【PHP8.x】createFromFormatメソッドの使い方
createFromFormatメソッドの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。
基本的な使い方
createFromFormatメソッドは、指定されたフォーマットに基づいて文字列から新しいDateTimeImmutableオブジェクトを生成するメソッドです。DateTimeImmutableクラスは、日付と時刻を表す不変のオブジェクトを提供し、一度作成されたオブジェクトは変更できません。createFromFormatメソッドを使用することで、様々な形式の日付文字列をDateTimeImmutableオブジェクトに変換し、日付操作や比較などの処理に利用できます。
このメソッドは、少なくとも2つの引数を取ります。最初の引数は、日付文字列のフォーマットを指定する文字列です。このフォーマット文字列は、PHPのdate関数で使用されるものと同様のフォーマット指定子(例:Y-m-d H:i:s)を使用します。2番目の引数は、実際に変換したい日付文字列です。オプションとして、DateTimeZoneオブジェクトを3番目の引数として指定することで、日付文字列のタイムゾーンを明示的に設定できます。タイムゾーンを指定しない場合、PHPの設定に基づくデフォルトのタイムゾーンが使用されます。
createFromFormatメソッドは、変換に成功した場合に新しいDateTimeImmutableオブジェクトを返します。変換に失敗した場合(例えば、日付文字列が指定されたフォーマットと一致しない場合)、falseを返します。返り値がfalseであるかどうかを確認することで、入力された日付文字列が正しい形式であるかどうかを検証できます。このメソッドは、外部からの日付データを取り扱う際に、データの整合性を保つために非常に役立ちます。例えば、データベースから読み込んだ日付文字列や、ユーザーが入力した日付データをDateTimeImmutableオブジェクトに変換する際に利用できます。
構文(syntax)
1DateTimeImmutable::createFromFormat(string $format, string $datetime, ?DateTimeZone $timezone = null): DateTimeImmutable|false
引数(parameters)
string $format, string $datetime, ?DateTimeZone $timezone = null
- string $format: $datetime 文字列のフォーマットを指定する文字列
- string $datetime: フォーマットされた日付と時刻を表す文字列
- ?DateTimeZone $timezone = null: $datetime 文字列が属するタイムゾーン。指定しない場合は、現在のタイムゾーンが使用されます。
戻り値(return)
DateTimeImmutable|false
指定されたフォーマット文字列と日付文字列から、新しいDateTimeImmutableオブジェクトを生成します。フォーマットが一致しない場合はfalseを返します。
サンプルコード
PHP DateTimeImmutable::createFromFormat を使う
1<?php 2 3declare(strict_types=1); 4 5/** 6 * DateTimeImmutable::createFromFormat の使用例 7 * 8 * この関数は、指定されたフォーマットの文字列から 9 * 変更不可能な(Immutable)日付時刻オブジェクトを生成する方法を示します。 10 */ 11function createDateTimeExample(): void 12{ 13 // --- 基本的な使用例 --- 14 // 'Y-m-d H:i:s' というフォーマットを指定し、対応する文字列からオブジェクトを生成します。 15 $format = 'Y-m-d H:i:s'; 16 $dateString = '2023-10-27 10:30:00'; 17 18 $dateTime = DateTimeImmutable::createFromFormat($format, $dateString); 19 20 // 生成に成功した場合、DateTimeImmutableオブジェクトが返されます。 21 if ($dateTime instanceof DateTimeImmutable) { 22 // format()メソッドを使って、別の形式で日付を出力します。 23 echo '生成された日時: ' . $dateTime->format('Y年m月d日 H時i分') . PHP_EOL; 24 } else { 25 echo '日時の生成に失敗しました。' . PHP_EOL; 26 } 27 28 29 // --- タイムゾーンを指定する例 --- 30 // 第3引数にDateTimeZoneオブジェクトを渡すことで、タイムゾーンを指定できます。 