【ITニュース解説】Install and use Microsoft AI Shell
2025年09月27日に「Dev.to」が公開したITニュース「Install and use Microsoft AI Shell」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Microsoft AI Shellは、AIがコマンドライン操作を支援する新ツールだ。複雑なコマンド入力をAIが生成し、特にAzure関連作業を効率化する。Windows Terminalなどに統合され、GPT-4oを活用。CLI初心者にも使いやすく、現在プレビュー版として公開中だ。
ITニュース解説
コンピューターを操作する際、通常はマウスでアイコンをクリックしたり、メニューを選んだりしてグラフィカルな画面を使うことが多い。しかし、システムエンジニアのような専門家は、コマンドラインインターフェース(CLI)と呼ばれる、文字を入力してコンピューターに指示を出す方法を頻繁に利用する。このCLIは、多くの作業を効率的に自動化できる非常に強力なツールである一方で、コマンドの書き方(構文)が複雑で覚えにくく、時には戸惑うことも少なくないのが現状だ。特にシステムエンジニアを目指す初心者にとっては、どこから手をつければ良いのか、どんなコマンドを書けば良いのか迷ってしまうことも多いだろう。
このようなCLIの持つ課題を解決するために、マイクロソフトが開発した新しいAI搭載ツールが「Microsoft AI Shell」だ。これは、AIの力を借りてCLIでの作業をより簡単で直感的にするための画期的なツールである。AI Shellは、チャット形式の対話インターフェースと、大規模言語モデルと呼ばれる高度なAI技術を組み合わせることで、ユーザーが自然な言葉で質問したり指示を出したりすると、それに合ったコマンドを生成したり、関連情報を提供したりしてくれる。
AI Shellは、Windows環境では「Windows Terminal」というターミナルソフトウェアに、macOS環境では「iTerm2」に直接組み込まれて動作する。これにより、普段使い慣れているCLIの環境の中で、AIの支援を受けながらスムーズに作業を進めることが可能になる。AI Shellの重要な特徴の一つは、「エージェント」と呼ばれる仕組みだ。これは、異なるAIモデルと繋がるための窓口のような役割を果たすもので、初期のリリースでは二つのエージェントが提供されている。
一つ目は「Azure OpenAIエージェント」だ。このエージェントは、OpenAIが開発した高性能なAIモデルであるGPT-4oに接続し、一般的なAIタスクを処理する役割を担う。例えば、プログラムのコードの書き方について質問したり、特定の処理を行うCLIコマンドを生成してもらったりといった、幅広い用途で活用できる。二つ目は「Copilot in Azureエージェント」だ。このエージェントは、マイクロソフトのクラウドサービスであるMicrosoft Azureに関する質問や、Azure上での具体的なタスクを支援することに特化している。Azureのリソース作成や管理といった、クラウド環境での作業を効率的に進めるのに役立つだろう。
AI Shellは2025年に正式リリースされる予定だが、現在は「v1.0.0-preview.6」というプレビュー版が提供されている。プレビュー版であるため、まだ開発途中の機能が含まれていたり、予期せぬ問題が発生する可能性があったり、今後のアップデートで機能が変更されたりする可能性がある点には留意しておく必要がある。
AI Shellを利用するためには、まずこのツールを自分のコンピューターにインストールする必要がある。具体的には、「aish」というCLIツール本体と、「AI Shell PowerShellモジュール」という二つの要素をインストールする。Windows環境でインストールする場合は、特定のPowerShellスクリプトを実行することで比較的簡単に行える。例えば、PowerShellを開き、Invoke-Expression "& { $(Invoke-RestMethod 'https://aka.ms/install-aishell.ps1') }"というコマンドを入力して実行すると、必要なファイルが自動的にダウンロードされ、インストールされる仕組みだ。macOSやLinux環境でインストールする場合は、公式ドキュメントにそれぞれのプラットフォームに特化した詳しいインストール手順が記載されているため、そちらを参照してほしい。
インストールが完了したら、AI Shellを起動して利用を開始できる。ターミナルを起動し、「Start-AIShell」というコマンドを入力して実行すると、AI Shellが起動する。起動すると、どのAIエージェントを使用するかを選択する画面が表示されるため、先に説明したAzure OpenAIエージェントか、Copilot in Azureエージェントのどちらかを選ぶ。
ここで、Copilot in Azureエージェントを使ってみる例を考えてみよう。このエージェントはAzureに関する支援を行うため、まず自分のAzureアカウントにログインしておく必要がある。これは、az loginコマンドやConnect-AzAccountコマンドを使って行うことができる。ログインが完了したら、表示されたリストから「Azure」エージェントを選択する。エージェントはログインプロセスを経て、その後すぐにユーザーとの対話を開始する準備が整う。準備ができたら、例えば「Create an Azure CLI command to deploy a resource group.」(リソースグループをデプロイするためのAzure CLIコマンドを作成してください)のように、自然な言葉で質問することができる。すると、AIエージェントは即座に、その要望に合った正確なCLIコマンドを生成して応答してくれる。これにより、複雑なAzure CLIのコマンド構文を一つ一つ調べたり覚えたりする手間が省け、より効率的に作業を進めることが可能になる。
一方、Azure OpenAIエージェントを利用する場合は、少し異なる設定が必要となる。このエージェントを使うためには、自分でデプロイしたAzure OpenAIのサービスに接続するか、あるいはOpenAIが提供するAPIアカウントに接続する必要がある。これらはどちらも利用料金がかかる有料サービスである点に注意が必要だ。接続の設定は、JSONファイルと呼ばれる形式のファイルに、必要な認証情報やエンドポイント情報を記述することで行う。詳しい設定方法については、公式ドキュメントに詳細が記載されているため、そちらを確認することが重要だ。
Microsoft AI Shellは、このようにAIの力をCLIに直接持ち込むことで、システムエンジニアが日々直面する多くのタスクを支援し、CLIの利用をより身近なものにする可能性を秘めている。Azureのリソース管理を行う場合でも、特定の処理を行うAI駆動のコマンドを生成する場合でも、このプレビュー版ツールは試してみる価値があるだろう。ただし、まだ進化の途中にあるツールであることを忘れずに、今後の開発にも注目していく必要がある。