチコンソール)というツールをご存じだろうか。これは、ウェブサイトの持ち主や管理者が、自分のサイトがGoogle検索でどのように見られているか、どんなキーワードでアクセスされているかなどをチェックするための無料ツールだ。ウェブサイトを運営する上で、自分のサイトがもっと多くの人に見てもらえるように改善していく「SEO(検索エンジン最適化)」という活動があるが、サーチコンソールはそのSEOの強い味方となる。
これまでサーチコンソールが主に扱ってきたのは、私たちが普段Google検索で「キーワード」を打ち込んで情報を探す、いわゆる「テキスト検索」からのアクセスだった。しかし、今回Googleは、このサーチコンソールに「マルチモーダルレポート」という新しい機能を加えた。これは、ウェブサイトへの訪問が、単なるテキスト検索だけでなく、「画像」を通して行われるケースを測定し、報告してくれる画期的な機能だ。
「マルチモーダル」とは、複数の種類の情報(この場合はテキストと画像など)が組み合わさることを意味する。今回の新機能では、特に「画像ベースの検索」からのトラフィックに焦点を当てている。例えば、スマートフォンのGoogle Lensを使って目の前の花の名前を調べたり、Androidスマホで画面に表示されている商品に「Circle to Search」を使って丸を付けて情報を検索したり、あるいは、Google検索に直接画像をアップロードして関連情報を探したり、Chromeブラウザでウェブページ上の画像を右クリックして関連画像を検索したり、といった行動がこれに当たる。これまでは、これらの画像を使った検索からのアクセスを個別に、しかも統合された形で測定する手段が限定的だったが、この新機能によって、それらすべてをまとめて把握できるようになるのだ。
この変更がなぜ重要なのか。現代のユーザーは、知りたいことや見たいものを探す際に、文字を入力するだけでなく、カメラで撮影したり、画面上の画像を直接指定したりする機会が増えている。特に商品を探す際や、場所の情報を調べる際、特定の物の使い方を知りたい際など、視覚情報から検索を始めることは非常に多い。企業が提供する製品の写真、ハウツーガイドの図、お店の場所を示す写真、動画のサムネイルなど、ウェブサイトに掲載されている「視覚的なコンテンツ」が、どれだけ多くのユーザーをサイトに導いているのかを具体的に知ることができるようになるわけだ。これにより、サイト運営者は、どの画像が効果的で、どの部分の画像最適化にもっと力を入れるべきかを、データに基づいて判断できるようになる。これは、SEOチームやコンテンツ作成チームにとって、非常に大きな助けとなるだろう。
この新しいレポートは、サーチコンソール内の「検索パフォーマンスレポート」と「生成AI機能レポート」という二つの場所で確認できる。Googleは2026年9月24日から世界中でこの機能の提供を順次開始しており、自分のサイトのサーチコンソールでも近いうちに利用可能になるはずだ。
「マルチモーダルフィルター」を適用すると、具体的にどのような情報が得られるのだろうか。サーチコンソールのパフォーマンスレポートで「ウェブ検索タイプ」を選び、その中にある「マルチモーダルフィルター」をオンにすると、前述のGoogle LensやCircle to Search、画像アップロード、Chromeの画像検索など、画像ベースの経路からのアクセスデータだけを分離して見ることができる。このデータは、必要であれば外部の分析ツールにエクスポートして、さらに詳細に分析することも可能だ。
なぜこのような分離が必要かというと、テキスト検索と画像検索では、ユーザーの検索意図や状況が異なることが多いからだ。テキスト検索では、「美味しいラーメンの作り方」のように明確な質問を投げかけることが多いが、画像検索では、目の前の製品が何か知りたい、画面上の場所についてもっと情報が欲しい、といった、より探索的な、あるいは即時的なニーズが背景にあることが多い。そのため、これらのトラフィックを別々に分析することで、ユーザーが何を求めてサイトにたどり着いたのかをより深く理解できる。例えば、あるサイトが通常のテキスト検索では非常に強くても、画像検索ではほとんどアクセスがない、あるいはその逆ということも起こり得る。このフィルターを使うことで、訪問がどのような種類のユーザーインタラクションから始まったのかを比較し、より適切なサイト改善に繋げられるのだ。
