【ITニュース解説】Video in which I go over physics, asset rendering, and AABB collision detection for my own indie Custom C++ 2D Game Engine
2025年09月27日に「Reddit /r/programming」が公開したITニュース「Video in which I go over physics, asset rendering, and AABB collision detection for my own indie Custom C++ 2D Game Engine」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
インディーゲーム開発者が自作C++ 2Dゲームエンジンの開発日誌を公開。物理演算、アセット描画、AABB衝突判定といったゲームの基盤技術を解説する。自身のゲーム「Galatic Inc.」を例に、重力や当たり判定システムの更新を紹介した。
ITニュース解説
Redditに投稿された開発日誌は、インディーゲーム開発者が自身の2Dゲーム「Galactic Inc.」のためにゼロから構築したカスタムC++ゲームエンジンについて詳細に解説している。この開発日誌では、エンジンに実装された物理システム、アセットレンダリング、そしてAABB衝突検出と衝突解決といった主要な技術要素が紹介されている。ゲームエンジンを自作するという行為は、一般的なシステム開発においても共通する技術的な深い理解と実装能力を必要とするため、システムエンジニアを目指す初心者にとっても多くの学びがある内容だ。
まず、ゲームエンジンとは何かを理解する必要がある。ゲームエンジンは、ゲーム開発において必要となる基本的な機能群をまとめたソフトウェアの集合体である。例えば、キャラクターを動かす仕組み、グラフィックを表示する仕組み、音を鳴らす仕組み、ユーザーの入力(キーボードやマウスなど)を処理する仕組み、ゲームの世界における物理法則をシミュレートする仕組みなどが含まれる。開発者はこれらの機能をイチから作る代わりに、ゲームエンジンが提供する機能を利用することで、ゲーム固有のロジックやコンテンツ制作に集中できる。UnityやUnreal Engineなどが代表的な既存のゲームエンジンである。
しかし、今回の開発者は既存のエンジンに頼らず、自身のゲームのために「カスタムC++ 2Dゲームエンジン」を構築した。既存のエンジンは多機能で便利だが、その分、特定の用途においては余分な機能や制約が生じる場合がある。完全に自作のエンジンであれば、開発者はエンジンのあらゆる側面を自分の手で制御でき、ゲームの要件に完全に合わせて最適化できるという大きなメリットがある。例えば、特定のグラフィックスタイルや物理挙動を非常に効率的に実装したり、独自性の高いゲーム体験を実現したりすることが可能になる。また、エンジンを自作する過程は、ゲーム開発の根幹をなす技術要素に対する深い理解を得るための究極の学習機会とも言える。C++が選ばれたのは、その高いパフォーマンスとハードウェアに近いレベルでの厳密な制御が可能なためであり、特にゲーム開発のようなリアルタイム処理が求められる分野で多く採用されている。
この開発日誌で特に焦点が当てられているのが、「独自の重力システム」を含む物理システムである。ゲームにおける物理システムは、ゲーム内の物体がどのように動き、互いに作用し合うかを決定する一連のルールと計算の集まりだ。例えば、キャラクターがジャンプして落下する様子、ボールが地面で跳ね返る様子、オブジェクトが投げられた時の軌道など、これらすべてが物理システムによって制御されている。特に「重力システム」は、物体が地球上のように下向きに引っ張られる力をシミュレートするもので、落下速度や放物線を描く動きなどを実現する。自作の重力システムでは、標準的な物理法則だけでなく、ゲーム独自の特別な重力(例えば、プレイヤーの近くでだけ重力が強くなる、特定のエリアでは重力が逆になるなど)を実装できる自由度がある。これはゲームのユニークな体験を創造する上で非常に重要な要素となる。
次に、「アセットレンダリングシステム」についてだ。アセットとは、ゲーム内で使用される画像、音声、3Dモデルなどの素材を指す。レンダリングシステムは、これらのアセットをゲーム画面上に描画する役割を担う。具体的には、キャラクターの画像データを読み込み、それを画面上の正しい位置に、正しいサイズと向きで、正しい色で表示する一連の処理を指す。2Dゲームでは、主にスプライト(2D画像)を画面に描画する処理が中心となる。独自のレンダリングシステムを構築することで、開発者はグラフィックの描画方法を細かく制御できる。例えば、特定の視覚効果を効率的に実現したり、メモリ使用量を最適化したり、あるいは非常に特徴的なアートスタイルを表現したりすることが可能になる。これは、ゲームの見た目を完全に開発者の意図通りに作り上げる上で不可欠な技術である。
そして、ゲームのインタラクションにおいて非常に重要なのが「クリック検出」と「衝突検出、衝突解決」だ。 「クリック検出」は、ユーザーがマウスで画面上の特定のオブジェクト(ボタンやキャラクターなど)をクリックしたことをゲームが認識する仕組みである。これは、マウスカーソルの位置と、画面上の各オブジェクトが占める領域(バウンディングボックスなど)を比較することで実現される。クリックされた座標が特定のオブジェクトの領域内にある場合、ゲームはそのオブジェクトがクリックされたと判断し、対応するアクション(メニューを開く、キャラクターを移動させるなど)を実行する。
「衝突検出(Collision Detection)」は、ゲーム内の二つ以上の物体が互いにぶつかったかどうかを検知する技術だ。今回の記事では特に「AABB衝突検出」が使われている。AABBは「Axis-Aligned Bounding Box」の略で、「軸並行バウンディングボックス」と訳される。これは、ゲーム内の各オブジェクトを、そのオブジェクトを完全に囲むようにX軸とY軸に並行な四角形(ボックス)で近似する方法である。二つのオブジェクトが衝突したかどうかを判断するには、それぞれのAABBが重なっているかどうかをシンプルにチェックするだけで済む。この方法は非常に計算コストが低く、2Dゲームにおいて広く利用されている。シンプルながらも高速な衝突判定が可能なため、多くのオブジェクトが動き回るゲームでもパフォーマンスを維持しやすいのが特徴だ。
衝突が検出された後には、「衝突解決(Collision Resolution)」のステップが必要となる。これは、物体同士がぶつかった結果として、ゲーム内でどのような物理的な反応が起こるかを計算し、反映させるプロセスだ。例えば、ボールが壁にぶつかったら跳ね返る、キャラクターが障害物にぶつかったらそれ以上進めなくなる、あるいは特定の物体がぶつかることで破壊される、といった挙動が衝突解決によって実現される。この解決策は、物体の質量、速度、摩擦、反発係数など、物理的な特性を考慮して計算されることが多い。衝突解決が適切に行われることで、ゲームの世界にリアリティとインタラクティブ性が生まれる。
この開発日誌は、開発者が自身のプロジェクトを通じて、ゲームエンジンの根幹をなすこれらの技術要素をいかに深く理解し、自身の力で実装したかを示している。インディーゲーム開発者がカスタムエンジンを自作するという取り組みは、技術的な挑戦であると同時に、深い学習の機会でもある。自身のアイデアを形にするために、既存のツールを単に使うだけでなく、そのツールの背後にある原理や仕組みを理解し、必要に応じて自ら構築する姿勢は、システムエンジニアを目指す者にとって非常に価値のある学びとなるだろう。このような経験は、問題解決能力、システム設計能力、そして特定の技術領域への専門性を高めることに直結する。このRedditの投稿は、単なるゲーム開発の進捗報告に留まらず、基礎技術の重要性と、それらを実際に手で動かして学ぶことの意義を示していると言える。