31 $dateStringWithTz = '2024-01-01 00:00:00'; 32 $timezone = new DateTimeZone('Asia/Tokyo'); 33 34 $dateTimeInTokyo = DateTimeImmutable::createFromFormat($format, $dateStringWithTz, $timezone); 35 36 if ($dateTimeInTokyo instanceof DateTimeImmutable) { 37 // ATOM形式 (例: 2024-01-01T00:00:00+09:00) で出力し、タイムゾーンを確認します。 38 echo '東京のタイムゾーンでの日時: ' . $dateTimeInTokyo->format(DateTime::ATOM) . PHP_EOL; 39 } 40 41 42 // --- 失敗する例 --- 43 // 指定したフォーマットと文字列が一致しない場合、このメソッドは false を返します。 44 $invalidDateString = '2023/10/27 10-30-00'; // フォーマットと区切り文字が違う 45 $result = DateTimeImmutable::createFromFormat($format, $invalidDateString); 46 47 if ($result === false) { 48 echo 'フォーマットが不一致のため、日時の生成に失敗しました。' . PHP_EOL; 49 } 50} 51 52// 関数を実行して結果を表示 53createDateTimeExample();
PHPのDateTimeImmutable::createFromFormatメソッドは、指定した書式の文字列から、後から値を変更できないDateTimeImmutableオブジェクトを生成する静的メソッドです。
第1引数$formatに、'Y-m-d H:i:s'のような日付の書式を指定し、第2引数$datetimeにはその書式に合った日付文字列を渡します。オプションの第3引数$timezoneを使うと、特定のタイムゾーンを持つオブジェクトを生成できます。
このメソッドは、日付文字列の解析に成功するとDateTimeImmutableオブジェクトを返します。サンプルコードでは、生成したオブジェクトが持つformat()メソッドを利用して、別の書式で日時を出力しています。また、東京のタイムゾーンを指定してオブジェクトを生成する例も示しています。
もし第1引数の書式と第2引数の文字列が一致しないなど、解析に失敗した場合はfalseを返します。そのため、戻り値がfalseかどうかを確認することで、処理が成功したかを判断するのが一般的です。サンプルコードの失敗例では、フォーマットと文字列の区切り文字が異なるため、オブジェクトの生成に失敗しfalseが返されています。
createFromFormatメソッドを使用する際の最も重要な点は、第一引数のフォーマット文字列と、第二引数の日付を表す文字列が完全に一致する必要があることです。ハイフンやスラッシュといった区切り文字や記号も含めて厳密に評価されるため、少しでも異なると日時の生成に失敗しfalseが返されます。このため、メソッドの戻り値がオブジェクトであるか、あるいはfalseであるかを必ずチェックする処理が不可欠です。このチェックを怠ると、エラーでプログラムが停止する原因となります。また、タイムゾーンを引数で指定しない場合はシステムのデフォルト設定に依存するため、意図しない時刻になることを防ぐには明示的な指定が推奨されます。
PHP DateTimeImmutable::createFromFormatとタイムゾーンを扱う
1<?php 2 3/** 4 * PHPのDateTimeImmutable::createFromFormat メソッドの使用例。 5 * 指定されたフォーマットとタイムゾーンに基づいて、日付時刻文字列から 6 * 変更不可能な(Immutable)日付時刻オブジェクトを生成します。 7 * 8 * @see https://www.php.net/manual/ja/datetimeimmutable.createfromformat.php 9 */ 10 11// 1. 日付時刻文字列のフォーマットを定義します。 12// 'Y' (年)、'm' (月)、'd' (日)、'H' (時・24時間形式)、'i' (分)、's' (秒) 13$format = 'Y-m-d H:i:s'; 14 15// 2. 上記のフォーマットに正確に一致する日付時刻文字列を定義します。 16$datetimeString = '2023-10-27 15:30:00'; 17 18// 3. タイムゾーンを定義します。 19// 'America/New_York' はニューヨークのタイムゾーン識別子です。 20$timezoneIdentifier = 'America/New_York'; 21$timezone = new DateTimeZone($timezoneIdentifier); 22 23// 4. DateTimeImmutable::createFromFormat を使用してオブジェクトを生成します。 