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【ITニュース解説】Why is GraphQL gaining adoption?

2025年09月26日に「Dev.to」が公開したITニュース「Why is GraphQL gaining adoption?」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

REST APIは現代の複雑なアプリにおける多様なデータ要求で非効率が生じやすい。GraphQLは、必要なデータをクライアントが正確に指定して一度に取得できるため、通信量を削減し、開発効率とアプリケーションの性能を向上させる。

出典: Why is GraphQL gaining adoption? | Dev.to公開日:

ITニュース解説

現代のソフトウェア開発において、データ連携の基盤となるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は非常に重要だ。かつてウェブAPIの標準として広く利用されてきたREST(Representational State Transfer)は、そのシンプルさから多くのアプリケーションで採用されてきたが、ここ数年の技術の進化と要求の多様化により、その限界が浮き彫になってきている。

RESTが考案された2000年頃は、アプリケーションは現在ほど複雑ではなく、ウェブブラウザが主なクライアントであり、ネットワークの不安定さの中でいかに効率的に通信するかが主な課題だった。しかし、現在ではモバイルアプリ、ウェブアプリケーション、IoTデバイス、さらには様々なサービスを統合するダッシュボードなど、多種多様なクライアントが存在し、それぞれが異なるデータ形式や量を求めている。また、サーバー側ではマイクロサービスという小さなサービス群を組み合わせるアーキテクチャが主流になり、データは複数のサービスに分散している。ユーザーは情報がミリ秒単位で応答することを期待しており、高速なレスポンスは必須条件となった。

このような背景の中で、REST APIの根本的な非効率性が問題となってきた。それが「オーバーフェッチング」と「アンダーフェッチング」だ。オーバーフェッチングとは、クライアントがAPIから必要以上のデータを受け取ってしまう現象を指す。REST APIは、あるリソース(例えばユーザー情報)に対して固定された包括的なデータ構造を返すことが多いため、実際には使わないデータまで受け取ることになる。これはデータ量が増えることでネットワークの遅延を招き、特にモバイルアプリケーションのように通信帯域が限られている環境では深刻な問題となる。

一方、アンダーフェッチングとは、一度のAPIリクエストではクライアントに必要なデータが全て揃わない状況を指す。例えば、ユーザーの詳細情報を取得するAPIでは、そのユーザーが投稿した記事の情報が含まれていないため、別途別のAPIを呼び出して記事を取得する必要がある。このアンダーフェッチングは「リクエストウォーターフォール」という深刻なパフォーマンス問題を引き起こす。これは、フロントエンドのアプリケーションが、前のリクエストで取得したデータを使って次のリクエストを行うというように、連続してAPI呼び出しを行うことで、まるで滝のように処理が連鎖し、結果的に画面の表示が大幅に遅れてしまう現象だ。特にReactのようなコンポーネントベースのフレームワークでは、この問題が顕著になる。RESTの厳格なサーバー定義のAPI設計は、多様なクライアントの要求に柔軟に対応できず、大規模になるにつれて持続が困難になった。

GraphQLが登場する以前にも、これらのRESTの限界に対応するための様々なアプローチが試されてきた。例えば、APIにクエリパラメータを追加して取得するフィールドを指定できるようにする「拡張パターン」は、サーバー側のコードを複雑にし、脆くする問題があった。「BFF(Backend for Frontend)」パターンでは、クライアントの種類ごとに専用のバックエンドを構築することで最適な体験を提供したが、インフラコストが増大し、開発チームの負担も大きくなった。GraphQLに似たエンドポイントを作る試みもあったが、GraphQLが提供する豊富なツールやエコシステムの恩恵は得られなかった。さらに、要求変更のたびにAPIのバージョンを上げる「APIバージョニング」も行われたが、これは問題を先送りするだけで、複数のバージョンを維持することが大きな負担となり、既存のクライアントアプリケーションを壊す可能性もあった。これらの解決策はいずれも、パフォーマンス、保守性、開発速度のいずれかで大きなトレードオフを伴っていた。

このような状況の中、Facebookが2012年に開発し、2015年にオープンソースとして公開したGraphQLは、API設計に大きな変化をもたらした。GraphQLは、クライアントがサーバーに対して必要なデータを「宣言的に」要求できるクエリ言語だ。例えるなら、RESTが既に調理された定食を提供するのに対し、GraphQLはクライアントが自分で好きな具材を選んで、自分だけの料理を作れるビュッフェのようなものだ。これにより、たった一つのAPIエンドポイントで済み、複雑なデータを取得する際にもネットワークリクエストの数を大幅に減らすことができる。

GraphQLの核心は、厳密な型システムを持つ「スキーマ」にある。このスキーマは、クライアントとサーバー間の正式な「契約」であり、どのようなデータが取得可能で、それらがどのように関連しているかを定義する。例えば、ユーザー、投稿、コメントといったデータの種類とその中のフィールドが細かく定義される。フロントエンドの開発者はこのスキーマに基づいて、ダッシュボードに必要なユーザーの名前、最新の投稿5件、それぞれの投稿に対するコメント3件といった、深くネストされた関連データを、たった一つのクエリで正確に指定して取得できる。これにより、オーバーフェッチングとアンダーフェッチングの問題が同時に解消され、データ取得の効率が飛躍的に向上する。サーバーからの応答もクエリと同じ形状のJSONオブジェクトとなるため、クライアントは常に期待通りのデータを受け取れる。