システムエンジニアとしてこのデータをどう活用できるだろうか。まず、このフィルターを使って、どのようなページがマルチモーダルなトラフィックを受け取っているのかを確認することが最初のステップとなる。もしあなたがECサイトのシステムを担当しているなら、商品の詳細ページやカテゴリページがこのデータセットに現れるかもしれない。サービス業のサイトであれば、サービス内容を説明する視覚的なガイドやポートフォリオページが見つかるだろう。出版社であれば、オリジナルの画像が主題の理解を助ける記事ページがピックアップされるかもしれない。
具体的な活用方法としては、以下の点が挙げられる。まず、同じ期間で、マルチモーダルトラフィックと、従来の広範なウェブ検索トラフィックのパフォーマンスを比較する。これにより、どのタイプの検索で自分のサイトが強いのか、あるいは弱いのかが明確になる。次に、フィルターによって表示されるページやコンテンツの形式を特定する。成功しているビジュアルコンテンツの傾向を分析できる。また、関連する画像が、そのページの内容や主題を正確に表現しているかを確認することは重要だ。画像と内容の関連性が薄いと、ユーザー体験が悪化する可能性があるためだ。そして、画像に設定されている「altテキスト」(代替テキスト)や、画像に関する構造化データが適切に設定されているかをチェックする。これらは、画像が検索エンジンに正しく理解されるために非常に重要なテクニカルSEOの要素であり、新しいデータは、これらの最適化が実際にトラフィックに貢献しているかどうかの証拠となる。さらに、フィルターで得られたレポートをエクスポートし、自社のコンテンツ管理システムや分析ツールと連携させて、コンバージョン率(例えば、画像経由で訪問したユーザーが商品を購入したかなど)や編集方針に関する詳細な分析を行うことも可能だ。
このようなデータに基づいた disciplined なアプローチにより、闇雲に全ての画像を最適化するのではなく、実際に効果が出ている部分や、効果を出すべき部分にリソースを集中できるようになる。レポートはサイトの活動の証拠を提供し、コンテンツのレビューは、成功しているページが持つ特性を他のコンテンツにも適用するためのヒントを与えてくれる。
この変更は、コンテンツの計画にも大きな影響を与える。Googleの今回のアップデートは、「ウェブ検索の旅が、テキストクエリだけでなく、画像から始まることもある」という現代の検索行動を明確に認識したものだ。このことは、コンテンツ制作チームにとって、画像やその他の視覚的なアセットを、単なるページの飾りではなく、「ページ体験の重要な一部」として扱うことの価値を再認識させる。
例えば、製品の機能、特定のプロセス、場所の雰囲気、あるいは問題解決の方法を説明するのに役立つ画像は、ユーザーにとって非常に価値が高い。そのような視覚情報が、それが導くページの内容と密接に連携していれば、画像ベースの発見経路でサイトにたどり着いたユーザーは、より満足度の高い体験を得られるだろう。以前から言われているように、明確なaltテキストと適切な画像構造化データは画像最適化の基本だが、今回の新しいフィルターは、これらの最適化が実際に測定可能なトラフィックに貢献しているかどうかを検証する新たな手段を提供してくれる。
さらに、このレポートがGoogle Lens、Circle to Search、画像アップロード、Chromeの画像検索といった複数のプラットフォームからのデータを統合して評価できる点も注目すべきだ。これまではそれぞれのインタラクションを個別に評価する必要があったかもしれないが、今後はサーチコンソールの単一のフィルターで、これら複合的なマルチモーダルチャネルのパフォーマンスをまとめて把握できる。
時間やリソースが限られているビジネスにとって、この機能の最大のメリットは「優先順位付け」だ。フィルターされたレポートは、視覚的最適化がさらなる作業を必要とするページと、現時点で目立ったマルチモーダルな活動が見られないページとを区別するのに役立つ。これは、広範なSEOレポートを置き換えるものではないが、メディア関連の意思決定をよりデータに基づいたものにしてくれる。
視覚的な発見は、顧客が製品、サービス、情報を評価するための検索ジャーニーの不可欠な一部となっている。この新しい機能を通じて、サイト運営者は、画像やその他の視覚的なコンテンツが、どのようにオーガニック検索トラフィックに貢献しているかをより明確に理解し、それに基づいた効果的なウェブサイト改善を進めることができるようになるだろう。