24// 引数: string $format, string $datetime, ?DateTimeZone $timezone = null 25// 戻り値: DateTimeImmutable|false (成功時はオブジェクト、失敗時は false) 26$dateTimeImmutable = DateTimeImmutable::createFromFormat( 27 $format, 28 $datetimeString, 29 $timezone 30); 31 32// 5. オブジェクトの生成が成功したかを確認し、結果を表示します。 33if ($dateTimeImmutable === false) { 34 echo "エラー: 日付時刻の解析に失敗しました。\n"; 35 echo "指定したフォーマット ('" . $format . "') と日付時刻文字列 ('" . $datetimeString . "') が一致しているか確認してください。\n"; 36 // より詳細なエラー情報は DateTime::getLastErrors() で取得できます。 37} else { 38 echo "--- DateTimeImmutable::createFromFormat とタイムゾーンの例 ---\n"; 39 echo "元の文字列: " . $datetimeString . "\n"; 40 echo "使用したフォーマット: " . $format . "\n"; 41 echo "指定したタイムゾーン: " . $timezoneIdentifier . "\n"; 42 43 // 生成された DateTimeImmutable オブジェクトの情報を表示します。 44 // 'P' はタイムゾーンのオフセット (例: -04:00)、'e' はタイムゾーンの識別子 (例: America/New_York) 45 echo "生成されたDateTimeImmutableオブジェクト: " . $dateTimeImmutable->format('Y-m-d H:i:s P (e)') . "\n"; 46 47 // DateTimeImmutable は変更不可能なオブジェクトであるため、 48 // setTimezone() などのメソッドを呼び出すと、新しい DateTimeImmutable オブジェクトが返されます。 49 $tokyoDateTime = $dateTimeImmutable->setTimezone(new DateTimeZone('Asia/Tokyo')); 50 echo "アジア/東京での表示 (新しいオブジェクト): " . $tokyoDateTime->format('Y-m-d H:i:s P (e)') . "\n"; 51 echo "元のDateTimeImmutableオブジェクト (変更なし): " . $dateTimeImmutable->format('Y-m-d H:i:s P (e)') . "\n"; 52} 53 54?>
PHP 8のDateTimeImmutable::createFromFormatメソッドは、指定された書式(フォーマット)と日付時刻文字列から、変更不可能な日付時刻オブジェクト(DateTimeImmutable)を生成するクラスメソッドです。このメソッドは、さまざまな形式の日付文字列を正確に解析したい場合に特に有用です。
第一引数には日付時刻文字列の書式を定義する$formatを、第二引数には解析したい$datetime文字列を指定します。第三引数の$timezoneには、オプションでDateTimeZoneオブジェクトを渡すことで、日付時刻がどのタイムゾーンに属するかを明確に指定できます。この$timezoneが指定されない場合、PHPのデフォルトタイムゾーンが使用されます。
サンプルコードでは、'Y-m-d H:i:s'という書式と'2023-10-27 15:30:00'という日付時刻文字列を定義し、さらに'America/New_York'のタイムゾーンを指定してオブジェクトを生成しています。メソッドが成功するとDateTimeImmutableオブジェクトが返され、失敗した場合はfalseが返されるため、必ずその結果を確認することが重要です。
生成されたオブジェクトは指定したタイムゾーンを保持し、その時刻を正確に表します。DateTimeImmutableは一度作成されると内容が変更できない特性(不変性)を持つため、時刻を変更するような操作を行うと、元のオブジェクトは変わらず、新しいDateTimeImmutableオブジェクトが返されます。これにより、意図しないデータ変更を防ぎ、より安全な日付時刻処理を実現できます。
DateTimeImmutable::createFromFormatメソッドでは、解析対象の日付時刻文字列と指定するフォーマットが完全に一致している必要があります。わずかな違いでも解析に失敗し、戻り値としてfalseが返されますのでご注意ください。そのため、メソッドの戻り値がfalseでないかを必ず確認し、適切にエラー処理を行うことが非常に重要です。第三引数にDateTimeZoneオブジェクトを渡すことで、日付時刻文字列がどのタイムゾーンのものかを明確に指定できます。また、DateTimeImmutableは一度生成されると内容が変更されないオブジェクトです。setTimezone()などのメソッドを呼び出しても元のオブジェクトは変わらず、タイムゾーンが変更された新しいオブジェクトが生成される点を理解しておきましょう。