また、GraphQLの強力な機能の一つに「リゾルバ」アーキテクチャがある。リゾルバは、スキーマで定義された各フィールドに対応するデータを実際に取得する関数だ。この仕組みにより、GraphQLのレイヤーは、ユーザー情報ならユーザーマイクロサービス、投稿情報なら投稿マイクロサービス、友人情報ならRedisキャッシュといったように、様々な異なるデータソース(他のREST API、データベース、gRPCサービスなど)からデータを集約し、クライアントに提供する「オーケストレーションレイヤー」として機能する。クライアントは、データがどこから来ているのかを知る必要がなく、ただ必要なデータをリクエストするだけだ。

大規模な組織においては、GraphQLの「フェデレーション」、または「スーパーグラフ」という機能が特に有効だ。これは、組織内の様々なAPI(従来のREST APIやマイクロサービスなど)を統合し、単一のまとまったグラフとして扱うモデルだ。複数のチームがそれぞれ独立したサブグラフを開発・運用できるため、真のマイクロサービスアーキテクチャをAPIレイヤーで実現しつつ、クライアントには複雑な裏側の構造を隠蔽して、統一されたAPIを提供する。

もちろん、GraphQLの導入にはメリットだけでなく、注意すべき点もある。メリットとしては、まず「開発速度の向上」が挙げられる。フロントエンドチームは、バックエンドの変更を待つことなく、必要なフィールドをクエリに追加するだけでデータ要件を満たせるため、開発の俊敏性が大幅に高まる。次に「パフォーマンスと効率性の向上」だ。クライアントが必要なデータだけをリクエストすることで、データ転送量が削減され、特にモバイル環境や帯域幅が制限された状況で応答時間が短縮される。さらに「API進化の簡素化」も重要だ。スキーマは既存のクライアントを壊さずに拡張できるため、RESTで一般的な複雑でコストのかかるバージョン管理戦略が不要になる。そして、厳密な「型安全性」と、GraphiQLのようなインタラクティブな開発ツールが利用できる「豊富なツール群」も大きな利点だ。

一方で、いくつかの「制限」も存在する。GraphQLのクエリは動的でPOSTリクエストで送られることが多いため、従来のHTTPキャッシュメカニズムをそのまま利用できない。そのため、カスタムのキャッシュソリューションを構築する必要があり、これが複雑さやコストにつながる可能性がある。また、「セキュリティ上の懸念」も無視できない。深くネストされたり複雑なクエリは、サーバーに過剰な負荷をかけ、サービス拒否(DoS)攻撃につながる可能性があるため、クエリの深さやコスト制限などの対策が必要だ。さらに、プロダクション環境ではイントロスペクション機能(スキーマ情報を公開する機能)を無効にしないと、機密情報が露呈する恐れもある。学習コストについても、「学習曲線と複雑さ」はRESTに比べて高く、スキーマ定義やリゾルバの実装など、チーム全体での教育投資が必要だ。最後に、「監視とデバッグ」も課題となる。すべてのリクエストが単一のエンドポイントを介するため、従来のURLベースの監視ツールでは不十分で、GraphQLに対応した監視ツールを使ってフィールドレベルでのパフォーマンスやエラーを把握する必要がある。

GraphQLはRESTに代わる唯一の選択肢ではない。Googleが開発したgRPCのような高性能なフレームワークも存在する。それぞれの技術には最適なユースケースがあり、GraphQLがすべての問題を解決する「銀の弾丸」ではないことを理解することが重要だ。

しかし、GraphQLはGitHub、Airbnb、Netflix、State Farmといった大規模な企業で、その価値が実証されてきた。GitHubはクライアントが特定のデータだけを要求できるように移行し、通信コストの削減とAPIの簡素化を実現した。AirbnbはGraphQLへの段階的な移行を通じて「10倍の俊敏性」を獲得し、ユーザー体験を向上させた。NetflixはGraphQLマイクロサービスアーキテクチャにより、開発チームが1日100回以上のデプロイを行うほどの生産性向上を達成した。これらの事例は、GraphQLが現代の分散アーキテクチャの複雑さに対処するための戦略的な選択であることを示している。

GraphQLの台頭は、複雑でデータ駆動型のフロントエンドアプリケーションの増加や、マイクロサービスアーキテクチャの普及といった、他の主要な業界の変化と密接に関連している。AIエージェントがAPIと効率的に連携するためにも、GraphQLの明確なデータ関係と厳密な型付きスキーマが役立つ可能性も秘めている。

結論として、GraphQLの採用は、RESTが「悪い」からではなく、現代の要求がRESTが設計された当時から大きく変化したからである。GraphQLは、多様なクライアント、分散されたデータ、迅速なイテレーションが求められる世界において、チームが必要とする柔軟性と効率性を提供する。ただし、それは既存のRESTやgRPCなど他のAPI技術と共存するハイブリッドなアーキテクチャの中で、最も価値を発揮できる領域(複雑なクエリやモバイルアプリなど)に焦点を当てて導入することが、最も現実的で成功しやすいアプローチとなるだろう。GraphQLは、現代の、そして未来のソフトウェアエコシステムにおいて、適切な抽象化レイヤーとしてその存在感を高めている。

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